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アリアは知らない  作者: taru
四章 リーシャ編
95/345

76皆それぞれに

 水面(みなも)背鰭(せびれ)だけ残して潜航? する潜泳機は特に問題も起こさずに、右や左の(かじ)を確かめつつも一路南へと進み続けて()たのだが、30m程先行するマギーさんから【念話】に()る連絡が届いた。


唯今(ただいま)、潜泳機は作業場から200m程南に位置する地点を進んで()ります。其処(そこ)から50m程進むと岩壁が見えますので回避が必要と()ります』


「マギーさん! 此処(ここ)から真っ直ぐ障害物無く進める方向は(わか)るかな?」


『作業場の周りをぐるりと(まわ)って調査した折の材料から目星を付けるとすれば、此処(ここ)から北東方向に進めば600mは何も障害物が無かったと存じます』


「了解したよ! 取り(かじ)(左舷へ)一杯(いっぱい)! どうかなマギーさん?」


『はい、正しい方向に進めて()ります』


「よし! ()れじゃあ、次は操舵(そうだ)()る潜航を開始するね! 潜舵(せんだ)俯角(ふかく)に5°転回したよ!」


「えっ! ()れって胸鰭(むなびれ)じゃ無かったの?」


 リーシャの突っ込みは扨措(さてお)き、潜泳機(せんえいき)胸鰭(むなびれ)こと潜舵(せんだ)? は飛翔機の主翼と違い、板ごとと()うか(ひれ)ごと動き下げられて、板面で水流を受止め(すく)()()げる。

 潜泳機の機体は(おの)ずと前方部が他より深く沈み機体全体を斜めに傾ける。()れは固定された潜舵(せんだ)俯角(ふかく)を更に下げることに通じ、()てして刻々(こっこく)と機体全体の俯角(ふかく)を深めることと()る。

 ()の現象は飛翔機でも()るのだが潜泳機は特に振り幅が大きい様である。

 勿論、()の状況に気付いたリーファ様は素早く筆を()って又、(なに)やら書き始めるのだから実に忙しそうだ。


胸鰭(むなびれ)だよ! ()れは()れとして一旦潜舵(せんだ)仰角(ぎょうかく)に転回して0°に戻すよ!」


「流された!」


「ふむ、背鰭(せびれ)分の浮力が僅かに掛かっている(はず)なのだが……機体が水平に戻る前に底へ着きそうだな」


「じゃあ、横舵(おうだ)を少しの間俯角(ふかく)に転回して機体を水平に調整するよ!」


腹鰭(はらびれ)でも水平尾翼でも無く横舵(おうだ)ですか!」


「もう! リーシャ様はしつこいんだよ! ()れは腹鰭(はらびれ)に決まってるじゃないですか! 今(まで)機体を操作して()()()操舵(そうだ)作業で今()ってる()れは横舵(おうだ)、私は舵取(かじと)りって事なんだよ!」


「? ()まり()れは()れ、()れは()れってことで良いかな……」


「私は何方(どちら)でも分かり(やす)いから構わないのだが、操舵(そうだ)中は矢張(やは)潜舵(せんだ)横舵(おうだ)縦舵(たてかじ)方向舵(ほうこうだ)だな」


「だよ! 機体の水平維持を確認したよ! 潜舵(せんだ)はもう少し小さくても良かったかな! 機体各部異常無し、浸水も無し」


「=中央上部隔壁内の窓硝子(がらす)4箇所全て潜水後も異常()りませんでしたわ。後、前方部の窓硝子(がらす)を確認しに参りますわね=」


「=中央上部操舵(そうだ)席の方も異常無しだよ=」


「了解したよ!」


「ガチャ」

「――(やっ)と戻って来れましたわ――」

「ガチャ」

「――ははは、()疲れ様でした――」


「よっと、前方隔壁の操舵室内に()る両操舵席用窓硝子(がらす)は異常無しですわ」


「了解したよ! じゃあメルペイク潜泳機の推進を止めて(もら)えるかな!」


「チュビィバ」


「マギーさん! 外の様子はどんな感じかな?」


『現在、潜泳機の機体から泡などは確認して()りません。初期の段階に出ていた泡は機体表面に付着して()りました気泡だと存じます。それから、水深は目測で10m程で場所は折返した地点から約290m程北東に進み出た位置に()ります』


「了解したよ! ()(まま)西を目指したら作業場に戻れるね! 結局、魔落の魚は現れないんだね!」


『はい、丁度西の方向が作業場と()って()ります。()れから、()の潜泳機は長さ12mの大きさで形も魚に似て()りますから、()の巨大な魔落魚程ではありませんが十分警戒する対象と()って()ると推測(いた)します』


「そっかー! おっ浮き始めてるね!」


「チェロル、水中で浮き沈み無く安定する注水量を確認しないで良いの? ()ること()った方が嬉しいし又行って来るよ?


「うーん、じゃあ! リーシャ様、又後方部の貯水槽に水を入れて来て欲しいのです! 調節はマギーさんお願いするよ! 荷物や追加設備でどうしても上下するから大体でね!」

「了解」

『了解』


「チェロル……()しかして明日届くと()う機材や今後設備次第で今浮いてる分ぐらいの重量は埋まる算段なのかしら?」


「うん! だけど設備を載せる前に又潜航する可能性も()るから人手が()る内に記録をしておくと助かるんだよ!」


「私も計測結果の資料が増えるのは大いに結構なことだな。()れから帰りは私が操舵(そうだ)するからな!」



---


 と()る作業場の片隅で再びでんと台座に鎮座した潜泳機を眺める人影が2つ()る。


「今日は我が(まま)言ったりとか御免なさいね。チェロルが色々考えて段取りとかして()たのに、私ったら自分勝手で嫌な思いさせちゃったのじゃないかな?」


「ううん、ベイミィは今日少し機嫌が悪いのかなとは思ったけど大丈夫だよ! だって今日は潜泳機を進水できたんだよ! 楽しくって楽しくって()れどころじゃなかったんだよ!」


「そ、()う……()れは私も嬉しいわ」



---

修正記録 2017-05-13 11:56


()たら、30m → ()たのだが、30m


ぐるりと(まわ)て → ぐるりと(まわ)って


幾つかの句点を追加


動き下げられた前方部の板面から水流を(すく)()()げる。

動き下げられて、板面で水流を受止め(すく)()()げる。


ルビを追加


水深は目測で10m程で → それから、水深は目測で10m程で場所は


又後方部の後部貯水槽 → 又後方部の貯水槽


記録をとて → 記録をして


運転 → 操舵(そうだ)

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