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スノーフレークの咲く庭で  作者: 桔梗
第9章 夜の代償
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夜の代償 7

 なんとか、20kmのランニングコースを完走した梅林と藤井は、

トレーニング室に行き、自衛隊出身のムキムキマッチョのコーチ

のハードなトレーニングに精を出して、もう少しで終わるという

ところまできていた。




 一方、のばら椿は・・・といえば、まだ、たっぷり休んでいた。

梅林たちと別れて当に1時間は経っていたが、お菓子片手に、話に

夢中になっていた。話といっても、会長対策の話ではなく、のばら

の高校時代のモデルの話ばっかりだった。


「カメラマンが、すっごく無理な~要求を出してくるの~。顔は

 こっちで~、体はそっちに向けて~、視線はあっちの方を向い

 て~って、軟体動物じゃないんだから。」


「そりゃ、無理だわー。」


「ん~?何か~、泣き声聞こえない?」


「そう?」


 動物の息遣いが聞こえる。


「犬?」


「こんな、山の中で?」


 音の聞こえる方を見ると、何十匹ものの犬が、こちらに向かっ

て吠えながら走ってくるのが遠くに見えた。


「まさか、食べ物の匂いに誘われて、ここに・・・」


「まじ?やばくない?」


「逃げないと!」


 二人は、荷物をそのまま放置して、ランニングコース沿いに

走って逃げた。逃げても逃げても、犬の声が聞こえる。二人は、

出来る限りの力を振り絞って、必死に逃げた。

 やっと、犬の声が聞こえなくなり、辺りを見回すと、すぐそこ

にランニングコースのゴールが見えた。二人は、ズルすること

なく、20kmコースを走りきった。


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