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ネーペ  作者: PpEe
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国塚の思考

 国塚はネーペを小林に任せて本部に帰っている最中に小林の心配ではなく今回の依頼ついて考えていた。元特殊能力対策部隊にいた後処理係についてだ、後処理係なんて名前だがネーペの殺害を任せられる部隊ととなると、非常に厄介な能力を持っていることを考えられる、対処を任せた判断は懸命だろう。


(小林には悪いが最初の仕事としては少し難しいものになるだろう、こちらは条件(・・)により小林には何も教えられないが知らない方がこっちも都合がいい、アイツは必ず殺さなければならない、そもそもいつから日本にいたのか、能力の詳細すら把握しきれていない事を考えると慎重にならざる負えない、現段階で分かっていることは思考盗聴のような何かと、最悪の事件を引き起こした時に使用されたと思われる瞳のゼンマイ仕掛けの時計による時間や空間に関する能力、その他には自分に対して発動する能力の耐性又は無効化だがあげればキリがない、思考盗聴の発動条件に関してはアイツの名前を考えると発動する事が分かっているが効果の範囲までは皆目見当もついてない状況なのを考えると迂闊に書類等にも名前を書く事すらできない、今まで何回か依頼用の書類に名前を書いていたがその書類に関しては知っている素振りを見せていないことから、書類などには効力が発動しないのではないかと考えているが、アイツが演技をしている可能性まで追わなきゃならねぇからもっと確信を得られない限り名前を呼ぶことや思考に混じらないことを意識しなければ、ただアイツ自身は俺らで遊んでる節がある、じゃなきゃわざわざ依頼に関する情報を渡すななんて言わないだろうし、能力を見せびらかすようなことはしないだろう)


「嫌だな、歳をとったせいかずっとアイツの事を考えてしまう、さっさと戻って書類仕事しとかなきゃいけねぇ」


 国塚の前にはビルなんかと比較にならないほど巨大な建物のが建っていた、能力により建てられたこの建物は実に面積4.767km²、地上からの高さ465mを誇る日本の最高峰の建造物だ、2008年に完成し、工事期間僅か4年で造られたこの建物には全ての能力者の情報一つ一つが全て纏められているデータが保管されており、日本で最も重要な役割を担っていると言っても過言ではない程の重要な建造物である、正式名称は総合特能管理ステーションと呼ばれており、能力に関する実験等の他にも、国民の能力を管理し場合によっては保護をすることがある、そのため中には居住区等の施設が別けられて設備されており、セキュリティや安全性のため訓練された警備員が常時配備されている。


(そういやぁ、小林に自己防衛できる程度の武器渡すのをすっかり忘れてたなぁ、なんかあっても一応は勝手に護ってくれるだろうが今更考えても時間の無駄だな)


 随分放任主義の考え方をしている国塚は、建物の中に入るとすぐにエスカレーターに乗り84階のボタンを押す。84階には能力管理関係者及び申請が許可された者のみしか入ることができないフロアで、小林もこの階で働くことになるが、来て早々国塚からネーペの交渉を任されている為この階を踏むのは少なくとも微睡みの天使殺害を見届けるまでは叶わないだろう。

 国塚は84階にある名前すら書かれていない部屋のドアを開ける、中の空間には6つのデスクが置いてあり奥に1つ孤立して国塚専用のデスクが配置されているようだ。中には誰も居ないようだが6つのデスクの内5つそれぞれには使用されている痕跡がある所を観るとどこかに出かけているため不在らしい。


「全く嫌になるぜぇ、毎日毎日書類整理ばっかさせられて、それにしても最近上の一部はきな臭くなってきやがる」


 うっかり口から出てしまうほど今の自分の立場にウンザリしていた。


(お役所仕事ばっかりやらされ時間を稼がれるような感覚、能力者による犯罪が増えてきた事を踏まえると本当に時間の猶予が無くなってきてるみたいだ、自分はもう迷うなんてしないだろう、何故なら既に作戦は始まっている)

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