紅葉山会長の不安 9
「そのまま、オレの口に来い。あーん、こっち、こっち。」
こっちこっち言いながら、口を金魚のようにパクパクさせている。
「低いってー。」
あまりの低さに首を縮めて高さを合わせようとするが、着地した
のは、顎だった。
「痛ててて、フォーク刺さった!」
「・・・・・」
また、何か言ってるけど、聞き取れない。ケーキを刺して口に
持っていこうとする。
「生クリームたっぷりのところだ。美味しそう。今度こそ、食べ
させてね。・・・ああ、高い。うわ~~~。ふぐぅっ。」
今度の着地点は、鼻だった。鼻の頭にべっとりとクリームがつき、
なんと、フォークの先は、鼻の穴の中に入ってる。感触で違うのが
わかったのか、慌てて鼻から遠ざけようとしてるが難しいらしく、
頬や耳にクリームの筋がついた。
「山田さん、鼻の中に入って、気持ち悪い・・・」
「・・・・・」
やっぱり、何言ってるか、聞こえないや。
「あははっ。食べさせるのが成功するまで、何度でもやってもらい
ましょう。」
会長、笑いすぎですって。カズ君も、おなか抱えて笑わなくても。
こっちは必死なんだから。ああ、早く食べたいな~。
「あーん。いい感じ。そのまま、進んで・・・」
パク!
「食えた~。」




