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コードレス~対決除霊怪奇譚~  作者: DrawingWriting
ホロウ
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ホロウ - 第0話 - 波のゆくさき -

 波に運ばれてくるのだという。


 一人旅で利用した民宿の主人に「夜は海を見るな」と忠告された。聞くに、この地方では、そうして死者が此岸(しがん)に来るのだそうだ。そしてそれを見ると――気が狂う。


 彼は正しかった。ふと夜半に海を見て――それ以降、死者は私の(まぶた)の裏から()がれない。


 近く、私は自ら命を絶つだろう。あの夜、墨色(すみいろ)の波間に見えた、土気色のもの。それが何かを理解した直後、私は(のど)(つぶ)れるまで叫んだ。荷物も放って宿から逃げた。だが――逃げ切れそうにない。


 それは人間の頭だった。苦悶(くもん)と恐怖に顔を(ゆが)めた、他でもない私の頭。


 理屈など分からない。だがきっと、私は死んだ後、あの夜に連れ戻される。


 墨色の波に運ばれていくのだ。



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