ペア、なの? 5
500メートル程、道沿いに走ると、弓道場が見えてきた。その手前
に分かれ道があり、前後左右へ続く道と、右前方への斜め道の5差路に
なっていた。
「どっちに行けばいいのですか?右ですか?」
「右行ったら、バッハの石像の前に出るよ。」
「ひょえ~~!さっきのところに出るの?それは、嫌です。」
「10キロコースはこっちだよ。」
と言って、右斜め前方の道に進んでいく。オレは、遅れないように着い
ていった。
”10キロは、山道コースで、上り下りがキツイ”と山田さんが言って
たけど、本気で辛い。今は、2つ目の山を登っている。
(はぁ、はぁ、はぁ・・・)
「山田さん・・・」
山田さんの姿は見えるけど、聞こえていないらしく、振り向いてくれない。
「待ってぇ~~~。もう・・・足が・・・」
遥か先にいる山田さんがやっと気がつき、オレのところまで戻ってくる。
「だらしないな。もう、ギブかよ。」
「もぅ、・・・うごけ、ない・・・」
オレは、重力に逆らうのをやめ、地面に倒れた。
「ちょっと!おい、大丈夫かよ。」
”ダメかも”と言いたいのに、口が言うこと利かない。おまけに、視界も
暗くなっていって、ついに、何も見えなくなった。




