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第一話 勇者伝説を勇者は読んではならない

 船長にお礼を言って船を降りる。また、船長、勇者伝説の話をしてる。好きなんだなよっぽど勇者伝説。


 それにしても残念だった。あの勇者伝説好きの船長が仲間になるんじゃないかって期待したんだけどな。剣も魔法も使えてしかもすっごいタフ。仲間になってくれたら助かったんだけど、船があるしな。


 というか船長は勇者伝説を読んで楽しんでるだけだな。まあ、普通はそうするか。魔王を倒しに気軽には勇者については来ないよな、リンとツバキ以外は。



 すぐに宿屋に入って休憩する。疲れがみんな酷い。

 ジュジュも治癒し通しだったんだろう。あの服の切れ目、ツバキやニタやリンの傷を全部治してるんだから。


 俺も眠れるのか? 昼間寝てたし。と思っていたのにベットにニタと同じように入ったら俺の記憶はなくなった。




 朝日で起きるのどれくらいぶりだろう。そして、魔物の襲撃かと思い廊下に飛び出る事なく起きるのは。




 さあ、気合入れていかなくては。みんな服がボロボロだ。ジュジュ以外は。買い足しが必要だけど、ここからが重要だ! なんとしてもリンとツバキに普通の服を買わせる事!

 俺のも普通の服を買い足したい。あの襲撃がリンとジュジュの選んだちょっとって思う服を台無しにしてくれた。ここは何としても俺の意向を反映させなくては。



 街が大きくて大はしゃぎな三人娘。果たして俺にコントロール出来るだろうか?




 そして気になるのは塔だ。誰か、占い師! 言ってくれ俺に塔に行く指示をくれ!!

 何人もの占い師の前を横切っても全く反応がない。




 その間に俺もニタも服を購入。ちょこちょこリンが絶対戦闘向きではない服を勧めてくるが、何とか乗り切り自分の趣味で選べた。ニタはまたツバキの一言に踊らされてる。



 リンとツバキにそれはとか、あんまりかなとか、いろいろ言ってなんとかメイド服や露出すぎて目のやり場に困る服は避けてもらう。メイド服を普通に服屋に置いとくなよ! どういう必要性があるんだ?

 その間も、いらないだろ?もう服はジュジュ、と何度も言わないといけない。疲れる、はしゃいでる三人に疲れてる俺に、ニコニコみんなを見てるニタ。



 そして占い師に呼び止められない勇者一行。どうしよう。ニタに言うべきなのか? リンも勇者伝説読んでこの先のことを知ってるんだろ?なんでいつまでもはしゃげるんだよ。


「うわー!」

 ひときわ目を引くファンタジーな店に声が出てるよ、ジュジュ。そして、吸い込まれるように入って行く。ああ! また止めに入らないと何を買うかわからない。

 ジュジュを追いかけみんなで中にはいる。ジュジュは嬉しそうにしてる。それ?それはやり過ぎだ。背中に羽が生えてるぞ。世界樹に行ったらジュジュにも羽が出てくるから、必要ないだろその服は。というかフェアリーを隠してるハチマキの苦労が台無しなんだけど。

 ジュジュの暴走を止めようと俺も店の奥へ行く。


「おお!! 勇者様!!」

 へ?

「お待ちしておりました」


 って! 店の奥にある椅子に座って言う言葉じゃないだろ? そこには明らかに占い師がいた。おいおい! 占い師、店やるのはいいけど、勇者が来る時期くらい外をチェック出来るようにしてくれよ。


「勇者様、この街の北側に塔があります。その塔には………」


 占い師が語り出した。すっごい大事な情報なのに、ジュジュがこの店に入って俺がさらに止めに中に入らないと、勇者である俺に塔の事を伝えられないんだけど。もう少し頑張ってくれよ、占い師。勇者にその情報を伝える気はあったのか?


「………勇者様、塔に行き、マントを手に入れ魔王を倒せ!」


 おい! なんで最後命令口調なんだよ。また上から目線だよ占い師。


「ああ。わかった。ジュジュ行くぞ」


 ジュジュの手を取り店の外へと出る。ファンタジー色いっぱいな服を両手に持っていたのでその辺に置いて。背中に羽はまだいらないぞ!



 ひとまず北側の塔にはこれで心おきなく行ける。


 疲れてるしすぐに宿屋へ向かう。もうみんなの分、必要な枚数の服は買ってる。なんとか過激な服は避けたけど、あくまで過激なだ。それ以上は止めれなかった。みんなで一緒にいるから、見た目は相変わらずな一団だろうな。



 早くに眠りにつく。いろんな意味で疲れる日だった。勇者伝説聞くんじゃなかった。やっぱりルールは大事だな。


 

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