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第二話 塔

 朝がきた。塔へと出発する。ツバキもリンも新しい服を着てる。そんな二人を羨ましそうに見てるジュジュ。ジュジュ違うから、目的違うから! 今から魔物がいるだろう塔を目指すんだから。



 道で会う魔物にビクつくことなく進む俺たち。なんだか勇者一行らしくなってきた?



 塔は平原にあったんで街を出るとすぐにわかった。それにしても…道がある、塔への。何であるの? あれって魔物いるんだよな? 魔王がいない時代に塔を何かに使ってるのか? なぜ道があるんだ!?


 道のおかげではなく見えてるので迷うことなく塔に到着。平原なんで、魔王の群が寄って来る様を見てたら、船に這い上がって来る魔物を思い出した。なんで魔物は寄ってくるんだろう。人間に寄ってくるんだろう。


 と、そんなことより目の前の塔だ。階は5階。ゲームによくある設定だけど一番上がボス戦で徐々に強い魔物が出てくるんだよな。少し緊張する。回復はジュジュだけだし、何よりジュジュが治癒してる時間があるかだ。ジュジュを塔の中に入れたくはないけど、塔の外も魔物がやってくるから一緒に中にいた方がいい。




「開けるぞ、扉!!」


 意を決して塔の扉を開ける。両開きに開いた扉の向こうは、え? いや、徐々に強い敵になるんだろうけどさ。だからってスタートはこれか?……ウサギだよ。ラッコと同じように外観が少しソフトなんだよな。が、一斉にこちらを向いて向かってくる様は決していい感じとは言えない。だって、歯、前歯の二本の歯がもう違う。歯じゃない、牙だよ、牙。尖ってるし。

 魔物はやる気満々だ。手も爪が異様に鋭いしデカイ。耳と若干残ったウサギ感でウサギだとわかるけど。目が紫だし、相変わらず紫の煙を湧き立たせてくれるし。すごいな、これ。ある意味。


 魔物はこっちに向かってきてるのと、奥に見える階段を上がらないといけないんで、全ての魔物を倒さなくては。魔物は塔の中を所狭しとウジャウジャいる。


「リン、イガイガ落とせ!」


 俺たちの上以外はイガイガの雨が降る。すごいなこれ。イガイガの落ちる音がすごい。造形魔法の硬さに磨きがかかっている。


「行くぞツバキ、ニタ」


 弱ったウサギの魔物を切って行く。狭い塔にウジャウジャいるから一文字が効果絶大だ。一気に何匹も切れる。ツバキも疾風切りで大量に切って行く。ニタはさすがに火柱はここでは出せないからか、両手から炎を出してウサギの魔物を焼いて行く。

 なんだろう。海で魚介類の魔物をニタが焼いている時には感じなかったこの気持ち。いや、考えるのはやめよう。相手は魔物だ。


「よし、次行くぞ」


 ウサギの魔物の群れを倒して、奥の階段を上がる。次はなんだ?


 階段を上がると、ちょっとウサギからレベル上げすぎじゃないかこれ? オオカミ? え? 犬?

 牙と爪、牙から滴り落ちる紫色の液体。犬なんだかオオカミだかわからないし! まあ、倒すんだけどどっちにしても。うるさいよ、唸るなよ多いんだから。


「リン頼む」

「うん」


 さらさらと描いて呪文が続いて、ゴトゴトってイガイガの雨が降る。


「ツバキ、ニタ、行くぞ!」


 焦げ臭い匂いの中切り進む。上ってなんだろ? 犬かオオカミで違うよな。かなり。最初がウサギなだけにどちらか全くわからない。


 そんなことを考えつつ奥の階段に到着。


「登るぞ!」


 何が来るんだ?


 階段を上がり切った。

 ああ、さっきのが犬かオオカミか、結局わからないよ。ワニが来たからな。判別不能だ。

 魔物はすごい勢いでこっちにやってくる。


「リン!」


 もうこれ以上言えない。近くのワニの魔物を切る。焦げ臭さも広がる。

 そして、イガイガの雨が降る。そこからは弱ってるワニの魔物を切るだけだ。




 次は何が来るんだろう?猛獣系を思い描く。ワニの魔物を倒して奥にある階段を登る。


「行くぞ!」


 気合入れないともう4階だしな。


 階段を上り切る前に魔物に見つかる。ヤバイ突進してくるよ。


「リン頼む!」


 俺は階段を降りてくる魔物を切って行く。


 ゴトゴト


 イガイガの雨に当たらなかった手前の牛を切り捨てつつ階段をあがる。


 そう、牛がいた。猛獣を想像してたんで意表を突かれたな。あのツノと突進してくる目は他の猛獣に全くひけをとらないけどな。


 やっと全員4階に上がった。弱った牛を切って進む。ニタが魔物を焼いてる。この魔物を焦げ臭い匂いと牛ということで、ちょっと連想してしまう。いや、これは魔物だし。



 奥の階段まですすむ。さて、これで牛の魔物も倒した。あとは最上階だ!!


 牛が来た次はなんだろう? ボスだよな。俺の想像はジュゴン……じゃなくてセイレーンに向かう。セイレーンは魔物ではないけど、ボスキャラなイメージだ、大きさ的にも。あの不思議感も。


 階段を上がり切ると、お! さすが最上階だ扉がついてる。



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