第十四話 星と太陽と月
あー。一人は孤独だ。無理して剣士達の会話に加わるか迷うとこだな。
せめてニタがいればいいのにな。ニタ完全に貧弱扱いだもんな。あいつ見た目よりずっとタフなのに。
星を見上げて見る。村も田舎だから星がよく見えた。星座には全く詳しくないが有名な星の姿はないから、あっちとは違ってるんだろう。そういや向こうでは星は見なかったな。星空なんて見えないし、見上げることもしなかったしな。そんな心の余裕もなかった。そんな気分にもなれなかった。もっと小さい頃は俺も星を見てたのかな。
異世界にも星はあって太陽もある。月は3つある。ややこしいがそれぞれ色が違ってるピンクの月と青い月と黄色い見慣れた月だ。大きさもそれぞれ違っていてどれもあちらの月よりもかなり大きい。だから、晴れていれば夜でもかなり明るい。まあ、魔物と戦えるぐらいじゃないけどな。だから今日も船には灯りがついてる。
*
「おう! 坊主! 明日は水と食糧を補給する為に街に寄るからな。まあ、お前は寝てるだろうが」
ああ、そうだろう。寝てるよぐっすり。いつも起きたら夕方だもんな。まあ、街に用もないからな。起きてたらまたあの三人娘が怖いからちょうどいい。
「どの辺の街なんですか?」
一応どこまで進んでるのか知りたい。船なんで速度がわからないし。あれ? この船なにで動いてる?
「おう。ちょっと待ってろ」
ガサゴソ、船長がポケットを探ってる。そのポケットから地図が出てきた。ちょっとシワがすごいが、この扱いだしな。
「えー。あ、ここだよ」
意外にももうすでに半分も来ている。この船がすごい速いのか。この世界が小さいのか。
「船速いですね。あの動かしてるのって」
「俺だよ。魔法で動かしてるからな。手漕ぎよりも遥かに速いし正確だ」
だろうな。やっぱり魔法の国だな。ってかこの船長めちゃくちゃ魔法使ってるのになぜに戦いは剣なんだ。
「あの、戦闘用の魔法持ってないんですか」
俺は思わず聞いてしまう。
「ああ、持ってるが。戦いは剣だろう!」
肩組まれた。俺も剣だからか。ああ、船長の戦いに対するこだわりなんだな。ただの。
羨ましい限りの船長の能力だけど、その冒険者的性格は全くもって残念だ。
*
それからも、もちろん魔物の襲撃は続いた。新種は来なかったけど海の移動と共に変わるかもしれないな。なにせ先の先は魔物がウジャウジャ過ぎて船が通れないんだから。この今のこの状態を魔物がウジャウジャと言わないんだから、考えただけでウンザリする。きっとキリなく魔物が船に這い上がって来るんだろうな。
一文字も何度も繰り出す。リンが見たかったのはこれだよな。きっと。だけど、戦闘は大惨事になってる。リンがいなくてよかった。また、船の上からサメを放り投げて海に落とす。サメ、ヤバイよやっぱり前出てるぶん距離あると思ってたら噛まれる。何度か服を噛みちぎられた。服だけで済んだけど。