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第二十二話 オオダコ

 甲板に出てもう一度みんなに声をかける。

「今日は大丈夫だったか? 何かあったか?」

「今日は大丈夫だよ。なんか一気に落ち着いた」

「この辺は少ないのかもね」

「ね、ね、もうちょっと……」

 リンの願いはろくな結果を生みそうにない。ここはさらっと流そう。

「ああ、じゃあ。交代。お疲れさん! みんなよく休めよ!」

 俺は一気に話を終わらせた。いったいリンはもうちょっと俺に何をさせようとしたんだ。気になるけど触れたが最後もうちょっとなんかさせられる。




「おお! 坊主も衣装替えか!? 面白いなお前らは!」

 ダメか、最大限に着崩したがダメだった。

「ああ、あの、魔物に服を破かれたんでこの前寄った街でみんなが服を買っててくれてて」

 言い訳出るよ。やっぱり。俺の趣味ではないと!!

「そうかあ! 仲いいな。なかなか面白い勇者だな。勇者伝説が楽しみだよ!」

 この人ひそかに勇者伝説のファンだな。絶対。魔王を倒してくれとかいう言葉は全く出ないし。目的が勇者伝説読むことみたいだな。

「はあ」

 魔王の城にたどり着くあてもなく、さらには魔王を倒す気すら起きないのに、もう勇者伝説って伝説の話をされてもな。

「じゃあ、今日も頼むぞ!」

 俺、何時の間にかすっかり船長にあてにされてるな。






「来たぞ! 右方向!!」


 夜警の声だ。

 俺は慌てて右に向かう。え!?



「オオダコ襲来!!」


 夜警再度言ってるが。


 これどうするの?


 完全に船にへばりつくオオダコ。大きい! ジュゴン……じゃないセイレーンも小さくみえる。

 ギシギシと船が軋む音。え!? これ手だししていいのか? オオダコからは紫色の煙は出ていない。

 魔物じゃないので手だししていいか考えてたら船長が来た。船長が呪文を唱えると稲妻が何本もオオダコに当たる。船長とオオダコの根性比べか? オオダコまだへばりついてる。何回も稲妻を繰り出す内に稲妻がオオダコの目を捉えた。やっとオオダコは諦めたのか巻きつけていた足を船から外して去って行った。


 なんだよ。海って、魔物関係なく危ないじゃないか! セイレーンにオオダコって、ある意味魔物より厄介なんだけど。




 船長見てて再度思う。魔法いいなあ。魔法使いがよかった。地雷切りも言葉通りの魔法ありそうだもんな。さっきの見てたら。





 さて、俺の憧れをよそに俺の地雷切りは役に立ってる。まあ、あと少しだろうな。これも。地面でやったら地面ひび割れして大迷惑だもんな。地雷切りの名前通り。



 最後はウトウト仮眠を取る余裕も出るほどこの辺は魔物そんなにいないな。

 オオダコのせいか? 魔物もオオダコにはかなわないんだろうか……海の世界を考えてたら寝ていたみたいだ。





「トオル起きて! 交代だよ」

 目の前にジュジュがいる。

「ああ、おはよう」

 俺は起き上がり、いつもこうならいいのにと思わずにいられない。





 さて、食堂に入りご飯を食べる。そういや、夜の当番ではじめて寝てたな。最初の日はセイレーンに寝かされそうだったけど。このまま昼も少ない魔物の襲撃だったらいいんだけど。




 さっき寝たのにまだ眠い。あ、明日はジュジュの買ってくれた服か。あれはまあ、あのままでいいか……。


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