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アリアは知らない  作者: taru
四章 リーシャ編
83/345

64偶然です。

 リルミール・ハッシベルト子爵家令嬢。学園ではリーファ様が教導官として闘技を教えていた学徒たち、所謂(いわゆる)皇族寄りの派閥に属する子供たちであり、リーシャたちの様に中立の(てい)をとる文官派閥に属してい(なが)ら、少数であるが(ため)に害も無かろうと御座(おざ)なりに放り込まれた(やから)とは毛色が違うのである。ああ、髪色は緑色で短く切っているね。

 (つい)でにいうと近衛騎士や特殊任務に従事する事が決まっているものたちが、学ぶ(ため)の学園は他にも存在する。()れはルトアニアや他の領だとて同じである。


 リーシャたちから預かった武器類を帳面へ記録し仲間の近衛騎士見習い?たちと共に片付けていく、休みの日にご苦労なことであり本来なら()れも中央東区画の受付で行われる(はず)のものである。作業が終わる頃に急ぎ足で近付く近衛騎士の姿が見える。


「はぁはぁ、此方(こちら)にいらっしゃいましたか、中央東の受付に出向きましたら空を()んで行かれたとお聞きしたのでお探し(いた)しておりました」


「ああ、悪い悪い迷惑を掛けたな此方(こちら)で荷物を渡した方が帰りが楽だからな、()れに()の短時間で引き返して来れたのなら【遠話】か何かで連絡を受けたのだろう。行き帰り800mは()りそうな往復は(とき)の無駄だからな、結果的には得をしたと思って許してくれ」


「はあ、()れでほんの少し前(まで)学徒たちの手本と()る教導官だったなんて、由々しき事態かもしれませんね。一体()の様な騎士たちに育ったのやら」


「ん? 教え子なら目の前に居るぞ。其処(そこ)の見習い近衛騎士も同じくだな」



「今、(あずか)り知らない所で私の近衛騎士としての株が急落した気がするのだけれど、リーシャ様はどう思われます?」

「お、()気の毒様?」


其方(そちら)はマリオンね貴女(あなた)も相変わらず大変そうね、改めまして(わたくし)ミグネア皇太后陛下にお使えする近衛騎士団所属、親衛隊隊長ハンナ・フェスバーンです」

「初めまして、(わたくし)第二騎士団所属、区画7-6小隊長リーシャ・グラダードと申します」


 リーシャたちは次々と挨拶していく。勿論、チェロルもだ。


「は、初めまして、(わたくし)右に同じくです。チェロル・バーカイマーと申します!」

「ふふ、良い子じゃない。チェロル・バーカイマー「ヒッ!」と言えば飛翔機を開発した子ね。色々と助かっていますよ。担当地域はちょっと東だけど(ほぼ)真正面ですか、リーファ様は帰りに其方(そちら)を経由()されると()う訳ですね」

「まあ、()の様な(ところ)だな」

「隊長、準備が整いました」

「ではリーファ様、ご案内(いた)します」

「頼みます」



 リーファ様は皇太后陛下への挨拶もそこそこに、調査結果のあらましを説明し始める。()れは皇帝陛下の御即位の(おり)口伝(くでん)されるらしき地底湖の事、地底湖の仮説云々(うんぬん)の可能性の是非は扨措(さてお)き極一部の選抜騎士に()り監視と管理が必要な事、現在に至っては聖堂の神官長位以外は知るものが居るかどうかすら怪しく()っている事をである。


「分かりました。()の件に()いては太上皇陛下に報告してみます。何方(どちら)にせよトロスト大公にはあらましを伝えておかないといけませんね」

「はい、口伝(くでん)が途絶えていようがいまいが()のリーシャンハイスを治める(おさ)なのですから」

「監視、管理に()いてですが後ろに控えている小隊の駐留地に、入り口の一つが()ると()きました。此方(こちら)での管理体制が整う(まで)の間、()の方たちに任せてはと考えていますがどうでしょう?」

「大変良き(おぼ)()しかと拝察(いた)します。()きましては手落ちが()ってもいけませんので、(わたくし)()しくは其処(そこ)に控えるマリオンが定期的に相談や指導に当たりたいと存じ上げます」

()うね、()の子たちに貴女(あなた)たち精鋭騎士が付いているのなら、(わたくし)は安心できます。第二騎士団には此方(こちら)からも話を通しておきますから()の様に()さい。()し建物や道具が必要であれば此方(こちら)が用意しますから遠慮なく()い伝え()さい。()れで(よろ)しいですねハンナ」

「はい」

「重々の御配慮、有難(ありがた)く存じ上げます」


 ()うしてリーシャたちが地底湖の監視と管理の一端を担う事と()った。


 本来は新任の騎士たちに指導の大人が付いて定期的に簡単な任務を与える(はず)なのだが、何故かリーシャたちには()の割を食った大人が付かずに放置され、偶然に見付けた地下への階段から、必然的に指導員がリーファ様とマリオン先生と()ったのである。

 全ては(いた)し方ない事なのである。



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修正記録 2017-05-01 08:42


幾つかのルビを追加


こうして → ()うして


任務お与える → 任務を与える


句点を追加

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