コトの真相 3
「ところで、さっき、入会とか、勧誘とか言ってましたが、ここは、
何の集まりなんですか?」
それ、オレも聞きたかったことだよ。ナイス、カズ君!
「そっかぁ~、それも言ってないんだ、コイツは。
とりあえず、あっちにお菓子と飲み物あるから、座って話さない?」
と言うので、素直に従った。
女の子3人組が、オレ達にケーキとコーヒーをだしてくれた。机の上
のケーキを見た途端、トモが、満面の笑みを浮かべて、美味しそうと
いいながら、早速1つ、ペロっと、たいらげた。
「ここはね、テニス同好会。僕は、会長の紅葉山 秀一です。本格的
にやるなら、テニス部というのも、うちの大学にはあるんだけど、
初心者OKのお気楽なのが、我がテニス同好会なのです。良かったら、
入ってみない?」
「部費が、すごく安いんだよ。活動は、週末の合宿のみ。しかも、合宿
所は、紅葉山会長の別荘だから宿代はタダ!テニスコートは、4面付
いてるし、飯はホテルの宴会の余りものばかりだけど旨いし、温泉つ
いてて、リゾート地にきたような優雅な気分になるよ。」
「部室に来ると、ケーキあるんだよ。部長のバイト先の頂きものだから、
タダだし、このケーキね、十が岡の有名店のものよ~。」
「実際、自分で買うものは、テニス用品と飲み物くらいかな?」
経済学部2年の3人組のお姉さん(佐伯さん、吉原さん、伊藤さん)が、
キャーキャー言いながら、説明してくれる。
「それって、おいしいかも。僕、一人暮らしで、食べ物に餓えてるし。
温泉、好きだし・・・」
カズ君が乗り気だ。
それならと、オレも聞いてみた。
「ねえねえ、ケーキが出てくる日って、結構あるの?」
「結構どころか、日曜、月曜以外は、毎日だよ~」
「決めた!オレ、桜庭 智哉、入会しますーっ!」
!!!
ええっ!?
「トモの決める基準は、そこかよ~!!」
「カズ君は?」
「・・・入ります。藤井 和希も入会します。」
「「やったー。」」
「うわーい、よろしくね。」
部員のみんなに歓迎されて、ソフトドリンクだったけど、乾杯した。
「新入生2名、確保か。楽しくなりそうだな。」
紅葉山会長が、微笑んだ。