それぞれの夜 4
2人で湯船に入って、温泉のお風呂を満喫していた。そのうち、
何か視線を感じ、隣にいた山田さんを見ると、オレの方に視線が
ある。
「山田さん?」
山田さんは、はっとして視線を逸らした。その時、ドアの開く
音がして、高田さんと古田さんが入ってきた。2人は、軽く体を
洗って、同じ浴槽に入ってきた。やっと、落ち着いたところなの
に、高田さんと古田さんがさっきの出来事を蒸し返す。
「さっきは、ものすごい大声でビックリしたよ。サクラちゃん
でも、あんなに怒ること、あるんだね。」
「その後、山田が、走って出て行ったサクラちゃんを追っかけた
だろ。あれにはビックリしたよ。」
「怒らせた原因の藤井なんか、”あれ~?トモ、どこいくのぉ~”
だぜ。自分のやらかしたこと、全然解ってないんだぜ。酒に飲ま
れ過ぎだって、思うだろ?」
「サクラちゃん、さっきのが初チューとか、言わないよね。」
オレは、どう答えていいのか解らなくて、俯く。
「え!うっそー。」
「まじかよ。」
オレは、さらに俯いて小さくなる。見かねた山田さんが、話を
変えてくれた。
「おまえら2人とは違うんだよ。しかも、これから姫たちと、
お楽しみなんだろ。いいよな~。」
「まあな。桃は、すっごく可愛いんだよ。」
鼻の下を伸ばしながら、高田さんが惚気る。負けじと、古田さ
んも対抗する。
「杏の着物姿、すっごく色っぽいんだぜ。今日は、悪代官ごっこ
しようって言っているんだ。帯の紐、解くの楽しみだなー。
ぐふふふ。」
古田さん、笑い方がおかしくて怖い。悪代官ごっこって、確か、
あーーれーーとか言って、クルクル回りながら帯の紐を解いてい
くってやつだよね。
「さーてと、体を洗おー。隅々まで、綺麗にしないと。」
と言いながら、2人とも、洗い場に行ってしまった。オレ達も、
もうそろそろ上がらないと逆上せてしまうから、お風呂から出た。




