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第十二話 倒れた荷馬車

 

 朝になり肩の痛みはかなり和らいだ。ルートは早くに部屋に来て、昨日貼った物を剥がして新しいものに張り替えてくれた。

「ジュジュが治癒しなかった理由考えて、今日はやれよ」

 と、言い残して去って行く。確かにジュジュは何かをこらえる顔で俺を見ていた。ジュジュが治癒すればもっと早く治りで、今日は全開で戦闘できるだろう。なのに、ジュジュはあえてしなかった。

 ルートも多分できたのをこれに切り替えたんだ。ジュジュの我慢の意味を残すために。

 肩の痛みはかなり楽だし、動ける。が、貼られていることで思い知らされる、みんなの思いを。



 地雷切りをするだけで、あとは一文字で切り抜ける。この荷馬車に乗ってる剣士や魔法使いが意外に強かった。人数が少ないのはそのせいだったんだろうな。商人も戦闘に嬉しそうに加わってるし。この集団なにげに強い。


 サイの突進も牛の突進もバッファローの突進も、って魔物突進しすぎだ。

 まあ、そのおかげであのドドドという地響きで魔物の存在に気づいて手を打てるので助かる。


 空を飛んでる魔物はその点困る。群れてくれないと魔法も剣士も単体での攻撃になるので疲労がすごい。魔物になってすでにトリなのかなんなのか原型がわからないが、やたらに手ごわかった魔物の死骸を道にいるのは道の脇にどけて行く。


 これって…どうなるんだろう。そういえば魔物の死骸の山の間を通ることもあるけれど、俺たちが片付けるよりも少ないように思う。俺のせいか?それにしては腐敗した魔物の山は見ないし腐敗するなら、埋めるとかなるよな。もしかして消えるんじゃ…消えるならもっと早くに消えろ。魔物を倒した、ジャジャンって、消えろ!!運ぶのマジで大変だし嫌なんだけど。真っ二つに切った俺が言うのもなんなんだけどね。



 荷馬車が止まった。

「早く!!運ぶんだ。魔術師!!」

 なんだろうと、降りて見てみると荷馬車がころがっていた。たくさんの踏み荒らされた跡。きっと魔物の大群に襲われたんだろう。

「大丈夫か!?」

「返事しろ!」

 運べるものから声をかけながら荷馬車に運び魔術師達の治療を受けていく。あ、この剣士。俺と目が合い目を伏せた。倒れていたのは俺たちを乗せられないと言って出発した荷馬車だった。

 何人かで横に倒れている荷馬車を立て直し、荷馬車の下にいたものの安否も確認する。戦闘中に倒されたんだろう。幸い襲われてすぐに通りかかったみたいだ。重症な者もいたが全員無事だった。

 怒りがこみ上げてきた、魔物は何がしたいんだ。人を襲い傷つけるだけだ。何の為にこんなこと繰り返すんだろう。食糧にするわけでもなく、魔物ただただ人を襲ってくるだけだ。


 すぐに荷馬車の荷物をおろして怪我人達を乗せて、次の街まで荷馬車をスタートさせる。

 魔物に襲われれば戦闘して、出来るだけ最短で終わらせる。こうなったら、昨日の約束どころじゃないからな。



 なんとか次の街に着き街の魔術師や薬師のところまで怪我人達を送っていく。ジュジュの治癒は早い何人かはもう完治しているし、ルートも治している。ルートってどれだけすごい魔術師なんだよ。ルートがそこを全くアピールしないのが不思議だ。



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