1.はじまりの神話
これを読んで楽しんでいただければ充分でございますが、評価、感想等があると大変喜びます。「あ」とかでもいいです。
古代の人々が、人類の成り立ちをどのようなものだと考えていたか知っていますか。
質問の意味を明確にするため言い添えると、ここでは人類を、正確ではないかもしれないが、ネアンデルタール人以降の人だとしている。
ネアンデルタール人になる前の、テナガザルとか、ゴリラとか、猿人だとか、原人などは人類とはしないでおく。理屈を考え世界を見渡して見えないものを物語る、というのが人類の大きな特徴の一つだと思うからだ。(こんなことを書いてしまうと、学者さんや飼育員さんに怒られそうで怖い。でも、そういうことにしないと何も書けなくなっちゃうので、許してください)
さてそれは、一般的には神が私たちをお作りになられた、というものである。古代には、まだ哲学をする余裕がなく、倫理もあやふやで、当然宗教も存在しなかった。神話は、一つ一つ、現実や現実のものに隠された意味を眼に見えるように刻み込んでいくもので、言ってみれば歴史の写しなのだ。そういう風に刻んであったのが神話だ。
(わ、またこんなことを書いてしまうと、今度は神話学者さんや宗教学者さんに怒られてしまうぞ。が、そう書くのにも理由があるので、許してください)
神話というのは、実際にあるものに関係しながらも、その背後に潜んでいる意味を含む「神聖なる叙述」だという。
それが、人間の周りの環境やその様子、したがって人間はどこから来たのか、どこへ行くのか、どう生きればよいのかを説明したり、決めたりするらしい。
いわば「物語風の人間取扱説明書」だが、神話はその際に絶対、何らかの超凄い存在、つまるところ神、そういうものを引き合いに出して世界を説明しようとするそうなのだ。
神話は世界各地に存在するのだが、比較神話学という学問ではとおく離れた場所の神話に普遍性、つまり似たような部分を見出そうとしていて、実際にいくつか共通の基礎部分が見つかっているようである。
様々な場所の神話に似たような部分がありそうだという研究は、私の想像と合致するものだ。環境にもよるが、古い時代に周りにあって、しかも偉大なイメージを抱かせるものなんて似通っているわなあ、というのが私の素人考えだからだ。
どの国のどの民族にもそれぞれの創世記があるが、それらの多くは海とか水から世界が生まれているような気がする。海や水は、どのような生き物にとっても少し恋しさがあるところなのかもしれない。
どうも神話は人類の心の有り様を反映したものみたいなのである。ま、これは余談なのだけれども。
世界の神話がどういう風にできあがったかの説が面白い。
古代では、歴史的な事実が語られていくうちにだんだん変になっていって、神話になったのだという説が語られていたようだ。
そして19世紀後半は言語学的なアプローチがなされ、神は自然現象の擬人化であるとか、自然現象やよくわからない出来事を表す言葉がなかったから、代わりに神話を作ったのだ、科学ができない奴らだとか言われていたのだ。つまり、文字通り神話としての神話が崩壊していったのである。科学による神話への攻撃というのは、特に神話を信じる人々にとってはセンセーショナルなことだった。そのせいか研究もどんどん進んだ。
そして20世紀、色々な学問が発達していき、無事?科学と神話の対立は解消され、トレンドは世界全体の神話を考えることに移っていったのだ。
最近は遺伝学等も取り入れ、いっそう研究に励んでいるようである。
(実のところ、筆者にはもうわからない。色々調べてみたけども、上のことが間違っている可能性もあるので、話半分に聞いておいてください)
まあ、そういうことがあるようなのである。すごいよね。
しかし、古代の人々がこのように偉大な物語を書き上げたなんて、信じられないような気がするではないか。今からずっと昔に作られた物語が、今も語られているのである。古代の人々が心血を注いで世界というものに向き合った結果は、たとえ間違いであったにせよ、今も人々を惹きつけてやまないのである。
ところで、最近のゲームでは神々がすごい姿になってドンチャンやっていて、そこから神話に興味を持った人がいるかもしれない。ゲームに出る神々……神話に出てくるような神々はなんとなく人間らしい性格をしているから、案外やぶさかではないのかもしれないが、一体なんでそんなことになったのだろう。私は何も知らない。
次回は異世界版「はじまりの神話」になると思います。現実→異世界→現実→異世界……と投稿する予定ですが、どこで止まるのかはいまだに決まっていません。ロシアンルーレットをやっている気分です。