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夜の代償 15
インストラクターが次の歩き方を提案する。
「今度は、左を向いてください。そのまま、右に蟹さん歩きを
します。はい、進んでー。」
半周したら、今度は、反対側を向いて、左方向に進んで、さらに
蟹さん歩きを半周続けた。それから、さっきの大また歩きで1周した。
「休憩、まだですか?」
思い切って聞いてみるも、さらりと交わされてしまう。
「あらあら、少し、くたっとしてきたみたいだけど、もう少し元気に
いきましょうね。次は、腰から下の部分を左右に振って捻りながら
歩いてみましょう。上半身は、まっすぐ、前を向きましょうね。」
椿は、もともと、運動は得意だけれど、ずっと、歩きっぱなしで
いい加減、疲れてきた。水中だし、見えてないだろうと手を抜くと、
すかさず、指摘される。本当に、どこに目がついてるんだろうと思って
しまう。そんなことをしているうちに1周が終わったが、インストラ
クターが
「あと3周したら終わりにしましょうね。さあ、ラストスパートですよ。」
と、なんとも非常なことを言う。ふらふらになりながら、なんとか3周、
歩ききった。




