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第23話 撤収!

「アイツ、あんなに隠し持っていたのか。 なぁフィスカ、ダリタキガルに体積ってないの? 」

 男の細い腕からはあり得ない質量のダリタキガルが流れ出ている。

「たいせき? ……あぁ! 無いことは無い。 あれは一度形を失い、情報体だけになっていたものが、勇旗ユウキの攻撃で再び形状を持たされて、飛び出しているんだろうな」

「一度、情報だけに? 」

 なんだか不思議な話だと勇旗は思った。 情報だけになったとしても、再構築するためには、やはり体積を持った物質が必要なのではないだろうか?



勇旗ユウキもさっきリエットから聞いただろう、ダリタキガルは本来情報の宝庫なのだ。 そして、あれらの生き物は情報を変位させることで、時に物理現象にも介入し変更を加えることが出来る。 ……まぁ妖精みたいなものだな」

「急にファンタジーっぽくして、説明サボってないか? 」

 あやふやなフィスカの説明に追及する勇旗。

 


「見ろ、ヴァーサのやつ、敵を向こう端まで吹き飛ばしたぞ! よし、撤収準備だ。 勇旗もダリタキガルは回収しておけ」

「いや、無事逃げ切れそうならいいけどさぁ…… てか回収って何? 」

 こういう反応のとき、フィスカは、ひとの話を全く聞かない。 勇旗にはわかっていた。


「集めるんだ、ぎゅっと自分の足元に」

「いやフィスカ、さっきは集まらなかったぞ? 」

「それは勇旗が戦おうとか、無策にもパワーバトルを始めようとしたからだ」

「無策って、フィスカが教えなかったんだろ…… 」

「まぁいい、ほら、急げヴァーサが向かってきている」

「はいはい、わかったよ。 まったく」


 勇旗が意識を集中させ

「帰る、集まれ」

 今度は一斉に勇旗に向かってきたが


「おい、足元だって! 腕に来るなよ! 」

 勇旗の右腕に集まり、触れた瞬間に吸い込まれるように消えていく。

 怯えるうちに、すべての青いダリタキガルは、勇旗の中へ消えた。

 それを見ていたフィスカは

「ほぅ…… 」

「ほうじゃないよ! 怖いんだが! 」

 勇旗は腕をぶんぶん振ってみたが、重さも違和感も無い。強いて言えば、若干頭がふわふわするような?


 と、そんな会話の内にヴァーサがやってきた。

「いくぞ、フィスカ! つかまれ! 」

 と勇旗たち4人全員を抱えて走り去る。


「突然すぎない?! いぃぃぃぃ!! (がく…… ) 」

 ダリタキガルとのふれあいによる疲労と、あまりの風圧とその恐怖で、勇旗は気を失った。

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