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第十二話 新技披露

 と、



 ドンドン! ドンドン!


 へ!? もう夜? 起き上がり、窓の外を見るけど外はまだ明るい。異常事態だ。扉を叩く音は遠ざかっている。全員を起こしてる。剣を持ち廊下へ出る。何人かもう廊下へ出て走って甲板へ向かっている。俺もすぐに追いかける。大丈夫か! ニタ、リン、ジュジュ、ツバキ!



 うわー。酷いって見てる場合じゃない。イカの大量発生だ。ヌルヌルしてる足場でドンドン、イカを薙ぎ払う。その間にもみんなの安全確認。

 ニタは大丈夫だ。イカの丸焼き作ってる。リンも……もう岩も書く手間ないんだな。丸や四角や三角が次々と現れては落ちて行く。まあ、いいや大丈夫。ツバキもは……いない。チラリと振り返るとジュジュに手当してもらってる。危ないよ、そこで治療するのは。多分治癒を始めたときは安全だったんだろうけど。俺が手当てを受けてた場所だし。少しずつ下がって二人を守れる位置に移動する。

 イカめ! ヌルヌルしてて足を取られる。なんとか二人の近くまで来た。ここで耐えないと。

 ヤバイ5匹もこっちに来る。みんな目の前のイカで精一杯だ。やってみるか。

 集中する。ある程度近づいたイカの魔物。俺は剣を真横に一文字を書くように空を切る。バサバサっとイカの魔物はすべて倒れた。ふう、やっぱりこのワザできるな。

「トオル! すごい!」

 ジュジュ、ツバキの治癒に専念してくれ。イカが来るか気になるだろうけど。

 それからもイカの魔物の群が続く。なんだよこれ、終わるのかよ。

 イカを切るのに飽き飽きしてきた。さっきの技も使いまくりだ。秘技でも何でもない。一文字と勝手にジュジュが命名してる。だから集中してって、ツバキの治癒に。まあ、それだけツバキが回復してるんだろうけど。

 ツバキも右だの左だのイカの魔物の場所を教えてくれる。

 ザバザバって水音と共にこのイカの群との戦いは終わった。いや、まだ終わってない。ヌメヌメしたイカを海に投げる仕事が待ってる。


 ゲームなら、魔物の群れを倒したって言葉で終わるんだろうな。魔物がシャランって消えるんだろうな。


 剣をツバキたちに預けてイカを二人掛かりで放り投げてる。魔物やられたら消えろよ。サッて。あとが大変だよ。またシャワーを浴びたいが船は水が貴重だからダメだろうな。しかもイカ、ヌメヌメになる必要あるのか! 魔物なのにそこはいいだろ!

 異世界来たら矛盾だらけで頭に来る! って題名で俺の勇者伝説を書いて欲しいよ。




 イカを投げ捨てたら、今度は床掃除がはじまる。なんか学生時代を思い出すなー。年は今頃だけど十年前だもんな高校生だったの。……ジジイっぽいからやめとこう。




 あの紫色の液体がすぐに綺麗になるんで助かる。今日は甲板一面紫色だったもんな。


 全て終えたんでツバキたちの元に行く。ツバキも心配だ……あ、もう治癒は終わってる。リンもニタもいる。って! ニタ! 床掃除ぐらいはしろよ。なに女の子待遇で落ち着いてるんだよ。


「ツバキ大丈夫か?」

 ニタ睨みつつそう聞く俺。いちいち言わなくてもやれってニタにアピールしてるが、ニタは全く気づいてそうじゃないな。

「うん。本当ジュジュすごいね。傷も痛みも消えたし」

「時間がかかってたけど、毒か?」

「うん。毒の浄化に時間がかかって」

 ジュジュが申し訳なさそうに言う。ああ、そういう意味じゃないんだけど。

「ジュジュの力すごいよ。助かってる。ありがとう。使いすぎて疲れてないか?」

 船長の言葉がよぎった。フェアリーは自分の命を使っても人を助けるって。もしかしてこれってジュジュの命を削ってるのか?

「大丈夫だよ。これくらい」

 まあ、顔色悪そうでもないし、むしろ元気そうだ、いや、ジュジュは完全にワクワクしてる。

「トオル! 一文字すごいね!!」

 やっぱり来たよ。ジュジュ俺の首に絡みついて飛び跳ねてるよ。ジュジュがなぜそこまで喜ぶんだ。

「なに? なに? 一文字って!」

 リンの疑問にツバキが答えてる。

「トオルがね。こう真横に剣をシュッて空を切ってるのに、その向こうにいる魔物が切れちゃうの。すごい技なの!」

 ツバキも密かにテンション上がってるし。

「すごいね! トオル!」

 ああ、ニタありがとう。俺もやっと複数一度にやれるよ。

 リンは少し拗ねてる。なんでだよ。

「私も見たかった」

 って、これから見れるって。っていうか、ジュジュ俺は疲れてる絡みつくな!




 まだ、夜には間があるので起こされた者は再びベットへ。

 寝れない。戦闘してすぐに寝れるか!!


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