紅葉山会長の不安 5
「そういえば、1年の女の子3人は、どう?」
その言葉が、彼女達の地雷を踏むことになるとは、紅葉山は想って
もいなかった。何の気なしに聞いただけなのに、和やかだったその場
の雰囲気が、ガラッと一変した。
「ああ、あの3人ねー。」
「・・・・・・・・・・」
えええええええ!
何ですか?この重苦しい空気は。
沈黙を破ったのは、雫だった。
「わたし、のばらさんと椿さんの視線が耐えられませんわ。」
「雫に対するあの2人の態度からすると、会長、十分に気をつけて
くださいよ。あきらめが悪そうですから。」
「え?」
「やっぱり、お気付きになっていなかったのですね。ま、もっとも、
気を付けなければならないのは、男性のほとんどですが。」
会長を見ると、口を半開きにして、信じられないという顔をして
いた。
「私、聞きましたもの。のばらさんと椿さんが、会長が雫とできてる
なんて、くやしい。いっそのこと、略奪してみる?って。」
「は???」
「高田さんと桃ちゃん、古田さんと杏ちゃんのカップルも知っている
みたいで、残ってるのは、梅林、松木、竹原、藤井かぁ~。どれに
する?って言ってるんですよ。」
「どれにする?なんて、恋愛じゃなく、狩猟ですわ。」
「え?」
「昨年までは、品位のある同好会だと思ってましたのに、あの人達の
おかげで、何が起こってもおかしくないですわ、あの調子なら。」
「ど、どうしよう・・・」
「宴会が始まる前に、会長から、それとなく、男性陣に言ってもらえ
ればいいのですが。あとは、本人達の判断ですわ。」
「わ、わかりました。」




