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歩み
私は今、一杯のみそ汁を飲みながらこれを書いている。
昔、私はアルコール依存者の彼と付き合っていた。私たちは同じ道を歩んでいるようで、でも実は間違った道を歩んでいた。私という存在がいるのならスリップ(アルコールをまた飲んでしまうこと)はしないだろうと。そんな甘い子供の考えだった。
私の書いたこの文字がこの世の中に出るころ、あなたはもうこの世にはいないだろう。あなたを失う悲しみは今の私には残っていない。人が私をどんなに冷たい人間だといってもそれは変わらないだろう。
死と向き合う時間。どんなにか辛いだろう。痛いだろうか。それだけはなんとなくだけれどもわかる気がする。