晴れない心 1
第11章 晴れない心
合宿から帰ってきた部員たち。
仲良くなるはずが、心の中にはわだかまりが・・・
<これまでの登場人物>
桜庭 智哉(経済1年)
藤井 和希(教育1年)
山田 拓斗(経済2年)
紅葉山秀一(医3年) 会長
梅林 翔太(教育3年)部長
松木 球汰(教育3年)
竹原 冬馬(教育3年)
佐伯 桃 (経済2年)
吉原 杏 (経済2年)
伊藤 雫 (経済2年)
三島のばら(教育1年)
佐々木 椿(教育1年)
鈴木 百合(教育1年)
楽しかった合宿から帰ってきてから、オレの周りに変化があった。
いつも一緒にいたカズくんを、全く見かけなくなった。そして、
何故だかオレの横には、いつも山田さんが寄生虫のごとく、べったり
とくっついている。
「サクラちゃーん。」
オレの背後に回った山田さんが、オレを後ろから抱きしめ上げて
拘束する。うわぁ、また、捕まった。いつも、捕まらないようにと
気を付けているのだが、いつも気がつくと、背後をとられてしまう。
そして、山田さんにギュッと抱きしめられ、陽だまりのように暖か
くて気持ちが良い温もりに包まれ、まどろんでしまう。
ずっと、このまま・・・
いつまでも・・・
と思ったところで、ハッとする。
オレ、今、何を思った?何を願った?
いかん、いかん。また、無意識に良からぬ事を考えてしまった。
何かを振り払うかのように、ブンブンと頭を振り、身をよじって、
山田さんから脱出する。
「サクラ・・・ちゃん?」
山田さんが、悲しそうな目をしてオレを見ている。そんな目を
しないでくれよ。オレが、すごく悪い奴に思えてくるじゃないか。
オレは居たたまれなくなった。




