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第十五話 ヌメヌメ

 ようやく朝が来る。やっぱり魔物がウジャウジャな海に少しずつだが近づいてるんだと俺は実感する。体が痛いよ。まあ、魔物を海に投げ込んで甲板の掃除も含めての疲労だけど。



 交代までに魔物の襲撃来るな。って思ったら来るのか?



「魔物ー! 左!」


 なんか夜警めんどくさくなってる? 短い呼びかけになってるのは俺の気のせいか?

 とにかく左側へと向かう。うわー。ワカメ? コンブ? って奴らだよ。ヌメヌメ感がイカのさらに上を行く。魔物め絶対船に乗せないからな!!

 あとの掃除をイメージしたら、疲れた体に闘志が湧く。魔物は切れ味イマイチだけど、まあ倒れて落ちていくしな。やった感ない魔物だよ。本当。

 意外と多い、いや、なんだこの量は!! どんどん魔物が海から湧いてくる! 紫色の煙が半端なく湧いてる。


「応援呼べ!!」

 船長の声が飛ぶ。


 もう、昼番のみんなが起きてるし交代間近だからな。

 ドタドタと足音が聞こえる。助かった。って安堵してられない。一文字で切りまくる。


「トオル!」


 振り向けないし、リン、一文字見たかったからだろうけど。ああ、見てないで丸を落としてくれー!

 後ろから呪文。丸が降って魔物が海に落ちていく。俺は少しずれてリンに持ち場を譲る。もうさばききれない数になっていたところだった。

 リンの反対側にツバキが来てくれる。俺が一番端だったんで、いつ横から魔物に登られるか気がきじゃなかったんだ。これで、魔物の登り口は塞いだ。船には絶対乗せないからな! ヌメヌメ!! あ、魔物。



 ハアハア


 何匹の魔物を海に落としたんだかわからない。本当にこの海を魔物がウジャウジャと言わないのか? まだ半分なのに。この先の海が怖い。

 ようやく魔物の襲撃は終わった。みんな気持ちは同じだったのか、甲板は綺麗だった。ヌメヌメは避けれた。




 服の破れにツバキとリンが騒ぎ出しジュジュが慌てて来たが、服をめくって傷がないと言わないと納得してくれなかった。まあ、毒が回るまで動いた後だから信用出来ないんだろうけど。朝っぱらから女の子の前で上半身裸になってる俺をチラ見してく剣士や魔法使い。ああ、今後誰も俺と話をしてくれなくなるって。まあ、これでやっと三人娘の騒ぎはおさまったんだけど。

「トオル何してるの?」

 ってニタ聞くなよ。いや、聞いてくれ、この事態を説明させてくれ!

「夜の担当者は早く飯喰って寝ろ!!」

 えー! 船長、説明が……もういいや。さすがにさっきのでクタクタだ。ニタはいい風に思ってくれるだろう。ポジティブだし。

「じゃあ、俺もう行くから」

「おやすみ、トオル」

 声揃ってるよ、四人で。なんかいいよな。俺だけ別行動だし。



 あー。今日もベットが俺を呼んでる。吸い込まれるように横になり、あっという間に眠る。


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