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気が向かない約束 4
「ここだ。」
D33教室の前まで、来てしまった。ドアには、何やら、張り紙が
してある。
”必ず、ノックしてから入室すること”
オレは、喉を鳴らしてゴクリと唾を飲み込んだ。
「うわぁ、やべぇ。緊張してきた。入試の面接でもこんなに緊張しな
かったぞ。」
「トモ~。そんなに、カチンコチンになるなよ。こっちまで、緊張が
うつるじゃないかよ。」
沈着冷静なカズ君が、こんなに動揺してるなんて珍しい。それでも、
カズ君は、やっぱりカズ君だった。オレの顔をじっと見てから、低い声
で言った。
「行くよ。」
コンコン
「失礼します。」
「・・・・します。」
オレは、緊張しすぎて口がうまくまわらなく、こもってしまう。
中からは、返事が聞こえない。
誰もいないのか?
でも、このまま引き返すことは出来ないよな。そうこう思ってると、
カズ君の手がドアノブを捕らえた。
「ガチャリ」
ドアをゆっくりと開けた。




