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アリアは知らない  作者: taru
三章
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06理不尽光線

 前話のミス大幅修正と面倒な戦闘回にすっかり心が折れてフラストレーションが溜まりまくっていたようです。

 反省はしていません。




---

『ラッデカイツ隊が間もなく観測阻害地帯へ接触との報告……、

 本陣との連絡が途絶しました!

 監視からの至急報告。本陣周囲へ急速に観測阻害地帯が広がっています』


『至急、岩橋を架けるよう通達しなさい!

 (つい)で指揮権を規定によりバイハイザ准将へ委譲すると通達しなさい。

 配信、中継はルシュバーン隊が請け負います』


 偵察部隊の指揮官であるルシュバーン中尉は慌てていた。アワーディアル中将の居る本陣との連絡が取れなくなったのだ。


《展開が早すぎます。これはわざと拮抗した戦いを演じていた可能性があります……》

---


 アリアは粛々と機会を待っていた。最初から手口を見せても対抗する力があれば破られ時間を掛ければ対策を取られる。だから相手の戦力を見定め力があれば潰し削り塞いだ。

 目下の所、一番危惧した大気系の御業使いの存在であったが、随時(ずいじ)攻撃を仕掛け完全に抑えている。

 【火】の御業持ちはこの陣地には居ないと判断して良いだろう。



 それは、緻密に制御された気力の線だった。ただ大気を介し薄く広げ全体を覆うだけである。消費効率も良く負担も少ない。といってもこれだけ魔気の(あふ)れた魔窟の中であれば【魔練】で循環できるのだが。

 この制御された大気の薄い層で覆われたことで、骨兵本陣は完全に孤立した。監視の目も【遠話】の伝達も全て遮断されている。


 アリアは全てが覆い隠されたの確認すると、光兵と自分を宙に飛ばした。

『はい、飛べました。びっくりです。そして水平方向に警戒し盾や物陰に身を隠す【念話】拡散連絡員や隊長格の優先対象たち、全て念話の繋がりを追って捕捉していましたよ。

 勿論、【窒素】と【音】の御業持ちもです。残念ながら中将閣下さんたちは司令部壕とやらに閉じこもっているようですので、後回しにしますわ』


 縦穴の落石があった時に既に飛んでいるのだが……まあ驚きが多くて忘れているのだろう。

 アリア(模)から理不尽光線……もとい聖光が放たれていく。光は放った時点で(すで)に存在しているのだから気力の防壁は意味を()さない。光の速さは気づいた時にはもう遅い。


「[聖光よ在れ、そを射抜け]」×2


 一応、用心の為に大気の支配圏から位置を移動しつつ狙撃していく。


『臆病者で何が悪いのでしょう。蛮勇を誇って良いのは次が無い時だけですわ。いや死んでますけどね。』


 流石に聖光を全面に出して戦うのは不味い。【聖】の御業持ちと宣伝し対策を取られたり、あの薄紫の不気味な珊瑚みたいな魔窟から漏れる聖光が自分と関わりあると疑われては困る。


 【念話】持ちや隊長格、あっ、勿論【音】と【窒素】も粗方は狙撃し終わったかと判断し、次は派手に【砂】の御業を使おうと考え始めた(ところ)、またしてもそれは起きた。


 不気味な珊瑚が「びくり」とわずかに動いた。ひび割れ部分が(さら)に崩れ始め聖光が漏れる。天井や大地が(きし)むように地響きを立てる。

 そして落石が始まった。骨兵たちが右往左往して戸惑っている。誰かが指揮系統を潰していたせいだろう。司令部壕が良い仕事をしている。などと考えていると紫の不気味な珊瑚から聖光が消えたことに気付いた。


『えっ、ええーっ!』


 その時、アリアの繋がりを阻害していた何かが無くなった。無くなって初めて阻害されていたと実感できた。そう感じた瞬間に視界がぶれた。


『洞窟の……上階でしょうか?』


 骨兵がガラガラと崩れた。聖光によって灰となる。


『私の……ん、私?』


 アリアの体が足下に横たわっている。と認識すると幽体が引き込まれそうになる。だが不味い。明らかに息をしていない。というか、まだ【空間収納】の中だった。


『急いで救命処置をしなくては……ですよね?』


 半信半疑だった。心肺停止から刻々と蘇生困難になると学んだ。だが聖光がまだ輝いている。諦めきれなかった。


『先ずは気道の確保!』


 と【念動】で首をわずかに持ち上げ顎を立てる。


『次に呼吸の確認は飛ばして人工呼吸!』


 口を開けさせゆっくりと大気を送る。胸が膨らむ。


『そして胸骨圧迫は剣を差し込む位置の真ん中!』


『姫様っ! 姫様っ何処にいらっしゃるのですか?』


 【念動】で慎重に胸部を垂直に押す。アリアが集中して【念動】を操作しているときに何やら呼びかけがある。圧迫する力を丁度良い加減に調整しつつ人工呼吸と胸骨圧迫を継続する。


 そういえば私は離れたままで良いのか? と疑問に思い【空間収納】の入り口を開けたところでまた【念話】の呼びかけがある。


『姫様っ、』

『ここは洞窟ですが場所はわかりませんわ。ん、【音感】で少し声が聞こえます』

『大きな揺れの後にラエルが姫様を近くに感じると叫んだもので【念話】を試しました。手分けして今すぐそこに向かいます』

『いえ、此方から指示を出します。そちらじゃないですわ。戻って横の道をまっすぐです』


 とりあえず外に出ようとふよふよ漂いだすと【音感】ではっきりと聞き取った。「トクン」と。そして「すーはー」と自立呼吸が始まった。『よし!』と気を抜いた瞬間、体に幽体が吸い込まれた。


---


 目を開けると丁度ラエル、メアリー、エミリア、タリア、次々と親衛隊の皆顔が見えてくる。

 ああ懐かしい。どんなに逢いたかったか。胸が苦しいほどこみ上げてくる。

 アリアは強く張っていた気概(きがい)がポロリと折れた。涙がこぼれ落ちる。かっこ悪いとか恥ずかしいとか一切考えられない。ただただ泣くに任せた。


「うあ、あああーん」


 ラエルがそっと横に座り優しく抱きしめる。頬には一滴涙が流れるがやさしい笑顔だった。メアリー真っ赤な顔をしてぽろぽろ涙を流しながら飾り布でアリアの世話をしようとあたふたしている


「姫様……よくぞご無事で」

---





 人は心肺停止から3分間ほど意識が残っているという話がありますね。

 5分以降から大幅に蘇生確率が低下していくそうです。

 今回は理不尽光線……ではなく聖光によって細胞が常に生かされていたというファンタジーを演出してみました。


 次々回以降ぐらいから全体の書式・用語統一のため休載を予定しております。



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修正記録 2017-02-23 23:24



観測不可地帯 → 観測阻害地帯


幾つかの改行追加


アワーディアル中将の思考部分を《》で括る 微妙だな……


言霊の詠唱は「[]」で統一



【念話】持ちや隊長格を粗方は狙撃し終わったかと

【念話】持ちや隊長格、あっ、勿論【音】と【窒素】も粗方は狙撃し終わったかと判断し


「大きな揺れの後に」追加

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17話の修正と1、2話を再修正したところ19話合わせて50000文字を超えていました。

修正に3000文字ぐらい増やしたって事でしょうか。あっルビもあるのか。


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