表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/66

第四話 フェアリーの力

「魔物だー! また後ろからだー!」


 ああ、嫌だ。俺の体は痺れはなくなったのにまだ体に力が入らない。少し起き上がってみたけど、無理だった。諦めるしかない。また三人に押さえられたけれど、なんでジュジュ以外のリンとツバキに俺の状態がわかるんだ?

 ジュジュの膝に俺の頭を乗せたリンとツバキは後ろに消えた。頭は動かせるけど、後ろは全く見えない。怪我するなよリン、ツバキ! 俺は怪我して寝てるけど。ジュジュの膝枕で。



 後ろからまたもや魔物の悲鳴と水に落ちる音が響く。あー、情けない。見ることも出来ないなんて。もう三回目の戦闘をリンとツバキはしている。二人ともそろそろ休まないと昼間の戦闘で疲れてるんだから。それにジュジュも治癒しっぱなしだ。




 次は俺戦えるのか?





 後ろが静かになった。と、バタバタと複数の足音がする。と、こちらに運ばれてくる人影。リン? ツバキか? 頭を持ち上げて見てるが見えない。



「魔術師を! 魔術師を起こして来い!」

 船長の声が響く。夜警とは別に甲板には船乗りが居眠り半分で、こちらも交代でいたけど、魔術師呼ぶためにいたんだな。

 俺の横に並べられる剣士の姿にホッとする。こちらに向かってくるリンとツバキ。負傷してたのは、リンでもツバキでもなかった。よかった。



 剣士は魔術師の治療を受けている。剣士の怪我は浅いのか顔色もいいし大丈夫そうだ。毒もなかったんだな。



 ああ、そういうことか。俺の顔色最悪なんだな。だから、リンもツバキも俺を引き止めるんだな。



 それにしても船長、俺の治療に魔術師を呼ばなかった。ジュジュを呼んでいる。昼間も俺がジュジュに治療をされていたからか。

 魔術師じゃあ、ヤバかったかもな。魔術師の治療を見てるがジュジュの方が治癒が遥かに早い。切られただけならジュジュが治癒すればすぐに治ったけど、剣士を治す魔術師は時間がかかってる。

 フェアリーの卵が狙われるはずだよ。この力すごい。これでもまだまだなんだよな。ジュジュは早目に旅に出たんだ、本当なら18だもんな、旅に出るの。

 ジュジュ、世界樹に早くついても入れてもらえるのか? まだまだ先の世界樹の事を考える俺。

 そこまで考えて、この先はまだまだ長いんだよなと気づく。船の上に一日いただけでウンザリしてる、俺たち魔王の城まで行けるのか。



  *




 魔術師、時間かかりすぎだろ? 次の魔物の襲撃までに間に合うのか? ただでさえ人数が少ないのに! さっきからずっと怪我治療中の俺が言えないんだけど。

 だんだんと体が軽くなる。そろそろ動けるか? 少し体を動かしたら、両側からリンとツバキに押さえられた。まだ顔色が悪いんだろう。

「トオル、ジュジュがいいって言うまで動いたらだめだよ!」

「もう少しだから、我慢してトオル」

 俺の焦りが一番わかるジュジュの言葉。

「ああ。わかった」

 諦めよう。無理に俺が参加しても足でまといになって、迷惑だろう。ちやんと戦力になるまでこのまま我慢だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ