紅葉山会長の不安 3
用意してある会場に入ると、そこらじゅうにいろいろな種類の薔薇
が植えてある温室だった。女性陣は、先に来ていて、ケーキを食べて
いた。紅葉山会長は、佐伯さん、吉原さん、伊藤さんが居る一番手前
のテーブルにさっと座った。次のテーブルには、カズくんと梅林部長
がいたので、そこにすわることにした。
「紅葉山会長、いいなぁ~。女の子に囲まれてる~。」
梅林部長が、クスリと笑った。
「そりゃそうだよ。秀一はね、雫ちゃん一筋だもん。」
「えええええええ!」
思わず、立ち上がって、叫んでしまった。カズくんが、慌てて、オレ
の口をおさえて黙らせようとする。
「トモ、声が大きいって。あ、皆さん、何でもないです。・・・僕まで
注目されたじゃねーかよ。」
「カズくんも、気が付いていたの?」
「うん、見てたらわかるって。雫、雫~って呼んでるし。」
「ちなみに、高田くんが、佐伯さんで、古田くんは、吉原さんで、もう
1つ異色のカップルが、松木さんと竹原さんだよ。」
「そうなんですかー!」
今度はカズくんが大声で叫んでしまった。言い切ってから、しまったと
口をおさえて小さくなってる。オレは、ふと、疑問に思ったことを、その
まま口に出してしまった。
「山田さんは、誰もいないんですか?」
言いながら山田さんを見ると、大きなため息をついて肩をおとして、
がっつり凹んでた。
「あーあ、痛いとこ、突いちゃったね、サクラちゃん。」
その後、ずーと謝り続けたけど、山田さんは凹んだままだった。




