コトの真相 2
「おい、山田~、新入生に何て言って、紙を渡したんだ?」
会長が、凄い剣幕で、山田のもとに進んだ。あまりにも、迫力あ
りすぎて、縮こまって、後ずさりする。
「いやぁ、
そのーぉ、あのーぉ、
桜の木の下で足を伸ばして寝てたら、サクラちゃんが転んで、話
したら、新入生だってわかったから、これは大チャンス~と思っ
て、それで、紙を渡して、”ここまで来て~”と言った・・・は
ず。」
バツが悪そうに、ボソボソと語った。
それまで、泣いていたトモが、顔をあげ、山田を睨みつけた。
「来て~(笑)じゃなくて、来てー(怒)って言ったー!!」
会長が、さらに睨む。
「ダメじゃん。勧誘は、もっと穏やかにやらないと。」
入学式のときに散々聞かされていたカズ君も追撃する。
「落とし前つけろ、とか、言っちゃあ、ダメですって。」
山田はみんなから攻撃を受けて、すっかり、しおらしくなって
る。
「可愛らしいものだから、つい、からかいたくなってしまったん
だ。ごめんね。」
「オレは可愛くない!」
「だから、ごめんって、サクラちゃん。」
「もう、許してなんてあげない。」
オレは、プーとふくれて、顔を横に背けた。