72操舵したい?
「え! 未だ届いて居ない部品が在るんじゃなかったの?」
「うん! だけど殆どの部品が補助であって、此れを主として動かすのは御業何だよ!」
「チュバ」
チェロルは上から降ろして来た部品は全て潜泳機に組上げたのだから、試運転をしてみたいと申し出た様だ。
まあ、此れから他の機材を載せて行く前に、各部の耐久性や想定して居る動作が実際に得られるかを確認したい処なのだろう。
リーシャとしても其れに就いては吝かで無いが……。
「然うなんだ。まあ、組立てた許りだから確認しないといけない事も多そうだけど、一応リーファ様を待った方が良さそうな気がするよ。それに、チェロルと同じ御業属性を授かって居ると仰ってましたし、同じように動かせるなら自身で確認もしたいと望まれるのではないかな」
「おー、然うだね。リーファ様が居ない処で試運転したら拗ねそうだね!」
「お願いだから本人の前でそんな風に言わないでよ」
「リーシャ、チェロル、其れは置いといて休憩にしよう。今日はベイミィがお茶を淹れて呉れたらしいよ」
「えー! マギーさんの淹れて呉れたお茶が飲みたかったんだよ!」
「お願いだから本人の前で其の様に言わないでね……」
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休憩を始めて間も無くリーファ様が帰って来られた。
「あら、丁度良い折に戻って来れたね。律儀に私の分も分けて有るのは嬉しいな」
「お疲れ様です」×6
「チュン」
「ふう、あら? マギーさん茶葉が変わったのかい?」
「いえ、何時もと同じですよ」
「今日は私が淹れさせて貰いましたわ」
「然うか……美味しいよ。有難う。ふう、先程ハンナ隊長から話しを受けたのだがな。今、石祠周りに建てた施設は貴女方の実家が雇った侍女たちが、掃除や留守番などの管理を賄って居るだろう。確かに管理区としては第二騎士団だが、石祠を隠す目的で建てた施設は宮殿の管理でなくてはならないそうだ」
「はあ、彼の建物を管理する専任の方が来られるという事ですか?」
「ふう、然う言う事だな。早ければ明日には赴任して来ると云う話だ。一応守護の任でもあるから【武技】を持つものが選抜されるだろう。まあ、と言っても其の様な侍女を派遣できるのは1名が限度だろうから、今迄通り施設棟の管理を手伝って貰えるのは助かるらしい」
「確かに近衛騎士団や第一騎士団を常駐させるのは目立ち過ぎますからね。かと言って此の地底湖が存在する以上、何かしら良からぬこと事を考える輩も出て来るやも知れませんからね。其の様な意味から考えても侍女に偽装した門番を据えるという事は利が大きいですね」
「おっ此のお菓子は美味しいな甘過ぎないのが私好みだ。――最後のは言わないでも良いのだが――まあ、そんな処だが侍女であれば私やマリオン、派出所の騎士に就いて居る侍女としてごまかせる意味も有るらしい」
「いっその事、私たちの侍女が遣って居る交代制を止めて、全員に来て貰えば良いのではないかしら?」
「ふう、成る程、確かに広く為り過ぎて侍女たちの負担も大きく為っているし管理人が居るのだから、此の機会に侍女たちには施設へ常駐して貰って派出所の方は交代制の継続で良いかな」
「然うですね。分かりましたわ。チェロル、今晩にでもアイラさんに話を通して置いてね」
「はーい!」
「ふう、マギーさんのお茶の御代りを淹れて貰えるかな」
「はい」
「まっ!?」
「有難う。それで、長物の魔落魚はもう運んだのかい?」
「はい、マギーさんに縄で括って飛翔板で運び易形にして貰って居たので、すんなりと運べて彼の巨大魔落にも出くわしませんでしたよ。まあ、メイリア神官長殿は少し困った顔をしてましたが」
「バルパル見たかったよ!」
「何だか「ぴゅぅぅぴゅぅぅ」ってお腹膨らませ乍らも神官長に強請ってたけど一貫して無視されて居たね」
「――うん、此れで一息就ける。――ははは、其れはメイリア神官長殿に迷惑を掛けたね。然う然う、チェロル、明日の便でアリア殿下からの荷物が幾つか宮殿へ届くと連絡が来て居たよ。殿下は水中に潜る機体に御執心の様だな。其の後どんな感じだい?」
「休憩の後で潜泳の確認をするんだよ! 潜泳機の中に在る水袋に水を顕現させて行くと重みで沈んで行く筈なんだ! 水中に丁度沈む量が判れば次から少し浮く位で調整して腹鰭と胸鰭の操舵で深度を変える計画だよ!」
「詰まり【水】の御業で水深を保って【砂鉄】の御業で進む積りなんだね。私も操舵させて貰おうかな。皇太后陛下とタリス殿下に報告書を出さないとならなく為ったから」
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修正記録 2017-05-09 08:21
チェロルが上から降ろして → チェロルは上から降ろして
組上げの → 組上げたの
「為る」と「為て」を平仮名にする
ていると仰って居たし、 → て居ると仰ってましたし、
幾つかの改行を追加
考えると侍女に → 考えても侍女
お菓子美味しい → お菓子は美味し




