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アリアは知らない  作者: taru
四章 リーシャ編
73/345

54マギーも一緒

 帝国暦82年にルドルド・ラギストア皇帝陛下が御退位()され、タリス・ラギストア・ルトアニアが皇帝として御即位()された。

 ラギストアは領と()り管理はルドルド上皇の第一皇男子トロスト・ラギストアがグランストア大公家を拝命し執政(しっせい)の任を(つかまつ)ること()った。


 ルトアニアは元々、国の規模としては帝国より大国であったが(ため)、周囲から戦争を仕掛けられる事も無く、他国の様に戦争や小競り合いで疲弊()る事も無かった。

 ()れでも他国は戦う技術や戦闘経験はルトアニアより豊富であるという自負が()った。だが、タリス皇帝陛下がルトアニアに嫁いでから15年に(いた)る改革に()って、()の差は(ほとん)ど無いといえる。

 いや、実際には飛翔板の親衛隊や飛翔艇、飛翔機を見せる事に()って圧倒的武力と技術力を誇示した。

 そして、武闘大会はクラウト・デンバンサーが飛翔板を使って終始圧倒し優勝を果たした。が、()の頃には第一騎士団の(ほとん)どに飛翔板や飛翔機が(もたら)され其程(それほど)目立たなかった印象だ。結局一番の見処(みどころ)は唯一拮抗したラクス・ラクトールとの試合であったと()う。

 何よりタリス皇帝陛下は皇子の中でも一番の才能と()す力が有ると裏では有名だったのだ。ラギストアという国の倨傲(きょうごう)よりも帝国という基盤の磐石(ばんじゃく)化を優先させたのだろう。


 帝国としての首都はルトアニア領の首都トルレイスと()って遷都(せんと)したが、()れ意外は大きな変化は無かった。

 アリア殿下は第一皇女子となってからも変わらずに友好を深めて(いただ)き、度重なるティロットの差し押さえに()り見事【剣技】を得て順風満帆(じゅんぷうまんぱん)の学園生活を送り卒業を迎えた。

 ああ、5年目の武闘大会はアリア殿下の優勝で幕を閉じた。勿論(もちろん)、アリア殿下以外にも強豪たちが(ひし)めいていた。が、チェロルは目立つのが嫌いだし、ティロットは一番の優勝候補ながら【酒】の御業を使わなかった。そして、リーシャ・グラダードはベイミィ・ハイストスと戦った。



「[岩よ()れ、()を射抜け]」

「[水晶よ(つぶて)()りて()穿(うが)て]」


 共に飛翔板を駆りて交差する。本来なら同じ威力だろうがベイミィには【強化付与】がある。ぶつかり合うと岩の方が砕ける。


「[石灰よ()()れ]」


 石灰の粒により煙幕が張られ視界を塞がれる。だがリーシャは()の様な時のために防風防塵眼鏡をベイミィに頼んで用意していた。ちゃんと失敗を(もっ)て糧としたのだ。チェロルにいけずと思った事は後で謝っておこう。

 だが展開していた大半の水粒系因子が石灰粉塵に吸われてしまった。というか一部石灰水と()って発熱してるよ! 迫りくるベイミィになけなしの水粒系因子で防御を築くが、チェロル切りされた飛翔板の尾で難なく反転に使われる。


「[水よ()()れ]」

「[石灰よ()()れ]」


 上空から降り注ぐ石灰はベイミィから繋がれた気力の線が途絶えても、掌握圏を越えリーシャの頭上へと降り注ぎ、防壁として張られた水と混じって土泥(どでい)()った。()う、リーシャは【土】の御業を持つ。石灰水ではなく土泥(どでい)と思い込めば(わず)かにリーシャの支配権が上回るのだ。例え発熱していても……。

 土泥を制御下に置き直し、大波を作ってベイミィに向かい滑り降りる。


「[土水よ大波と()れ]」


 リーシャは勝ったとと確信した。其処(そこ)に音楽が聴こえてくる。見ればアリア殿下が例の箱に金属の花を突き刺した物体を、(また)もや持ち込んで来たようだ。

 ベイミィの飛翔板が(うっす)らと光に包まれ螺旋(らせん)を描き土泥(どでい)の大波を削り破って、()の上で勝ち誇って波に乗っていたリーシャの飛翔板を吹き飛ばした。破壊したわけじゃない。お互いの気力が充満した板だそう簡単には壊れないが、取り上げる事はできる。

 足場を無くしたリーシャは何時(いつ)かのルグスを殿下と同じだ。ただ防具は全て精密磁器を模倣して【岩】で(つく)ったものである。御業任せに無理やり体勢を整えるものの華麗に宙を切り返して高速で舞迫るベイミィの飛翔板に対抗できる訳ではない。

 何とか長刀の(つか)で飛翔板の先頭部を抑えるもベイミィの剣が首元に突きつけられた。


「参りました」


 そして、負けた。油断しなければ結果は又違ったかもしれない。いや最初から音楽が掛かっていたならば明らかにベイミィが有利であったであろう。此処(ここ)ぞという時に有効に使われたということである。

 ()れでも武闘大会の代表8人の1人に選ばれ戦ったのだから誇るべきだろう。全身真っ白の石灰水がやばそうなので慌てて洗い流してほっこりするリーシャであった。


 ミルストイ学園の卒業後、帝国暦84年にリーシャたちはラギストア第二騎士団に所属した。リーシャとティロット念願の騎士である。他の2人は知らないが4人揃って居れば満足なのだろう。

 武道大会で()れなりに活躍した御蔭(おかげ)か、第二騎士団には高待遇で迎えられた。入団当初は5人一組で小隊を組み行動する。リーシャたち5人は望むなら、ばらばらにせず()(まま)小隊を組んで構わないと優遇された。5人? マギーも一緒である。いや意味分かんないし。

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