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アリアは知らない  作者: taru
四章 リーシャ編
53/345

34自由奔放

「石灰石は気力の充填(じゅうてん)()まり御業で制御していない状態だと少し(もろ)いので気をつけてね。まあ壊れても時間を掛ければ作り直せるし、多孔型(たこうがた)の利点に連鎖破壊の影響が少ないってのもあるから、気にしすぎちゃダメよ」

「はいっ、お姉様!」

「はい、では石灰石板を浮かせてみて、うん、カルラは板の奥側に廻って、エミリアとメアリーは左右を補助してね。はい、乗ってみて」

「はいっ、ん、乗れました! それ(ほど)、揺れませんわ!」

「支えているのが自分自身ですから、気力の強化がより大きくなるのよ。では私の目線(くらい)まで石灰石板を上げてみて」

「うわっ、浮き上がっていますわ! ()れさえ()れば(わたくし)でも飛べるのですね」

「ええ、そう言えば一昨年(おととし)でしたかしら、ちゃんと報告は受けていますよ。自身を含めて100kg以上の石灰石で空を飛んでいれば(しか)られて当然ですわね」

()(けん)()いては反省しております。自分(ばか)りか他の方々も危険に(さら)す、お母様の昔話をたっぷり聞かされましたわ」

「ええ、そうね……では皆さん飛翔板を用意して一緒に上がりますわよ。メアリーはテリシアの下5mを維持してね」

「姫様、高く飛ばれるのでした護衛を増やして(いただ)きたいのですが……」

(わか)りました。ラクスと……丁度よくリーシャ様4人組が降りて会話中の様子ですわね。マギーさんにもメルペイクちゃんを連れて飛んで(もら)えば威圧(いあつ)牽制(けんせい)としては十分ですわね」


 アリアはエミリアの目を見ながら話すと、()れであれば大丈夫ですと表情が変わったのを確認して、結論付ける。ならば早速に声を掛けて(もら)おうとアリアはメアリーを見()ると。


「お姉様、()の方たちが近くに居るのでしたら、【念話】を使って連絡(いた)しますわ。何方(どちら)の方々ですか?」

「では頼みますわ。彼方(あちら)で二本の長刀を振るいながら、宴会芸の(ごと)く曲技飛翔の訓練を行っている者と、此方(こちら)の5人……中央で長刀を抱えてニヤ……笑みを浮かべている方が見えますよね。あの集団ですわ」

「宴会芸とニヤケ顔……はい、確認しました」

「た、他意は無いのよ。では、私の伝言として一斉(いっせい)に伝えて(もら)えるかしら。ラクス様、リーシャ様、ベイミィ様、チェロル様、ティロット様、マギーさん、貴女たちに護衛をして(もら)いたいのよ。()れから上空で飛翔訓練を行いますから、マギーさんはメルペイクちゃんと飛翔機に乗って上空に待機、他の方々は私達の周りで警護(けいご)を固めて欲しいのですわ」

「了解(いた)しましたと皆様から返事を(もら)えましたわ」

()れでは、皆様が準備できる(まで)、軽く説明(いた)しますわね。飛翔板は大気に乗る事で、揚力(ようりょく)を得て御業で維持していた上昇力を幾分、時には(ほとん)どを(にな)ってくれます。()れに()って気力の消費を節減し、継続飛行距離を伸ばしてくれるのですわ。ってこんな所でウトウトしないで!」

「はっ! お姉様のお話し一分(いちぶ)も逃さずお()(いた)しますわ」

「テリシアの場合は体で覚えた方が(よろ)しいようですわね。あらメルペイクちゃんもう連れて来てくれたの? 早かったわね」

「【念話】の使える距離(まで)飛翔板で迎えに行きました(ゆえ)

「ではマギーさん、先に上空で待機しておいて(もら)えるかしら」

「了解(いた)しました」


 天空の高きに広げた翼を雄大に誇る飛翔機が見守る中、6人の護衛に囲まれてテリシアの飛翔訓練が行われていた。


「チェロル様は何を()されていますのでしょうか?」

「み、水の粒系因子で光の屈折? リーファ教導官が言ってたやつね! ()れを変えて両殿下が下から見えないように調整してるんだよ!」

「……()れは大変助かります。では、テリシア始めますよ」

「はいっ、お姉様! 結構、風で飛翔板が(あお)られるのですね」

「はい、()の風を揚力に利用するのですわ。飛翔板で風を受けやすい角度にして、御業は姿勢と安定維持だけに使う感じですわね。ティロット様、今日のリーシャ様は長刀を見る(たび)にニマニマされているのですが、何かありましのでしょうか?」

「今日はリーシャ様念願の【武技】御業が発現しまして、()()()けが長刀を大切に(あつか)った御蔭(おかげ)だとか」

「……其れは喜ばしい事ですわ。飛翔板の浮き上がりを感じますでしょう。次は姿勢の維持を体で行い重心を崩さないように心がけるのですわ。無理はせず重心が崩れたら御業で持ち直してね」

「体で重心を取るのは難しいですわね。よっ、はっ」

「ゆっくり時間を掛けて慣れていきましょう。ところでチェロル様、飛翔機を御業無しで離着陸させる方法として何か見解や着想はありませんでしょうか?」

「うひぃ……、んー車輪を付けて空気推進機で陸上を移動することで翼に揚力(ようりょく)を与えて飛べないかな? 後は空気推進機を2つ追加して上昇に使い、既存の推進用と合わせて推進できるよう可動式にするとかかな」

()の車輪付飛翔機の着想は中々現実的ですわ。離着陸の広場が必要になりますが、些細なことですわね。()()う、丁度良いことに私の所に空気推進機が2機ありますのよ。是非(ぜひ)とも()の自由奔放な着想に利用して欲しいですわ。私の掌握圏内で隠れても無駄ですわよ……」

「ヒッ!」

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