69でかい奴が怖い?
「マリオン様が念話圏内に入りました。間もなく此方へ来られます」
「……あっ、然う何だ、此方の状況も知らせて呉れたんだね」
「はい、見えられた様ですね」
10m程離れた場所では未だに「バシャバシャ」と音を発てて居る。
其れを横目で見乍らマリオンとリルミールは飛翔板を抱えて遣って来た。
「マギーが居るから心配は無用だったが、大人が居ない合間に限って斯ういった類いは出て来るのが常だな」
「うわー大きいですね。魔窟とは聴いてましたけど、此の様な輩が出て来るんですね」
「マリオン先生、其れにリルミール様も又降りて来て呉れたんだね。有難う御座います」
「ううん、下に降ろす飛翔板が3枚だと何かで括る必要があるし、派出所でじっとして居るよりは体を動かしたいからよ。まあ、面白いものが見れたわ」
「バルパルちゃん! 彼れだけ探し廻ってるみたいなのに、意外と魔落魚って居るんだね!」
「然うだなあ、予想だと此処に居る魔落たちは、彼の巨大な魔落魚に食べられない為に隠れて居るのかも知れないね。そしてバルパルは普段は【気隠】を使って居るから、不意打ちを狙った狩りが得意なんじゃないかな。だから普段は気付かれない様に行動して居る為に、隠れて居る輩には気付かれないけど反対に見付けるのに苦労する感じだと思うよ」
「じゃあ、リーファ様も其れを察して居てバルパルに誘いを掛けたの?」
「多分、然うだね。人が居れば其れが囮に為る。其処ら辺はメイリア神官長殿に育てられた折に十分見知って居たのじゃないかな。不意打ちで安全に狩りをする方法もメイリア神官長殿辺りが教育したのだろうね」
「此の鳥は狩りをできるのですか?」
「チュッ、チュチュン!」
「否々、メルペイクは元々雑穀を突いて居る様な大人しい子なのだよ! 狩り何てとんでもない」
「――親馬鹿だ――そ、然う何だ」
「メルペイクは強いよ! 御業は人の認識できる事しかできないんだよ! だから人の放つ飛礫は弓矢より遅いし、鍛えれば躱す事もできるんだよ! だけどメルペイクや飛翔板に乗った人が放つ御業は、躱す事が難しい速度に達する事ができるんだよ!」
「え! そ、然う何ですか?」
「ええ、其れが飛翔板が武力として大きく認められた所以の一つですね。まあ他は自分で経験して行けば自ずと分かる筈だよ。……其れより、幾分大人しく為った様だが彼れを完全に絞めて退かしておかないと、危ないし又他のが寄って来ても面倒だよね」
「然うですね。後でバルパルに遣っても良いけど、一先ず置き場所ですよね」
「私は、そろそろ留守番に戻りますね」
「ああ、重ね重ねご苦労だったね。有難う」
「有難うね」
「有難う!」
「有難う御座います」
「あっ! 先程皆とも話し合って居た事なのですが、此の機体に部品を組んで行く為の作業場所が欲しいって要望から、安全や材料調達も考えて石祠の階段からも近い此処の壁を掘って造るという次第で纏まったのです」
「此の壁かい?」
「――メルペイク、此の形で同じの創って!――」
「えっと、場所は未だ決めてないのですが、一応此の辺りの岩壁に横穴掘って削った岩も材料にして、作業場を拵えるって計画だったのですが、其の作業場が在れば彼れを絞めた後に上げて置いておけるのではと考えたのですが」
「――第二針発射ー!――」
「然うだね。……其れで行きましょう。取り敢えずしめ……」
「ジュゴゴゴゴゴゴ」
「ビタッン」
「彼れは?」
「チェロルの新しい必殺技らしいです……」
「然う……。取り敢えず其の作業場を造る場所を探しましょうか」
「はいっ! 此処が良いです! 其処の鋭角に切り立った岩壁の水面下を入口にしたら、潜泳機がでっかい奴に追われて逃げ込んでも其の儘体当たりってされ難いと思うんだよ!」
「其れは余り想定したくない事案だよね」
「まあ、場所は此処で良いとして、此の先が如何成って居るか確認しておこう」
「はい」×3
周囲を確認した結果、歪乍らもぐるりと回れる形状と為っており、一周大体600m程であった。
鋭角な岩壁と言っても実際、先端の方は潰れて居るというか尖って居ない形状だったので、其の先端部分に水面下から陸上に掛けて10mの入口を造った。
水上3m、水中7mの割合で岩を退けていき、退けた岩は入口周りを尖らすのに使った。決してチェロルのでかい奴に追われて云々の脅しが怖かったからでは無い。
遠目から見たら入口とは判り難いかも知れない。偽装する意味は無いのだが、チェロルは秘密基地の気分なのかも知れない。
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修正記録 2017-05-06 10:50
ルビを2つ追加
「、チェロルは秘密基地の気分なのかも知れない」追加




