受難の日々 3
次の日、オレは、昼前の一般教養の講義で一緒だった、目の前
にいる人に、学食で昼を食べ終わってから、サービスのコーヒーを片手に、
昨日のこととか、いろいろ不満を聞いてもらっていた。
「もう、そんな感じで、いつもいつも、山田さんに怯えて逃げな
きゃならないから、すごく疲れる。」
リビングを通らないと各個室に行けないという造りになってる
為、どうしても、顔をあわせるハメになる。
「あの造り、気にくわねぇ。・・・・・はぁ~。」
オレは、盛大なため息をつく。それまで、ずっとオレの話を、
黙って聞いていてくれた、目の前のカズ君の口が開いた。
「トモ、そんなに落ち込むなよ。
ほら、コーヒー飲まないと、冷めるぞ。」
「何で、よりによって、ヤツが隣の部屋だなんて・・・。ツイて
ないな。」
「ま、僕も一応、同じフロアなんだから、いつでも、相談にのっ
てあげるから。」
「同じフロアだけど、隣のリビングじゃねーかよ。」
オレとカズ君は、同じ寮の同じ階に住んでるけど、オレは右の
リビング、カズ君は左のリビングなのである。
「ま、そうなんだけど。誰もいないより、マシかなーと思って。」
「それはそうと、寮に帰ったら、一緒に風呂行こう。」
「いいねー。
あ、もう、こんな時間だ。行かなきゃ。また、後で。」
そう言うと、カズ君は、コーヒーを飲んで空っぽになった紙コップを持って、行ってしまった。
「オレもそろそろ行こう。次は・・・経済学か。」
コップに少しだけ残っていたコーヒーを飲みきり、オレは、教室
へと向かった。
こんなつたない文章ですが、500アクセスを超えました。
ありがとうございます。
桔梗