表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/66

第二十四話 魔物の襲来

 あっという間に眠ったようだ。ベットに横になった瞬間から記憶ないし。

 起きたのは夕方だ。いつもより少し暗くなってる。急いで食堂に行く。チラホラと剣士や魔法使いがいる。周りで起こして回るドアを叩く音が聞こえてくる。みんな戦闘続きで時間になっても疲れていて起きれないんだろう。



「大丈夫だったか?」

 開口一番に聞く。みんな明らかに疲れてる。治癒担当のジュジュまで。すごい戦いだったんだろう。

「うん。大丈夫。リンがエビに足を切られて、ツバキも腕を貝にやられたんで浄化したから、ちょっと疲れただけ」

 ジュジュが答える。

「リン! ツバキ!」

 二人を見る。もちろんジュジュの治癒だ傷跡すらなくなっている。だが、わかっていても確かめずにはおれない。別々の戦いを続けているからこそ心配になる。

「大丈夫だよ」

「私も大丈夫。ジュジュにちゃんと浄化してもらったし」

「そうか」

 まあ、ジュジュが治したなら大丈夫だろう。

「トオルも気をつけてよ。数が多いし。なんか変わったのも出てきて」

ツバキの言葉。本当に気をつけないとジュジュが休めないからな。

「そうか。気をつけるよ。みんなしっかり休めよ」



 あー! 昨日のことは軽い襲撃だった! と思えるほど、今夜はあり得ないほど魔物が湧いてくる。地雷切りをいくら繰り出しても湧いてくる魔物。こういう事か魔物ウジャウジャとは! いや、まだそこには行ってない。海……怖い。


 ツバキの言ってた変なのとはこれのことか……模様でしか判別不能だが…シャチ。たち悪いぞ!! 体はデカイしサメ並の牙。そしてなんでか動きが速い。ここでのシャチの登場には参った。しかも数も多いって。地雷切りなかったらどうなってたんだ!

 地雷切りで海水と共にボロボロになった宙を舞うシャチの魔物を見てウンザリする俺。


 ヘロヘロになってもう持ち場のようになった場所に座り込む。魔物の襲撃が少し止んだ。体を少しでも休める。

 予想していた船旅とは全く違う。疲れた体を見てここ数日の間にこの重い剣を振り回していたせいか、筋肉がさらにはついたように見える。確かに剣を軽く感じてる。

 船旅が修行の旅とはな。船長が到着は明日の夕方だと言っていた。今夜までだ。今夜までの地雷切りだな。




「魔物! 魔物の群れに突っ込んでる!!」




 おし!! 行くか!!



 



 昨日と同じように昼番が合流しながらの交代となった。


 もう声をかける時間もない。ジュジュも治癒に回っている。


 ご飯を食べて寝る。次に呼び出されてもいいように。







 ドンドン!


 やっぱり起こしに来たよ。剣を持ち部屋から出て廊下から甲板に走り出る。

 まさかのラッコ。甲板にいるのを見るとなんか異様にデカイいし。

 とにかく甲板にいるには数匹、先にそっちをやる。何せラッコの魔物は脇から貝を出して攻撃してくるんだよ。貝も紫色だし、当たっただけで毒にやられそうだ。後ろからきた剣士や魔法使いで全部をやっつける。


 俺はいつも通り地雷切りをしてまわる。



 ドドド、ドーン!!


 ああ、ラッコが海水と共に宙を舞ってるよ。


 ドドド、ドーン!!


 ドドド、ドーン!!


 ドドド、ドーン!!


 ラッコの宙を舞う様に気を取られてる場合じゃない。

 ラッコを切ってまわる。ラッコは貝で受けようとする。いや、ラッコこの剣には貝で防御しても効かないって。


 ようやく襲撃が終わった。


 甲板にいたラッコは少ないが、異様に重い。

 三人がかりで海に放り込む。


 掃除はもういいからと言われてベットに戻る。次は到着の知らせならいいのに。




 ドンドン!!


 やっぱりくるね。剣を持ち立つ。一瞬クラッとなる。地雷切りって動きがないが意外に神経を使うんだよな。


 それでも体を立て直し気合を入れて廊下に出て走って行く。今度はなんだ!!



 甲板にいたのはサメだね。あれ? 岩も? 岩で魔物の数が増えたんだな。


 数が多いんだろう。甲板の魔物は夜番の剣士や魔法使いに任せよう。

 俺は地雷切りをして回る。


 ドドド、ドーン!!


 ドドド、ドーン!!


 ドドド、ドーン!!


 ドドド、ドーン!!


 ああ、ここが岩の出どころだな。後ろを地雷切りしたら海水と共に岩が宙を舞っている。

 甲板のほうで手薄な場所に入り切りまくる。

 なんかまた腕の感覚なくなってきたよ。



 太陽はもう少しで夕方か。あと少しだ!! ああ、でもこの船が魔物がウジャウジャいる海の端に近づいていくんだよな。ろくな想像できないな。


 ヤバイ朦朧としてきた。右腕に感覚がなくなってた右腕に痛みが走る。ああ、サメだよ。あの牙にやられてるんだな。それでも腕は慣れた手つきで一文字や小回りでサメを切りまくる。ああ、もうダメだ。リタイアしようと思うが体は戦闘を覚えている。まるで壊れたロボットみたいにサメの魔物を切りつけて行く。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ