コトの真相 1
指定の教室にたどり着いた2人。教室のドアを開けると、ますます、不安にさせるものがあります。勇気を振り絞って進んだ先にあるものは?
<これまでの登場人物>
桜庭 智哉(経済1年)
藤井 和希(教育1年)
桜の木の下の男
教室のドアを開けて中を覗きこむが、暗幕が1枚、天井から垂れ
下がってるのが見えるだけで、人の気配がしない。そして、その暗
幕にも、貼り紙があった。
”ドアを閉めて、お進みください”
「カ~ズ~君~。」
見ると、トモがすごく不安そうな目で見つめてる。泣きそうにな
ってる。僕は、精一杯の笑顔をつくり、(ふっ)と笑いながら言っ
た。
「ここまで来たら、行くしかないだろ。な!」
「うん。」
カズ君はドアを閉め、オレは、カズ君の後ろにぴったりくっつい
たまま、一緒に暗幕の方へ歩いていく。歩きながら、カズ君のトレ
ーナーの裾をしっかりと掴んだ。
暗幕をくぐり抜けると、光が眩しくて、二人とも、目を細めた。
パーン!パパーン!
耳が痛くなるようなクラッカーの音に、二人はビックリして細め
た目を急いで開けた。周りを見渡すと、クラッカーを引っ張る格好
の人達に囲まれてる。十人近く居そうだ。そしてオレ達は、全身、
紙テープまみれだ。空からは、落下傘がふわりふわりと、優雅に下
りてきてる。
「サクラちゃん、入会、おめでとう~!!」
オレは、何が何だか、わからなくて、呆然としていた。隣にいる
カズ君も、ポカーンとしてる。
「サクラちゃん、僕のこと、覚えてない?
ほら、昨日、大きな桜の木の下で紙を渡した…」
「桜…紙…。…入会…………ふえーん(泣)!」
「トモ?」
オレは、周りで何が起こっているのか付いていけず、訳がわから
なくなって、隣にいたカズ君にしがみつき、恥ずかしいほどの大声
で、これでもか、ってくらい泣いた。
後から聞いた話では、カズ君は心配そうな顔をしながら、ずっと
頭をなでなでして、抱きしめていてくれたんだって。
カズくんって、いいヤツ!




