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アリアは知らない  作者: taru
四章 リーシャ編
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71組立作業のなか

 作業場の中央に通る水路の両岸、西に潜泳機がでんと鎮座し東にはぐたりと伸びる胴長の魔落魚が()けられて()た。


「さてと、私は休憩用の部屋を造るからリーシャ手伝って()れ。浸水しても嫌だから階段から造るよ」


「はい」


「私は()の長い魚を運ぶ(ため)の縄を取って()ます」


「ああ、()うだね。水に()けて運ぶと色々とややこしく()りそうだから()の方が良いですね。助かります」


 マギーが飛翔(ひしょう)板に乗り出て()くのを見送ってから、マリオン先生とリーシャは階段造りに取り掛かる。

 チェロルは矢張(やは)り潜泳機の所である。潜泳機は少し(ばか)り浮かせて置く(ため)に4つの岩でできた台座に載せられて()る。

 其処(そこ)でチェロルはパタパタと浮きながら次々と部品をくっ付けて()く。()れはメルペイクを装着した服型安全装置(飛翔(ひしょう)機用)なのである。

 恐らく()れを侍女のアイラに作って(もら)った本当の目的はメルペイクの【浮遊】でふわふわと浮く事に()ったのだろう。


 マギーは戻って()ると胴長の魔落魚を縄で(くく)って()く。縄は植物繊維でできて()り、マギーが持つ【植物】の御業で自在に操れる。

 ()れは数人で運べるようにと数箇所から縄を伸ばし、飛翔(ひしょう)板へ掛け(やす)いようにと輪っかを(こしら)える手の込んだものと()って()た。



「おー、本当に胸鰭(むなびれ)腹鰭(はらびれ)が付いたんだね。飛翔(ひしょう)機みたいなちっちゃな羽に見えるけど。ところでチェロル、此方(こっち)は手伝える事って()るかな?」


「リーシャ様はもうマリオン先生の手伝いは()いの?」


「うん、もう荒削りした岩を(まと)めて外に持って()ったから、後はマリオン先生の考えた心象で綺麗に整えて()くだけだよ」


「分かった! じゃあ、飛翔(ひしょう)機用に取り寄せた昇降舵(しょうこうだ)方向舵(ほうこうだ)用の部品を改造して操舵(そうだ)席に取り付けるの! お願い!」


「了解したよ」



「チェロル、硝子(がらす)窓? 張り終わったよ」


 ベイミィが頼まれて()た作業を終え次は何するのと()わん(ばか)りの口振りだ。


「おー! じゃあ、早速くっ付けちゃうね」



(ひれ)操舵(そうだ)用が主な目的なのかな。よっと! アリア殿下の操作用に(こしら)えた、空気蓄積用の隔壁層に似た構造をして()る部分が多いんだね。うーん、()れ空気袋じゃなくて水が入ってる? ――わっ! 真っ暗!――」


「リーシャ様の声が()こえなく()りましたわね」


「あー! 出入り口造るの忘れてたね! メルペイク、此処(ここ)に穴開けるよ!」

「チュバ」


「何気に(ひど)い光景を見た気が(いた)しますわ」


「ふうーっ! 暗く()るなら()ってよ。驚いたじゃない」


「う、うん! 今度から暗く()る折には前もって伝えるね!」


「頼むよー。――懐中気灯が()った方が良いかな、あっ! マギー有難(ありがと)丁度(ちょうど)明かりが欲しかったんだよ――」


「チェロルが都合良さ気で無難そうな解釈をぶら下げられて食いついたわ。何時(いつ)からそんな曲がった子に()ったの! 純粋な頃のチェロルを返して!」


「――いえ、如何(どう)(いた)しまして――」


「ベ、ベイミィ! 前方部に2箇所穴を開けるんだけど其処(そこ)硝子(がらす)(つく)って()め込んで欲しいんだ! メルペイク、此処(ここ)に穴開けてね!」

「チュチュン」


「まあ! ごまかす技も使えるように()ったのね。成長が嬉しい(よう)な悲しい(よう)な複雑ですわ」


「ほら、ベイミィ、チェロルで遊んでないで、ちゃんと手伝って()りなさい」


「はぁい」


「マリオン様、部屋が完成(いた)しましたのでしょうか?」


「ええ、終わりましたよ。マギーさん、()し大きさが足らない様であれば変更しますけど?」


「いえ、寸法を測って必要そうなものを適宜(てきぎ)に発注して()こうかと。後、上がった(つい)でに余って()そうな机とティールが用意して()れて()る休憩用のお茶菓子なども取りに行こうかと思いまして。」


「そうですね。()の様にして(もら)えれば助かります」


「はい、では行って(まい)ります」



「リーシャ様! 此処(ここ)の扉を開けると窓の硝子(がらす)から外の明かりが()れるんだよ! それから、昨日アリア殿下にお手紙を出したから()の内、蓄魔(ちくま)器とか室内気灯とか送って(いただ)けると思うんだよ!」


「ええ! ()の様な催促めいた内容でお出ししたのですか? ご、ご迷惑では……」


「大丈夫だよ! 以前から”何か(つく)るのに必要なものが()れば気軽に相談して(もら)っても(よろ)しいのですよ。例えば入手が難しいものを必要と所望あれば目的の設計図さえ見せて(もら)えれば、関係機関に此方(こちら)からお話(・・・)を持って()く事も()(やす)()りますわ”と()って(くだ)さって()たんだよ!」


「何だろう? 今、”お話”の(ところ)粟立(あわだ)ったよ。と言うかよく覚えて()るね」


「ああ、多分、()の潜泳機関連だったら皇太后陛下にご相談しても便宜を(はか)って(もら)える(はず)だよ」


「あ、マリオン先生。()う言えばリーファ様も手助け云々(うんぬん)の事を拝聴して()ると()うお話でしたが、其処(そこ)までして(いただ)ける内容でしたのですか?」


「まあ、()の件に()いては今後、()の潜泳機が地底湖を管理するに当たって、重要なものと()()るから、()いては宮殿の利と()るんだよ」


「は、はあ、ところで何か御用だったのですか?」


(いや)、ちょっと内部がどんな感じか気に()って見に来ただけだよ」




---

修正記録 2017-07-04 12:05


見えるけど。チェロル → 見えるけどね。ところでチェロル


もうマリオン先生の手伝い → リーシャ様はもうマリオン先生の手伝い


「ベイミィが頼まれて()た作業を終え次は何するのと()わん(ばか)りの口振りだ。」追加


わっ! 真っ暗! → ――わっ! 真っ暗!――


「リーシャ様の声が()こえなく()りましたわね」追加


暗く()る折は → 暗く()る折には


都合の良い解釈 → 都合良さ気で無難そうな解釈


「チュチュン」追加


足らなければ変更します → マギーさん、()し大きさが足らない様であれば変更します


()うですね。マギーさん、()の様にして → そうですね。()の様にして


ご所望あれば設計図 → 所望あれば目的の設計図


---

修正記録 2017-07-03 09:29


幾つかの平仮名を漢字に変更


幾つかのルビを追加


飛翔機のちっちゃな羽 → 飛翔(ひしょう)機みたいなちっちゃな羽


取り付けるの、お願い! → 取り付けるの! お願い!


話 → お話


---

修正記録 2017-05-08 09:02


、数箇所から飛翔板へ掛け(やす)い輪っかを

数箇所から縄を伸ばし、飛翔板へ掛け(やす)いようにと輪っかを


改行を追加


お話し → お話


句点を追加

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