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アリアは知らない  作者: taru
四章 リーシャ編
190/345

171順調

前話170ですが、8/18-9時に書き忘れていた内容を追記しております。

「うん、じゃあ()の島亀の件は動き次第で判断しましょう! 感の良い物なら【慧眼(けいがん)】の微量な気力照射すら気付きますし、おいそれと此処(ここ)を知るものを増やす訳にも行きませんからねー。3人は戻った(ばか)りだし隣の部屋で休憩して()りなさい」


「はっ、御意(ぎょい)御座(ござ)ります」×3


「では、推進機関の稼働を開始(いた)します」


 リーファ様の言葉と共に、両側の腹鰭(はらびれ)手前に()る穴3つずつが、勢い良く水を吸い込み始めた。

 水は3つの穴から吸い込まれた(のち)に、一箇所に圧力を掛けつつ集められ反発魔石で瞬時に後ろへと吐き出されて()く。


「控え目の出力にした積もりでしたが、矢張(やは)り極端に強く押し進められ(いた)しますね」


()れで控えめですかー。未熟な騎士だったら蹈鞴(たたら)を踏んで()(ところ)でしたね!」


「ええ、ですから(しっか)りと出力(つま)まみには調整をして(もら)います。では潜行を開始し(いた)します」


 リーファ様の操舵(そうだ)()って潜舵(せんだ)胸鰭(むなびれ))と横舵(おうだ)腹鰭(はらびれ))を俯角(ふかく)に調整しつつ、前進する事で潜泳機の水平を保ち(なが)ら徐々に沈み始める。


「リーファ様、発音装置を鳴らして周囲の地形状況を確認します」


「あらー、()のぴんぴんと鳴らして()りました器具ですね! 一寸(ちょっと)気になって()りましたよー」


「許可する。ええ、視界の悪い水中でも音の反響を()き取って精査・分析すれば、周囲の地形を把握する事ができるのではないかと()うベイミィの着想から、開発が始まりラクスの提案で実現した発音装置ですね」


「ぴぃぃぃん」


「うん、ベイミィちゃんも中々()るわね! 改良された最新の気灯を使って()るとは()え、視野が狭い上に水が濁るだけで潜航不能と()るから、新たな周囲の認識方法を確立する事は価値が大きいわよー」


「ベイミィ顔が若気(にやけ)てる! ヒィッ!」


 緊張が解けたのかチェロルが後ろを覗き見て()(よう)だが、後が怖そうである。

 勿論(もちろん)、真剣に音を精査して()(ところ)なので、チェロルを睨み付けた顔は可也(かなり)の迫力が()った(よう)である。


「……はい、それから、ラクス(いわ)く特定の音だけを出す魔石は安価で大量に手に入ると、()れを()いたリルミールが楽器を作る提案をしてイザベラが大いに感銘の意を伝えて()りました」


「あらー、確かにアリアが()いたら喜びそうな話ね! 皆、優秀だよー。じゃあイザベラの事だから早速魔石を集めて送る手配をしてそうね!」


(ああ)、イザベラなら既に手配して()りそうな気がして()ました。制作は矢張(やは)りラクスが中心と()れば、音関係の調整は(なん)とか()るかと存じますし、()れもあっと言う間に作り上げそうで御座(ござ)いますね」


「ふふ、優秀なのは良いことだよー」


「左右共に約50m先に壁を確認、前方約80m先に広い範囲に(わた)って壁を確認。絵図と整合しました。そろそろ90度左に旋回を提案(いた)します」


「うん、ハンナからも大体同じ内容で連絡が来たよー」


 本来は中央の部屋に居るマギーが、先行部隊のハンナ様と常に【念話】を(つな)がなくては()らないのだ。

 けれど、タリス皇帝陛下が聴音器具の使用確認や()の打ち合わせ、そして一番重要なお(しゃべ)り相手の確保をする(ため)に、連絡要員を引き受けていらせられるのである。


「=前方約70m先に壁を視認。航路は予定通り左舷旋回をお願いします=」


「了解、取り(かじ)一杯(いっぱい)此処(ここ)から先は少し狭い場所を通るので、速度を緩めます」


()る程ー、ベイミィちゃんの【器用繊細】を合わせ(もっ)て反響音の精査・分析を(おこな)い全方位の地形や状況を把握、【強眼】を持つハンナの先行部隊に()り航路と安全を確認、中央の窓からリーシャちゃんの【遠目】を(もっ)て監視報告、そして最後は自分の目で見て最終判断を行い操舵(そうだ)かー。自信を(もっ)て私が搭乗する事を認める(はず)よねー。答え合わせもできた事だしどうやら、音の地形把握は成功したみたいだね!」


「はい、ハンナ様やアリア殿下の部隊が水上を滑走する音でも、(おぼろ)(なが)ら把握して()りました。ですが、矢張(やは)り自らを中心として(しっか)りとした音を出すと、認識精度が格段に上がり遠く(まで)認識範囲が広がりまして御座(ござ)いまする」


「うんうん、推進機関も水中音声蒐集(しゅうしゅう)機も発音装置も更には聴音器具も、全て(よろ)しい結果が出て順調だねー。(ちな)みに水底(みなそこ)(まで)()のくらいかな?」


()の辺りは少し浅い(よう)で、水深約10m水底(すいてい)(まで)約20mから15mで御座(ござ)いまする」


「リーファ、ゆっくりで良いから水底(みなそこ)を確認しに行く事はできるかなー?」


(おお)せと()らば水底(みなそこ)(まで)潜る事は問題御座(ござ)いません。今回は陛下が御搭乗遊ばされましたから、後日にと取り止めて()りました。ですが、低深度の耐久確認など、水底(みなそこ)に近付いて確認する事は、(いず)()らなければ()らないものの一つに御座(ござ)います」


「うんうん、では水底(みなそこ)()きましょう!」



---

修正記録 2017-08-19 09:22


幾つかのルビを追加


大分 → 極端に


ベイミィ着想から → ベイミィの着想から


「うん、ベイミィちゃんも中々()るわね!」追加


それか、 → それから、


皆、優秀ねー。 → あらー、確かにアリアが()いたら喜びそうな話ね! 皆、優秀だよー。


「ふふ、優秀なのは良いことだよー」追加


「絵図と整合しました。」追加


句読点を追加


()る程ー、ベイミィちゃんの【器用繊細】を合わせ(もっ)て反響音の精査・分析を(おこな)い全方位の地形や状況を把握、【強眼】を持つハンナの先行部隊に()り航路と安全を確認、中央の窓からリーシャちゃんの【遠目】を(もっ)て監視報告、そして最後は自分の目で見て最終判断を行い操舵(そうだ)かー。自信を(もっ)て私が搭乗する事を認める(はず)よねー。答え合わせもできた事だし」追加

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