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晴れない心 2
「ダメか。今日も、居ないや。」
今日も、いつものように、講義の空き時間に部室に寄ってみた。
オレは、しばらくカズ君に会っていない。部室にも来ないし、
1年生は必須であるはずの教養系の講義でも顔を見ない。そして、
何故だか、寮でも姿が見当たらない。カズ君の部屋をノックしては
みるものの、全く反応がない。携帯の番号も、メアドも知らない
ので、連絡の取りようがなかった。同じリビングの人に聞いてみる
と、たまに、のそっと出てきて、用事をたすと、すぐに部屋に戻って
いくらしい。
そして、オレは、今日も、どこからともなく現れる山田さんに
翻弄されていた。そう、あの悪のまどろみにである。
「もう、いい加減に止めてくださいよ。」
「えーーっ。サクラちゃん、体温高くて、心地良いんだよ。
いいじゃん、減るものじゃないし。」
いやいや、抱きしめられた後に拒絶する度に、オレの良心が
減っていってるような気がするんですが・・・と言いたいが、
さすがに言えず、渋い顔をする。




