表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/21

第17話 そして、『師匠』との打ち合い

お久しぶりの更新です。

お待たせしました。え…?待ってない?


……まぁ、まぁ!そんなこと言わずに…

 いつもの朝。


 冬が近付いているから、息が白い。

 走り終わったあと、『師匠』からもらった木製の剣を振るう。今では、始めに渡された時、2番目に手渡された剣になっている。これが持て始めたのは、最近のことだ。


 ずるりと、建物の影が蠢いた。


 来た!


 影が人の形を作っていく。

 頭から、影が晴れていき、中から『師匠』と『影』さんが現れる。

 『影』さんと一緒の時は、時々こういう現れ方をする。


「お!やってるな!少年」


「『影』さん、一週間ぶりです」


 へらりと『影』さんは笑う。


 いつものような笑顔の『影』さん。でも、何故かぞくっとした。


 笑う『影』さんが怖かった。だって、眼が少しも笑っていない。

 

 3年魔法を習って、分かったことがある。

 『影』さんは優しそうに見えて、『師匠』よりも本質的に怖い人だってことだ。


 にこにこ笑いながら、眼はいつも少しも笑っていない。最初、人が良さそうだと思った笑顔は、実は感情が含まれてないものだと気付いた。

 それで、さらっと怖いことを言う。怖いことを言っているのに、そこには何の感情も含まれていない。時々、本当に怖いと思う時がある。


 ぽんと頭を撫でられて、いつにない寒気がした。なんだろう…?なにか…あった?


「少年、この人に何か言いたいことがあるんだろう?」


 『影』さんに言われて、はっとした。

 そうだ!言わなきゃならない!!


「『師匠』、僕と打ち合いをしてください」


 『師匠』は、少しほほ笑む。


「いいよ」


「本当ですか!?」


 『師匠』は帽子を脱いで、中から木製の棒を取り出す。

 正直、『師匠』は頼んでも、なかなか打ち合ってはくれない。理由は…僕が弾き飛ばされて、気を失うせいだ。

 『師匠』の力が強すぎて、相手にならない。

 かなり、力をセーブしてくれているのに…。


 『師匠』の剣を受けちゃだめだ。だけど、スピードでは敵わない。フェイントは意味がない。


 僕が構えると『師匠』は僕に向き直り、だらりと剣をもった手を下げる。


「…どうぞ」


 『師匠』がにこやかに言う。


「よろしくお願いします」


 『師匠』はあそこから動かないだろう。いつもそうだ。


 『師匠』にむかって走る。剣を下からすくい上げるように走らせる。『師匠』は剣を眼で追っていない。僕の動きを見ている。


 狙うのは、背の高い『師匠』の首元!


 ぐっと剣を握り、突きを放つ。


 『師匠』は剣の軌道から、少し身体を傾けて避ける。


 そこから、突きの形のまま、無理やり、傾けた方向に剣を動かす。


 ガン!!


 だらりと下げていた木剣をいつの間に自分の身体と僕の木剣の間に持ってきたのか…

 『師匠』は不安定な体勢のまま僕の剣を軽々と受けていた。


「突き自体は悪いものじゃないねぇ。ただ、放った直後、隙だらけになっているよ。避けられることを考えるべきだねぇ」


 『師匠』は軽く僕の剣をはじく。


「う…わ!!」


 そんな軽い動作なのに、僕の身体は簡単に弾き飛ばされてしまう。

 『師匠』から離れたところに着地する。


 切れる息を少し整えて、じりと距離を詰める。


「君の強みはそのスピードと身軽さだよ。剣の重さは、今は考えなくていいよぉ。


 攻撃の数で敵を圧倒する方法もいいかもしれないねぇ」


 『師匠』はまただらりと剣を下げる。


 それを見て、僕は両手で持っていた剣を右手に持ち返る。


 

 正攻法では、あそこから『師匠』を動かすこともできない。

 意表をついた…違うやり方を考えなくちゃ!


 また、走り出す。


 今度は、『師匠』の剣を持つ手を狙う!


 と思わせて、寸前で左膝の下に狙いを変える。


「おっと」


 『師匠』は僕の狙いが分かっていたのか、剣で難なく受け止める。


 そんな、『師匠』の逆の足を思いっきり蹴る。


 が、それも読まれていたのか、『師匠』は足を上げてあっさり避ける。


 避けられたけど、そのままもう片方の『師匠』の足を払おうとすると、『師匠』は後ろに下がって、それも避ける。


 はぁ!はぁ!


 息が切れる。


 僕は膝をつく。


「や…」


「ん?」


「やった!!」


 『師匠』が首を傾げている。


「やった!!『師匠』を動かせた!!」


 思わず、手を上げて喜んで、後ろにパタッと倒れる。


「…目的が変わっていないかい?」


「いいえ!はぁ…!


 僕の…今の目標は…『師匠』を最初の場所から動かすことでした」


 『師匠』が苦笑している。


「あのまま私の足を蹴っていたら、君の足の方が木っ端みじんだからねぇ」


 え…?僕はもしかして、ちょっと無茶な攻撃を仕掛けたのか?蹴った方が木っ端みじんなんて…。


「いやいや、すっごいねぇ!少年!やるねぇ!」


 ぱちぱちと『影』さんは手を叩く。


「これなら、あっという間にこの人を剣なら追い越せるよ!」


「…君の中で私の剣の腕前はどんな位置づけになっているのか…一度話し合う必要がありそうだねぇ」


 あ!『師匠』から黒い空気が!


「あはは!あんたの剣が弱いのなんて、今更じゃないか~」


 げらげら笑う『影』さんはこっちを向く。


「ほら、話があるんでしょ?」




途中で切ってしまったのですが、続きは明日更新します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ