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アリアは知らない  作者: taru
四章 リーシャ編
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41謝罪のあり方

 ()の後、2機の飛翔機は差し障りなくルトアニアまでの航路を進んだ。懸念された南への進路変更も、リーシャの【遠見】とメアリーの【空間把握】による体感速度、()の2つから進路変更の地点を導き出し、称賛に値する航路と()った。(もっと)も、リーシャが【遠見】に()って常に街道を(とら)えていたので、多少方向に狂いが()っても修正は可能ではあった。

 一方ベイミィとチェロルの乗る飛翔機に届いたアリア殿下からの手紙、開けない訳に行かず渋々(しぶしぶ)開封したようである。内容は勿論、高高度に()ける高速飛翔を実施したことで起きた、謎の現象に対する謝罪である。

 アリア殿下としては御座(おざ)なりにできない事柄かもしれないが、ベイミィとチェロルとしては(たま)ったものではない。受ければメアリーとアリア殿下に非が()ったことを認める意味に()り、更にはメアリー、ベイミィ、チェロルにはアリア殿下を謝罪させた汚名を被ることになる。

 由々(ゆゆ)しき事態である。チェロルはガタガタ震え、ベイミィは真っ青である。悲鳴を上げたいのは山々だが、()れよりも()の事態を解決しなければならない。


「あー、やっぱり真っ青に()ってます。あっ伝達事項だね。ええと[アリア殿下に()かれましては御心遣い痛み入ります。(ただ)(つづ)(たま)わる御文()(おそ)れ多きこと恐縮至極に(ぞん)じます。()きましては御心遊ばすに留め、御文を御返上(たてまつ)らんこと願えれば恐悦の(いた)りに(そうろう)。 ()まり此方(こっち)は全然平気だったんだから、こんなの貰ったら困るだけです勘弁して下さい!]って書かれていますね。多分最後のは此方(こちら)宛だけど全部書いておきますね」

「お願いします。()れも古い仕来(しきた)り、慣例に(なら)っての事です。心許せる信頼するものに対しての(あかし)を立てる意味が()るのです」

「種明かしは帰ってから実際に手紙をアリア殿下に返してからになるのですか?」

「ええ、姫様の誠意を受け取り判断し返すことができれば(ほま)れと成り皆から称賛される。()れを(もっ)て謝罪と()す。立場上、おいそれと謝罪できませんからね。()の様な変則的な様式と()っているのです」

「謝罪を受けるベイミィたちも大変だね! 高度4000m、速度計550、出力目盛り560」

「はい、記録。循環器の定期調整しました。内部気圧問題なし。(ちな)みに手紙を返上する事に気付かなかったらどうなるのですか?」

此方(こちら)から助言(いた)します。姫様の人を見る目も試されていますから、ベイミィ様たちが(ほま)れ高き行動を行えば転じて姫様の(ほま)れと()ります」

「うわー、知ったらチェロル卒倒ものだよね」

「ひえー、ベイミィ! チェロル! 心から応援してるね!」


---


「上がる時は下を覗くと背筋にゾクリと来ましたけれど、()れだけ高く上がっていれば、余り怖さを感じないものなのですわね。飛翔板に乗っている時も高さに怖さを感じませんが、自分で重心を調節して飛翔する事に集中しているからでしょうか。あら、区画整理された緑地帯がありますわね」

「ベイミィ現実逃避良くないよ! 帰ってきてよ!」

「高度3000m、速度計555、出力目盛り557、空気循環機の定期稼働を行います。内部気圧計は若干高いので調整します。全て記録しました」

「メルペイクも何か言ってあげてよ!」

「チュバチチチ、チュン」

「ええそうね、誠意を見せれば良いのですわね」

「会話が成立してるよ!」


---


「うわー、街が広い! リーシャンハイスぐらいの大きさが()るんじゃない? 高度995m、速度計250、出力目盛り250」

「記録しました。空気循環機の停止及び外気隔壁を開けます。建物の大きさが違う。学園の建物も大概(たいがい)だったけど此処(ここ)の中心街は一つ一つが大きすぎます」

「遠くに見えるのは海? 始めてみたスイタル湖よりもずっと大きいなんて信じられないね!」

此処(ここ)から見える範囲での海はスイタル湖より少し小さいですが、湾状、()まり海が陸地側に大きく(はい)り込んだ状態のものが見えているだけですから、其処(そこ)から繋がった先の外洋は大陸よりずっと大きいんですよ」

「もしかして()の一際大きく(そび)える……てか大きすぎじゃないですか」

「何だか巨大な岩山みたいだね! 上の幾つか見える緑は庭?」

「ええ、あれだけ大きいと下に降りるのも時間が掛かりますから宮城内に幾つかの庭が存在しております」

「騎士が飛び立ちましたね飛翔板に乗っています。此方(こちら)に向かっている様です」

「第一騎士団か、それともアリア殿下の近衛騎士団でしょうかね。到着の連絡は既にしておりますから、先導して着地場所へ誘導して(いただ)けるのでしょう」

「おおー、騎士様に先導して(いただ)けるのですね!」



()の紋章は……タリス皇帝陛下の近衛騎士団です。まさかねぇ」

「ハハハ……()の雰囲気知ってます。アリア殿下が想像し()埒外(らちがい)の行動を()られたんですね」

(なん)かゾクってきた!」


---


 リーシャたちの飛翔機は騎士たちに先導され宮城の一角へと降ろされた。メアリーさん曰く此処(ここ)はタリス皇帝陛下が住まう区画である。だが即位したばかりで()る事が色々と()(ため)に、()だリーシャンハイスの宮殿にて政務を(こな)している(はず)だ。

 何故此処(ここ)に降ろされたのかは礼を()る騎士たちの間を縫って進み来る、威厳(いげん)を持った女性と少女で理解できた。


「チェロルとベイミィですね。此度(こたび)は娘のアリアが粗相をしでかした聞き及んで、礼を欠く訳にも行かず(わたくし)自ら駆けつけた次第です。大変でしたね」

「め、滅相も御座(ござ)いません」

「チェロル気をしっかり! 倒れちゃ駄目!」



 ベイミィは何とか返事を返せたがチェロルはベイミィの後ろで、フラフラと意識を失いかけてティロットに抱えられている状態だ。

 タリス陛下は()の件を利用して、息抜きに来たと予想するのは邪推だろうか。



---

修正記録 2017-04-08 09:20


「、()の2つ」追加


恐悦至極に(いた)(そうろう)。 → 恐悦の(いた)りに(そうろう)


色々()(ため)()だ → 色々と()(ため)に、()


句読点とルビを追加

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