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第0話 そして、はじまりの物語

むかしむかしの物語…


あるところに1人の少年がいました。


少年はとても強く優しい心を持っていました。


小さな国の小さな村で生活していた少年は、たびたびある魔物の襲撃によって傷つく村人を見て、心を痛めていました。


みんなを守るために…世界を救うために、少年は強くなろうと決めました。


少年は有り余る才能と人一倍の努力で、剣の腕前はいつしか敵うものがいないくらい強くなっていきました。


優しい心と優しい魔力は精霊たちにも好かれ、少年はさまざまな精霊の力を借りて、さまざまな魔法を使うことができました。


強くなった少年は、自分の住む村だけでなく、近くの村や町の魔物退治の依頼も引き受けるようになりました。


強い力で人を救う少年は、国の誰もが知る存在となっていきました。


誰もが敵うはずがないと思っていた竜を倒し、武術大会で圧倒的な強さで優勝し、小さな国だけでなく大陸中に少年の存在が知れ渡る頃…


誰が言い出したのか、少年は人々からこう呼ばれるようになります。


――――…『勇者』…と…



そんな中、大陸中に衝撃が走ります。


かつて、ある魔法使いとの戦いの末、はるか彼方の大陸に封印された『魔王』が復活したのです。


『魔王』は残虐非道、強大な魔力と強力な魔族の部下を持って、人類世界に襲い掛かりました。


『勇者』はそんな危機に大陸中の国から『魔王』討伐を頼まれました。


『勇者』は決断します。


―――世界のために『魔王』を倒そう、と…


そして『勇者』は旅立ちます。


長い長い過酷な戦いの旅に…



『勇者』が旅に出たことを知った『魔王』は『勇者』を倒すよう部下に命令します。


『魔王』の命令で、魔王軍を率いる四天王たちは、『勇者』の命を狙い動き出したのです。


しかし、『勇者』はそんな刺客をものともせず、仲間を増やし、四天王を追い詰めて行きます。


多くの魔族を倒し、四天王を1人倒し、2人倒し…


『勇者』は旅を続けます。


魔王軍との戦いは、激しさを増していきます。


そして、ついに『勇者』は魔王の城にたどり着きます。


仲間たちが倒されていく中、『勇者』はけして諦めず、前へ前へと進んでいきます。


『魔王』の元へとたどり着いた時には、『勇者』1人になっていました。


『魔王』は闇の力を振るい、『勇者』を苦しめます。


追い詰められていく『勇者』…


ついに『勇者』は、魔力もほとんど底をつき、剣を握る腕も上がらなくなり、立ち上がることもできなくなります。


もうだめだと諦めかけた時、『勇者』は自分の奥の奥にある力に気付きます。


最後の力を振り絞り、『勇者』は『魔王』に向かっていきます。


そして…



まばゆい光が魔王の城を包み、それが消えた時―――


『勇者』は、『魔王』を再び封印することに成功したのです。


『魔王』も魔王城も永い眠りにつき、世界に再び平穏が訪れたのです。


『勇者』はいつしか『英雄』と呼ばれ、平和になった世界で幸せに暮らしました。



―――――――…『英雄』の名は、『アルベルト・カーター』…


正義を行使した、『勇者』の中の『勇者』である。




                           ――――――「『勇者』のものがたり」より

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