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転生後の世界【2】

「おい! お前出ろ!」

 さっきのガイコツの声が遠くから聞こえた。

「や……やめてくれ。たのむ」

男性の命乞いの声が聞こえた。

「うるさい。こい」

「嫌だ。死にたくない」



 リーナ(理奈)はガイコツが囚人をどこかに連れていく悲鳴を何度も聞いた。

 怯えて震えていると、リーナの牢屋の前にガイコツが来た。

「次はお前だ。バッバッバ(笑い声)」

「ひー!」


 リーナは勇者になったらこんな恐ろしい魔物と闘わなくてはならないなど

思ってもみなかった。

「死にたくない・・・死にたくない」

 ガイコツの姿が見えなくなってもリーナは震えていた。



 1時間ぐらいたっただろうか?少し震えがなくなってきた。

 怖いという感情よりも今は生きのびたい気持ちが勝っている。

「ラタのように勇気を出して逃げ出そう」

 そう小さくつぶやき脱出を決意した。


 早速脱出の方法を考えた。

 いろいろと考えた結果、ラタが使った脱出ルートがいいだろうと考えた。

 リーナは目を凝らして隣の牢屋を見た。

 すると大きな石の下に穴があるのが見えた。


「きっとあれだわ」


 リーナは隣の牢屋に行ける方法はないかと辺りを見渡した。

 すると一カ所だけ鉄格子が開いている部分があった。


「こ……これ、通れるかも?」


 運よく転生したリーナは13~15さいでとても小柄な体系だった。


「私、細・・・」


 自分の体を見るとアニメのように手足が細かった。

 するするっと開いた鉄格子から体をすり抜けるとさっき見た穴を確認した。


「やっぱりだわ。ここが抜け穴ね」


 穴の中を覗くとどうやら外へ繋がっているみたいだった。

 リーナは早速外に出るため穴に入ろうとした。

「今はダメ。夜は見張りがいるわ」

「え?」


どこからか声が聞こえた。

何の声かわからなかったがリーナはその声を信じることにした。


ガン、ガン、ガン。

突然足音が聞こえてきた。


「や・・・やばい。またガイコツがきたかも」


 元の牢屋に戻ろうとしたが間に合わなかった。

「終わった……」

リーナは死を覚悟した。


「……いない。どこ行きやがった」


ガイコツは辺りを見渡したあと、こちらに気づきこっちを見ている。

リーナはとっさに顔を伏せた。


「他の……他の魔物が連れて行きました!」

 駄目元で答えた。


「…………あ……あいつ、また勝手に食べたな……」


 ガイコツはイライラした様子で戻っていった。

 どうやらリーナは助かったようだ。


「ふー、あのガイコツがバカで助かったわ」

「ふふふ、そうね」


 リーナのひとりごとに誰かが答えた。


「だ……誰?」

「ここよ、ここ」




 声のする方を見ると白い光を放つ美しいイヤリングが宙に浮いていた。

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