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夜の代償 2
何か、心当たりがあるらしく、オレから目を逸らし、考え込んで
いる。
しばらくの沈黙の後、やっと重い口を開けた。
「多分・・・なんだけど、・・・俺、暗闇が駄目で、・・・修学
旅行とか合宿で同じ部屋になったヤツに、よく”うるさい”とか、
”うなされていた”って言われていた。疲れてグッスリ眠れた時
は大丈夫らしいんだけど。しばらく症状が出てなかったから、
忘れてた。」
忘れてたって・・・
「ま、昨年は、ペアのヤツが、同じベッドに入って、その・・・
抱きしめてくれたから、症状が出なかっただけなんだな、きっと。」
実際には、抱きしめただけでは終わらなかったけど、サクラちゃん
に言っても、ドン引きされるだけだから、伏せておいた。
「ああ。だから、オレが抱きしめたら、震えが治まったんだね。」
「悪かったな、付き合わせて。」
そう言いながら、布団から出て、ベッドに腰掛けた。




