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三七 第二章・グレートゲーム 日本とルクシニアの首脳会談


 三七


 ルクシニア帝國の帝都イクナイオンは、市街に無数にそびえる煙突から吐き出されている煤煙によって、薄暗く曇って見える街である。道をゆきかう人々は、皆帽子をかぶり布マスクをして、ただよう煤から身を守っている。建物は地球でいうアール・ヌーヴォー調の装飾過多な外装を見せており、例外なく屋上に煙突を立てていた。

 早河太一首相ら日本からの使節団と、同伴した報道記者達が案内されたホテルもまた、有機的な装飾が多用された宮殿のような建物であった。


「……こりゃ、随分と空気がいがらっぽいねえ。霧のロンドンじゃあないが、霧のイクナイオンと呼ばれていても驚かないよ」

「確かに町中に煙突が立っていますね。我々も外ではマスクをした方がよいでしょう」


 最上階の賓客用の間に通された早河首相は、入室してすぐに同行していた諏訪義弘副官房長官にそう愚痴った。実際、ぱっぱと両手で背広の肩をはらっただけでも、煤が周囲に舞うありさまである。


「こちらの世界に転移して、何故かコロナウイルスをはじめとする病原菌が死滅してマスクから解放されたと思ったら、これだからねえ」

「……ルクシニア側から提供された資料によれば、この世界には存在しない病原菌は、転移時に抹殺されるようです。大宮の化学学校をはじめとする各研究機関では、試料まで失われて大変な騒ぎになっているそうですが」

「あー、それ厚労大臣から聞いたねえ。いや、本当にこの世界の神様って、この世界にとって都合がよいように気を配っているんだな、って思ったものだよ」


 しみじみとした口調でそう感想をのべた早河首相は、随行した警察官らが盗聴器のたぐいが無いか確認し終えたのを待って、秘書官に言伝た。


「さて、とりあえずは皆に集まってもらって、最終確認をしようじゃあないか」



 早河首相の宿泊する部屋に集まった使節団の主だったメンバーを前に、彼ははっきりとした口調で言い切った。


「今回の帝國訪問は、事前に伝えた通り、帝國と国交を結んでいる各国に対して我が国の存在感を示して、以後の国交開設をはじめとする各種交渉を進めやすくすることが目的だ」


 日本国は、現時点での外交的孤立状態から脱するために、帝國に仲介してもらった上で各国と国交を締結するつもりでいる。

 そのために事前に帝國のメシャベド・カド=ネツェル公使と色々と調整をしたのであり、交渉を行う予定の各国についての情報も受け取っていた。当然、ルクシニア側にも十分なお土産を用意してのことであり、今回の訪問にかける日本側の意気込みは並々ならぬものがある。


「まずは我が国とルクシニアの緊密な関係をアピールして、そこから話を進める。皆もそのつもりで頑張って欲しい」


 早河首相の言葉に、使節団のメンバーは全員が理解の意をこめてうなずいた。


「まあ、すでに東京で締結された協定の批准は終わっているし、発表されるコミニュケも出来上がっているけれどもね。ただしそれが、正しくこちらの意図を反映した形で先方に伝わるかどうかは、また別の問題だからねえ」


 そうのべた早河首相は、集まっているメンバーの一番はしっこで、小さくなって存在感を消そうとしている女性に視線を向けた。


「で、黒海君、翻訳してもらったコミニュケの出来はどうかな?」

「は、はい! その、ニュアンスも含めて問題はないはずです。ただ、一応ルクシニア側の担当者の方に確認をとっていただければ、と思います……」


 早河首相に黒海と呼ばれた女性が、びくっとその大きな眼をひらいて驚いた表情を見せると、おずおずとした様子で質問に答えた。吊るしのダークスーツに着られている様子がまるで就活中の学生を思わせ、美女というより美少女と形容した方がふさわしい幼い容貌が、突然のことに困惑に固まっている。

 その彼女の言葉に、使節団の一人が苦言を口にした。


「我が国の外交文書をみだりに他国に開示するわけにはゆかんだろう。いくらルクシニアが同盟国とはいえ、それくらい常識だろうに」

「……ご、ごめんなさい」


 眉を下げて頭を下げた黒海は、そのまま黒髪で目元をかくようにうつむいて黙ってしまった。

 そんな彼女の様子を見やりながら、早河首相はのんびりとした口調で話を続けた。


「ま、黒海君が問題無いと言うんだ。もしコミニュケに修正が必要になったら、彼女に修正文を翻訳してもらっておくれ。こちらの世界の言葉については、今の日本では彼女が一番のオーソリティーだからねえ」


 それが早河首相による黒海へのフォローであることを、この場にいる全員が理解し、そして彼女が首相にとって極めて重要なアセットであることも把握した。

 とはいえ、肝心の黒海が、自分が早河首相にフォローされたのだと気がついてはいない様子であったが。



 打ち合わせが終わってすぐ、早河首相は黒海を部屋に残して皆を解散させた。各自それぞれの仕事が残っているし、夕方の歓迎の晩餐会までまだ時間がある。それまでに彼女を再度フォローする必要性を、首相は感じたのであった。


「ま、さっきのは気にしなくていいよ、黒海君。君が「財団」から官邸に出向してきてもらっていることは、皆知らないからねえ。そもそも君が元「勇者」で、色々な能力をもって歴代の総理を助けてきてくれたことは、偉い者は皆ちゃんと理解しているから」

「……ありがとうございます、総理。ですが、その……」


 早河首相の言葉に、彼女、黒海美羽は困ったような表情になって愛想笑いを浮かべた。


「構わないよ、言ってごらんなさい」

「……はい、ありがとうございます。やっぱりわたしに政治は難しくて、いくら勉強しても要領がつかめなくて。その、ごめんなさい」

「ま、人にはそれぞれ向き不向きがあるからねえ。とはいえ、君がいてくれるおかげで、私がとても助かっているのは事実なわけでね。それは受け取って欲しいかな」

「はい、ありがとうございます、総理」


 早河首相は、黒海美羽のことを、この自己評価の低さが欠点であると同時に利点であることに思いをめぐらし、さてどうしたものかと考えてしまった。

 そして彼女が、「勇者」として得た「恩恵」から、自分がそう思ってしまっていることに気がついていることに考えがおよび、つくづく「勇者」という存在はチートなものだと感嘆するしかできないでいた。


「で、だ。君が見た限りでかまわないんだが、ルクシニアはどれくらい追い詰められていそうかね?」

「……はい。訪日されたルツ=ヴィス大使の様子よりも、随分と余裕ができているように見えました。日本が味方になった、だけではない何かがあるようです」

「ありがとう。ふむ、日本人民共和国は、関わっていそうかね?」

「……あ、なるほど、そういう事なんですね。はい、多分、それです。帝國側の切り札が、「北」に関係する何かだと思います」


 黒海美羽の「恩恵」は、相手の言葉のみならず、その肉体の様子から相手の意図の一切を理解できる能力にある。

 人間同士のコミュニケーションは、発する言葉のみならず、声色や表情、仕草、その他もろもろをもって行われる。彼女は、相手の肉体そのわずかな兆候からであっても、相手の意図を察して言語化できる能力を与えられていた。そしてその能力は、公開情報の分析において多大な貢献をなしており、遭難した阿部元総理以来の時の内閣総理大臣にとっては、切り札の一つとして役に立ってきたのである。

 そんな黒海美羽を、早河首相がこうして表の舞台に出してきたのは、元「勇者」である彼女の存在を誇示することで、ルクシニア側に対して無言の圧力をかけるためであった。

 彼女もまたルキフェラ帝によって日本に帰還できた者の一人であり、「財団」こと公益財団法人「在外邦人救援機構」に在籍している身である。つまり、ルクシニア側がその存在を認知している元「勇者」であり、彼女の「恩恵」もまた把握されているはずだからだ。

 つまり彼女の存在自体が、ルクシニア側にとっては、日本に対して誠実にふるまうことを強制する圧力となるのだ。今現在日本が窮地に立たされていることを理解しているからこそ、早河首相は彼女というカードをここで切ったわけであった。


「うんうん、いや、ほんとうにありがとう。そうか、「北」が関わっているんだねえ。この情報だけでも、君についてきてもらった甲斐があったというものだよ」

「いえ、そんな、その、ありがとうございます」


 早河首相の手放しの賞賛に、黒海美羽は、顔を真っ赤にして何度も頭を下げた。彼女の黒いセミロングの切りそろえられた髪が、その動作とともに宙にふわりと舞う。

 彼女はどうにも褒められ慣れていないらしく、何かあると割と大げさなリアクションを返してくるところがある。

 早河首相は、この見た目は女子大生くらいにしか見えない黒海美羽が、実は自分とさして年齢が変わらないことを思い出して、本当に「勇者」というのはとんでもない存在なのだとあらためて実感した。



 その日の晩餐会は、ルクシニア側から帝國宰相がホストとなって開催され、豪勢な料理と品格を感じさせる楽団の演奏によって日本側出席者を歓待した。主菜は白身魚の香草を使った蒸し焼きであり、並べられる数々の料理もバターとクリームと香辛料をたっぷりつかった、古き良き欧州の宮廷料理を思い起こさせるメニューである。ワインも白やロゼの、料理に負けないしっかりした腰の強いものが供された。

 美食に舌鼓を打ってのち、使節団のメンバーはそれぞれルクシニア側の対応する者に誘われて、別室で葉巻と酒を楽しむ名目で散っていった。ある意味ここから両国の交渉が始まるわけである。


「こうしてお会いできる日を楽しみにしておりました。早河閣下」

「こちらこそお会いできて光栄です、ウリ=クディリ閣下」


 ルクシニア帝國の宰相は猪鬼族ことオークの老紳士であり、早河首相は目の前の老人のことを、まるで国際的アニメ映画の巨匠が漫画で描くブタみたいな見た目だ、などと失礼な感想をいだいた。

 実際、まるまるとした顔の両側に耳がたれ、灰色の頭髪が頭のてっぺんにのっかり、豚鼻の下には豊かな口ひげが整えられている。丸いつぶれた鼻の上にちょこんとのせられている丸眼鏡の下の瞳はつぶらで、ぱっと見だけならば愛嬌すら感じさせる容貌であった。

 とはいえ、この危機的状況が十年以上にわたって続いているルクシニア帝國の宰相職についている者であるからには、見た目通りの存在ではないのは確実であろうとも思ったのだが。


「それにしましても、この葉巻は中々のものですな。手土産に持ってきた葉巻が、さて閣下の好みに合うかどうか」


 早河首相は、ウリ=クディリ宰相に勧められた葉巻で一服して堪能してから、持参した木箱入りのハバナ産の葉巻を宰相に勧めた。

 宰相は木箱の中から葉巻を一本とってセロファンをはがすと、まずは鼻の前にかざして香りを確かめた。


「……ほう、悪くはありませんな」

「私は葉巻は詳しくはないのですけれどもね、地球では共産主義国家の指導者が愛好する程度には、良いものだと聞いております」


 キューバの国家評議会議長が愛好した銘柄の葉巻を、ウリ=クディリ宰相は吸い口を斜めにシガーカッターで切ってくわえ、燃料ではなく魔力を使うライターで火をともした。


「……無産主義者の愛好する銘柄ということに目をつむれば、なかなかに良いものですな、これは」

「お気に召したのならば幸いです。まあ、我が国の産物ではありませんので、お譲りできる数に限りがあるのが残念ですが」

「確かにそれは残念ですな。これは、一本一本よく味わって楽しまねば」


 ふわりと煙を吐いたウリ=クディリ宰相は、クリスタルガラスの灰皿の上に吸い差しを置くと、二客のグラスにブランデーを注ぎ、一客を早河首相に勧めると、もう一客を手に取って軽く唇をしめらせてみせた。


「それでは、帝國と日本国の友誼のために」

「日本とルクシニアの未来の繁栄のために」


 早河首相とウリ=クディリ宰相は、互いにグラスを掲げて乾杯し、琥珀色の粘性の高い酒精を胃に収めた。


「なかなかのお土産を頂いたにも関わらず、さてどのような返礼をすればよろしいのか迷いますな」

「お気になさらず。それに、これの産地は日本人民共和国とつきあいが深い国でして。あちらに望めばまだまだ手に入るでしょう」


 手のひらでブランデーグラスをくるくるとゆらしながら、早河首相は特になんでもない様子でそう言葉をなげかけた。

 その言外の意味を間違えなかったウリ=クディリ宰相は、くつくつとのどを鳴らすと、さらに一口アルコールを楽しんだ。


「とはいえ、先方からは随分とおみやげをもらっておりましてな。これ以上物をねだるのは、はしたないというもの」

「おや、あの自称共産主義な国が、ずいぶんと奮発したものですな」

「なにしろ武器弾薬もさることながら、軍用機の開発生産基盤の提供を受けられるのです。我が国から送るのが多少の食料と資源だけでは、向こうにとっても期待外れというものでしょう」


 愉し気にそう答えたウリ=クディリ宰相は、再度チャーチルサイズの葉巻の吸い差しをくわえてぷかりと煙を吐いた。

 その姿にくすりと笑ってみせた早河首相は、ブランデーで軽くくちびるを濡らしてから口を開いた。


「あの国は今、北方大陸にお熱でしてね。国境から随分な数の部隊を引き抜いております。いや、おかげさまで我が国も、お譲り頂くパラヴィジュラ諸島の経営に専念できるわけで。あらためてお礼を申し上げさせていただきたい」

「ふむ、そこまで喜んでいただけたのでしたならば、帝國としても骨をおった甲斐があったというものですな」


 二人は、しばらく葉巻とブランデーの香りを無言で楽しんだ。


「それでは、一つ厚かましいお願いをいたしましょうか、早河閣下」

「ええ、是非ともお聞かせいただきたい」

「先日、日本人民共和国の共産党中央委員会委員長を我が国に招待したのですが、ちょうど今この帝都に滞在中なのですよ。会って話をして、安心させてやってはいただけませんかな?」


 ウリ=クディリ宰相は、会心のいたずらが成功した時の悪童のような笑みを口ひげの下に浮かべて、早河首相に向かってブランデーグラスをかかげてみせた。

 その言葉の意味を即座に理解した早河首相は、にたりと愉しそうに笑うと、同じようにブランデーグラスをもちあげた。


「南部油田地帯の未採掘鉱区、両国出資の合弁会社での事業などよいですな」

「どちらとどちらとですかな?」

「もちろん、日本国とルクシニア帝國とで、ですとも。ただし供給先には、日本人民共和国も含まれることになるわけですが」

「なるほど。連合王国相手の折衝は、お任せしてもよろしいかな?」

「当然、先方の権益は尊重いたしましょう。そのあたりは日本国が信用に値する国であることを、ごらんに入れましょう」

「それはありがたい。ああ、もちろん帝國も、日本国の示して下さる友誼に対して、誠実にお応えするつもりでおりますゆえ、ご安心いただきたい」

「具体的には?」

「西方大山脈南方の、鉄鉱石と石炭の鉱区の探索と採掘の事業、などいかがですかな?」

「これはこれは。いや、持つべきものはやはり話のわかる友人ですな。鉱山から積み出し港までの鉄道と道路は、もちろん我が国が責任をもちましょう」


 早河首相とウリ=クディリ宰相は、クリスタルグラスを掲げて乾杯し、一気に中身を飲み干した。


「ではあとは、日本国と人民共和国の間の国交開設となりますかな」

「ですな。ああ、ご安心ください。その件につきましては、すでに国元での根回しは済ませてきております」

「さすが仕事が早くていらっしゃる」

「いえいえ、ルツ=ヴィス次官が、がんばって下さったおかげですので。おかげさまで随分とスムーズに話を進められました」


 口の端をゆがめて、実に悪い笑顔を浮かべている早河首相に対して、ウリ=クディリ宰相は心の底から楽しそうに肩をふるわせて笑っていた。

 とはいえ、二人ともその目までは笑ってはいない。


「で、イリオン人民連邦との交渉の席は、用意していただけましたか?」

「ええ、もちろんですとも。もっとも、向こうはいまだ態度を決めかねていると見ましたが」


 ぷかりと紫煙を吐き出したウリ=クディリ宰相の言葉に、早河首相は、ふむ、と少し思案気な表情となった。


「……日本としては、イリオンとの戦争は、戦力の再配置が済んでからだと助かるのですよ。それまで時間を稼いでいただけませんか?」

「努力する、としか、今の時点ではお答えできないのがもどかしいですな。とはいえ、連邦とて、先の戦争で事実上備蓄燃料を使い切ってしまっているはずです。それゆえに停戦にまでこぎつけられたわけですが、今、人造石油の精製に全力をつくしているとのこと」


 空になった早河首相のグラスにブランデーを注ぎつつ、ウリ=クディリ宰相は沈んだ声色でそうこたえた。

 それに対して早河首相は、軽くブランデーを口にふくんで少し考えを巡らせると、実に悪どい笑みを浮かべて酒精を嚥下してみせた。


「確か、イリオンとの停戦協定で、帝國は北部の油田から石油を輸出する約束となっていませんでしたか?」

「ほう、よくご存じですな。ええ、協定ではそうなっております。もっとも、肝心の積出港を連中が破壊してくれたあげく、タンカーもあらかた沈めてくれましたが。おかげで、協定の履行に支障をきたしているわけですがね」

「そしてそれを、帝國側の事情ゆえ自分達の知ったことではないと、協定の履行を強く求めてきている、と、そんなところですか」


 早河首相は、ウリ=クディリ宰相のグラスにブランデーを注ぐと、再度グラスをかかげた。


「判りました。では、北部油田地帯に関しても、我が国が関与することをお許しいただけませんでしょうか?」

「ふむ? 採掘権ですかな?」

「いえいえ、積出港の再建の方です。なにしろ日本から帝國の北方までは遠くて、鉄道ではとても必要な機材を送り込めませんから」

「……なるほど。無害航行権ですか。これは、いやらしいところを突かれますな」


 互いにねっとりとした笑顔を浮かべると、二人はグラスを掲げて三度目の乾杯を交わした。


「将来的には、パイプラインの建設も必要になるでしょう。イリオンとしても、次の戦争に必要な燃料を確保できるまでは、軽挙妄動に走れないでしょうし」

「その間に、帝國と日本国で戦争準備を進めるわけですな」

「はい、それでイリオンが戦争をあきらめてくれるならば、上々というわけです。戦争なんて、やらずに済めばそれにこしたことはないんですから」


 しみじみとした早河首相の言葉に、ウリ=クディリ宰相は笑みを深めて何度も深く首肯したのであった。


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[気になる点] ルクシニア帝國の宰相の名前でウリ=クディリなのかウリ=ティグリなのか混同していてどちらが正しいのでしょうか。この話以降でも混在していました。 [一言] キューバ葉巻、宰相閣下は個人的に…
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