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アリアは知らない  作者: taru
四章 リーシャ編
76/345

57石祠

「あー……(ほこら)らしき岩を切ったか。ティロットちゃんは凄いなぁ」

「えへへ」

父様(とうさま)褒めてどうするのですか!」

「ハハハそうだな。(あれ)は聖堂の管轄だな」

「聖堂が管理している石祠(せきし)が派出所に()ったのですか?」

「他の派出所に必ずしも()る訳ではない(はず)だよ。調べてみると()い」

「はい、父様(とうさま)()れで(なお)すことになり、崩れた破片を一先(ひとま)()けてみれば、其処(そこ)に地下へと降りる階段が()ったのです」

「ああ、石祠(せきし)は全て相当古いもので感覚としては遺跡に近い。大体(だいたい)聖堂の建つ土地や民間の避難所として(もう)けられている土地に()ったと記憶しているよ。避難所の土地は他の利用を禁止した区画だね」

「一応、安全確認の(ため)に階段の調査をした(ところ)、400m程階段を降りていった場所に地下空洞が()る様でした。空洞の規模は調べていませんが、中は一面が大量の水で覆われていると御業で感じました。()の事は騎士団に連絡した方が(よろ)しいのでしょうか?」

「難しい問題だね。多分、第二騎士団では(あずか)り知らぬ話だろう。ああ……()の階段は()の方向に……真っ直ぐだったかい?」

「降りしなは宮殿の区画へ向かって降りていましたが、(わず)かに螺旋(らせん)を描く形で曲がっていましたよ」

「ううん、取り()えず問題は無さそうだね。()れは聖堂や第二騎士団より、直接第一騎士団か宮殿に連絡して判断を(あお)ぐ方が良いな」

「何故でしょうか?」

「もし()の地下空洞が宮殿の区画に(まで)広がっているのだとたら、()の案件は第一騎士団の(あずか)りとなるんだよ。場合によっては秘匿辞令が出される可能性も()るからね」

()うですね。(わか)りました」

()の件については私から上申報告しておくので、念の(ため)()の周りだけ封鎖しておいておくれ」


 次の日には早々(はやばや)とリーシャの父様(とうさま)ことガルトア・グラダードに頼まれた、石祠(せきし)石塀(いしべい)で囲み簡易の封鎖をしたり、他の派出所に(ほこら)らしきものが無いかを確認したりと、()れる用事を全て済ませた後は、特に変わらぬ派出所任務を過ごし2日が()った。

 相変わらず妙に威厳(いげん)高く格好付けたティロットを先頭に朝の巡回から戻ると、派出所の中にリーファ元教導官とマリオン先生が居た。


御前(おまえ)たち元気にしてたかい。巡回中の札はちゃんと確認して勝手に上がらせて(もら)った」

「ライチェさんが居たので中に入れて(いただ)いたのだよ。先程お茶も(いただ)いてゆっくり待たせて(もら)っていた(ところ)だよ」

「お久しぶりですリーファ様、マリオン先生。皆、息災(そくさい)にしていました。今日はどういったご用件でしょうか?」


 リーシャが代表して挨拶をし(あと)のものは礼に(とど)める。勿論(もちろん)先程の(げん)はリーファ様の意味不明な……ではなく騎士団の派出所に別系統の侍女を置いて、()の侍女の判断で建物に入れたと要らぬ茶々(ちゃちゃ)を入れさせない(ため)だ。伊達に侯爵貴族様では無かったらしい。


「ああ、石祠(せきし)の件で調査に来たんだよ」

「あれ、第一騎士団か宮殿に連絡を入れるという(むね)を聞いていたのですが、リーファ様(みずか)御出座(おでま)しになられたのですね」

()うだ、マリオン経由で上げられた報告書を、面白そうなので私が差し止めた!」

「運悪く暇に飽かして居着かれていたんだよ」

「うん、()の目! 良いよ。悪い大人を見てこうなると駄目だという見本を、()えて私が実践しているんだ! まあ冗談は()のくらいにして、早速探検……調査に行こうか」

「じゃあ悪いけどマギーとメルペイクは留守番を頼めるかな?」

「お任せ下さいまし」

「チィチィ」


 マギーが素直に留守番を受けたのはマリオン先生が居るからだ。というかリーファ様は子守をさせる(つも)り半分で、マリオン先生を連れてきたのである。


()しかして飛翔板で御二方(おふたかた)は来られましたのですか?」

「勿論、リーシャに(つく)って(もら)った飛翔板は日々愛用しているからな」

「リーシャが考案した飛翔板の恩恵は私も受けさせて(もら)ったよ。正直馬車が不便に思えて手放したいぐらいだよ」

「喜んで(いただ)ければ私も嬉しい限りですが、服装に()っては馬車も必要ですよ」

()う言えばマリオンの服は戦闘を念頭に置いた服(ばか)りだな……『そんな事だから(いま)だに昔を知る騎士たちに恐れられているのだ』。さて、先導をティロット2番手が私でリーシャ、チェロル、ベイミィ、ときて殿(しんがり)がマリオンだな」

「了解」×5

(よろ)しい、ではマギーさん()し夕刻前に()っても戻らない様であれば、()の親書を宮殿東門に届けてくれ」

(かしこ)まりました」


 宮殿東門は隣の区画の中間だマギーなら数分で着く距離にある。


「ティロットは慎重に進みなさいよ。狭い通路を飛翔板で進むのだから責任重大ですわ」

「任して、魔落が襲ってきたら一刀両断だよ!」


 ベイミィに留意を(うなが)され、何故か別の妄想に鼻息荒いティロット。


()れから階段の終わりで一旦止まって、先頭をマリオンに変える。最後尾は私だ!」


「えっ!」

「順当ですわよ。ティロット」



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修正記録 2017-04-24 10:11


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