70秘密基地?
マリオン先生もリーシャも【岩】の言霊属性を授かって居るから作業は早い、慣れて行く内に職人並に上手く為って行く。
チェロルが支持を出し其れをマギーが念話で伝達して、マリオン先生とリーシャが次々と削っては外の岩壁を鋭角に盛り付けて行く。
気付けば鋭角の岩壁は10m程先端を伸ばし、石祠の階段口から北東に22、3m程と、当初30m以上離れていた筈が、今では階段口の下からでも其の存在を見つけ易く為っていた。
上の石祠口周りに残した潜泳機の部品などを運んで居ると、リーファ様と近衛騎士の御一行が戻って来られた。
「マリオン、今戻ったがチェロルの創りものは其方の場所で行うのかい?」
「あっ、リーファ様、お疲れ様です。はい、安全と効率面から其の様に進めて居ります。其れから先程、此処から7、80m北北西の場所辺りで胴長の魔落魚、体長10m程のものが現れました」
「彼の巨大な魔落魚やバルパルが此の辺りを頻繁に巡回して居るから、数自体は少ない様だがやはり其れなりの数は居るのだな。我らが聖堂通路へ向かう途中にも現れたよ。御蔭で前言の通りバルパルの良い獲物に為ったな」
「あらら、バルパルはもう獲物に有り付いてしまったのですか。先程退治した魔落魚をリーシャがバルパルに与えると云って居たのですが、此れ以上は食べられないですね」
「ああ、其の点は大丈夫だよ。聖堂迄運んだら氷漬けにして貰えるから」
「……判りました。では数名連れて後で運ぶ事にします」
「ええ、其れで構わないよ。私はハンナ隊長と其の御一行を上の施設に案内して来るから、又暫く此処を任せるな。ティロットは留守番との交代役で来て呉れ、ベイミィは彼の部品からして多分チェロルが有用として居るだろうから手伝って遣れ」
「了解しました!」
「了解!」×2
「では参ります。階段内で擦れ違う折は左側を通る様に留意して下さい」
リーファ様を先頭に皇太后陛下の親衛隊御一行は一列と為って次々と上がって行く。然う、此の部隊は揃いも揃って精鋭と言うより皇太后陛下の側近たちなのである。リーファ様が雛と言わしめた程リルミールは小隊で場違い感此の上無かったである。
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「唯今戻りましたわ。凄い規模のものを造って居るのですね」
「チェロル、此処へ部品を置いておくからね」
「はーい!」
「其れから先程リーファ様が戻られて、今は石祠周りの施設を案内しに行ってるよ。後、一段落着いたら其処の長物をバルパルに与えるから聖堂通路口の前迄運ぶ為に数名手伝って呉れ」
「はい」×2
「畏まりました」
「はい!」
「否、チェロルは此処で作業を続けて呉れたら良いよ」
「ええっ!」
「チェロル、其んな顔したって駄目ですわよ。皆貴女の為に此の様に大掛かりなものさえ拵えているのですから。其れにバルパルなら此処で作業して居る限り何時でも会えるでしょ。
然う然う、ハンナ隊長は流石ですわ! リーファ様も然うでしたが派出所に侍女が居る事実を頑なに一切喋ろうとしない。それでいて留守番としてリルミールを上に手配為る心遣いのきめ細かさ、痺れましたわ! まあ、ティールを通して派出所から上の施設迄案内して貰わないと来れる筈無いのよね。留守番云々も先を急かしただけでなく他派閥への対策ですわね。内みたいな派出所には大げさな気もしますが。ところで、マリオン先生、勝手に上がるという言葉は隠語か何かなのですか?」
「ベイミィ一遍に喋りすぎだよ!」
「立場が上がる程、宮殿は気遣いが必要に為ってくる所だからね。隠語に就いては聞いたこと無いよ。と言うか私は武闘派だから宮中の立ち回りを訊かれても困るのだが、況してや其の方面の言葉なんて与り知らない処なのだよ……」
ベイミィの侍女ティールも隣の建物で作業をして居るとは聴いて居たが、まさか建物内に誰も居なく為っているとは思いも寄らないだろう。
石祠周りの施設迄は侍女でも入れるが、チェロルが潜泳機の部品を散らかして居た空間へ繋がる通路には、許可されたもの以外侵入禁止としている。
唯、皇太后陛下の近衛騎士が尋ねて来たら、其方へ通すようにと云われて居ただけである。
「……然うですか、では後でリーファ様に訊いてみます。其れでチェロル、私に手伝える事は何か有るの?」
「ベイミィにはね! 此の部品の溝に合わせて厚めの硝子を創って隙間なく嵌め込んで欲しいの!」
「ええ、分かった「後、此れと此の小さい奴2つお願いね!」……ゆっくり遣らせて貰うわね」
其の作業場は外の鋭角に切立つ岩壁の先端から5m幅で25mの水路が掘られていて、中に入ると天井6m、幅25m、奥行き25mの空間と為っていた。
作業場内の水路は奥に5mの道を残した20m、詰まり全長45mの水路が丁度南北に真っ直ぐ通っている。
此れが今回チェロルの為に皆で造った作業場の全容なのである。
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修正記録 2017-05-07 10:05
「北東に」追加
よく巡回 → 頻繁に巡回
少ないがやはり → 少ない様だがやはり
居る様だな。 → 居るのだな。
ハンナ隊長と御一行 → ハンナ隊長と其の御一行
留守番交代役 → 留守番との交代役
上に上げる → 上に手配為る
「一遍に」追加
困るんだが → 困るのだが
だからね → なのだよ
侍女のライチェ → 侍女ティール
但 → 唯
句点の追加
鋭角に → 外の鋭角に
作業場に繋がる水路が → 水路が
感じである。
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。 此れが今回チェロルの為に皆で造った作業場の全容なのである。




