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第十六話 森の地獄の始まり

 商人はバッチリ荷馬車に荷物を積み込んでいた。戦闘員のメンバーは変わらない。やっぱりこの荷馬車の専属戦闘員なのかも。この先も行ってさらに魔王の城のすぐ隣にある街にも行ってるなら、あの強さも頷ける。



 どんどん魔物の数も襲撃の頻度も上がってくる。ニタは雷系の魔法も使えるようになっていたが、さらに強い魔法が浮かんだ。リンは泥を造形して魔物の足元を固まらせるという造形魔法を思い浮かんだし、ツバキは見えない速さで魔物を切っている。腕すっぱりどころか胴体まで切っている。あの速度の中を。



 ここには旅を始めた時の最弱なチームはいない。が! これで魔王の前に出れるかと聞かれたら即答出来ない。だって、ニタはその手前の街で別れる。ジュジュは魔王の城を通り過ぎて世界樹行きなんだから。


 いや、いろいろ言い訳言ってるがただ単に俺は自信がないんだ。こうしてどんどんと魔王の城に近づくほどに不安になるんだ。俺なのか? 間違いじゃないか? 俺に世界など救えるのか? 魔王を倒すことなんて出来るのか?




 また、森に入った。嫌だな森。ニタの雷のワザに磨きがかかって、この荷馬車の戦闘員と同じような雷を降らせるワザも出来るようになったんで前よりもマシかと思ったのが大間違いだった。

 はじめは茶色の体で、多分原型スズメだと判断した魔物が向かってきた。チュンチュンなん可愛い鳴き声をあげるわけもない。二足歩行しそうな体に羽が生えてる。鷹との違いは頭部の形のみだ。

 ギャーギャー

 もう猛禽類にいれたらって思える声で鳴きながら、そいつらがガンガンに荷馬車を襲う。荷馬車を降りて襲ってきた魔物切っていき、魔法使いは魔物がいるだろう森に雷を落としていく。が、森が大きいんだろうか一向にやまない攻撃。何匹いるんだよ!

 スズメに肩を切られて、ジュジュとルートに引きずられて荷馬車に乗せられた。

 ジュジュなんで涙ぐむんだよ治癒中。慈悲深すぎだろ。

 治癒中外が気が気でないがギャーギャーという声も雷の音もそして、バタバタとスズメが落ちる音もなくなった。

 何も言わないでルートは荷馬車を降りて行く。道のスズメの魔物を道の脇にどける為に。

 傷は軽かったし、すぐにジュジュが手当してくれたのでほぼ治ってると思うのに、ウルウルの瞳でジュジュと反対側の俺の隣で傷を見てるリン。そしていつものように何度も尋ねるツバメ。大丈夫だって! それよりも、魔物を移動中のルートに運ばれてきて自分もルートに治療されてるだろうが! ツバキが早すぎて見えなかったから治療が遅れたうえに、動き回ってたのに。


 その後すぐに俺は治ったんで治癒が早いジュジュとツバキの治療を交代するルート。



 だけど、地獄はここからはじまった。

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