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アリアは知らない  作者: taru
四章 リーシャ編
120/345

101裏での事

 執筆用で雑多に参考描きした資料の一部を抜粋し潜泳機関係と合わせて、少し清書してから載せました。

 雑ですが参考までに。


http://ncode.syosetu.com/n9385dv/5/

 潜泳機の室内は新式中型気灯に()って昼間の様に明るく照らされて()る。先程まで行われて()た打合せが(ようや)く終わったのか、前方部の部屋から次々とアリア殿下の近衛騎士様方が出て()る。

 ()れなりに空間が()ったとは言え、()の人数を収容して()たと思うと溜息が出そうに()るが、無駄に装備を着用した状態でも()の部屋に9人が入って、誰一人として途中退出しなかったのだから、苦言を呈する人も()なかったのだろう。

 ミーア様は()(まま)、リーシャの居る中央の部屋を通り過ぎて、後方部に()る外へと繋がる扉に向かう様である。前方部の部屋にも天井扉が付いて()(はず)だが、アリア殿下の上を()る事を極力避けて()るのか、それとも外へ出る(つい)でに後方部まで見回りを兼ねて通ったのか、まあ両方なのだろう。

 侍女のメアリーが何時(いつ)の間にかお茶台一式を何処(どこ)ぞから持ち出して()て、(いや)、まあ、【瞬間転送】の御業なのだろうが、リーシャはものを送る以外は見た事が無かった(ため)(いささ)か驚きを隠さない様子である。


「リーシャ様、お茶をどうぞ」


「あ、(おそ)れ入ります。あっ、先にアリア殿下の方に御出し()されないのですか?」


彼方(あちら)の部屋は言わば司令室や制御室に当たりますから、おいそれと中に入るのは(はばか)れます。()れに今から出発と相成(あいな)矢先(やさき)に、お茶を濁すというのも無粋(ぶすい)ぶすいかと」


「ああ、確かに……」


此方(こちら)で待機する騎士はリーファ様(いわ)木偶(でく)と変わらぬだそうだよ。まあ確かに余程の奇想天外が起こらない限り、ああ、感謝(いた)します。限り()ず出番は無いでしょうね。此処(ここ)で食い止めるより彼方(あちら)が直接襲われるか()しくは問題が発生する方が先だと思いますよ」


 メアリーからお茶を(もら)いつつ、()の様な話をするのはイザベラ様である。扉の警護役を仰せ付かったのか、扉の前から一歩も動こうとはしない。(いや)()えて()の役を任されたのは意味が()ると、存外にも語って()るのかも知れない。

 イザベラ様は【念話】の御業を持ち()れを(もっ)て隊を潤滑に動かす事を得意とする。【念話】で外から警護するミーア様や扉越しに居る操舵室のエミリア様との連携を(はか)る事に専念して()れと、()う、木偶と言いつつ実は重要な役を仰せ付かって()るという(ところ)だろうか。

 では、何故(なぜ)()の様な微妙な表現をする必要が()ったのだろうか。


「よっ、お邪魔しますわよ」


「はい、意外と()の座席は大きいですから半分座ります?」


「あら、悪いわね。って、貴女(あなた)()だ小さいだけじゃなくて? まあ、有難(ありがと)御座(ござ)います。あ、お茶は此方(こちら)(いただ)きますわ」


 操舵席の後ろに()る鉄棒でできた梯子(はしご)()じ登って()たのは、暇を飽かして()ますと()わん(ばか)りのラクス様である。自分のことを棚に上げては()るがリーシャと1歳しか変わらぬ(はず)であり、行動が物語って()る気もするが本人はもう立派な淑女(しゅくじょ)の積りなのだろうか。

 本来、彼女程の適性であればベイミィの代わりに水中音声蒐集(しゅうしゅう)機の席を言い渡されて()ただろうが、基本部外者であるから()れは無い。(ただ)、アリア殿下は乗せるだけでも意味が()ると判断()されたのであろう。


「うわあ、此方(こちら)も面白そうな絡繰(からく)りが沢山付いて()るのですわね。(しか)(しっか)りとお茶置き専用と(おぼ)しき(へこ)みが()るのですわ。一寸(ちょっと)感動しましたよ」


「はい、此処(ここ)では監視や見張り番をする(ため)に単独で全てが操作できるよう、操舵(そうだ)や計器類を集めて()ますのです。場合に()っては()の上の一角だけを水面上に残して、潜泳や停止する事も()りますので、長い間動かずに周囲の監視を続ける必要を()いられる場所と()う話です。ですからリーファ様が、()れなりの環境を整えて()らないと辛いと(おっしゃ)られて色々付けて()るんですよ」


()る程ね! 此処(ここ)は少し閉鎖された環境ですから視界だけでも見渡せる()の場所は、私としては好きですよ」


「地底湖で無ければという前提が付くと思いますけど……」


「=前方部操舵室より連絡。()れより潜泳機の試乗を開始する。注意するように=」


「わっ! リーファ様の声が()こえたわよ!」


「はい、此処(ここ)(くだ)を伝って声を通して()るのです。反対に声を伝える方は此方(こちら)(ふた)を回して開けてから(しゃべ)り掛ける感じですね。()し壁などに穴が空いて浸水した時に、()の区画部屋を放棄して別の部屋へ移動しても蓋をして()れば、其処(そこ)を通って浸水する事は無いという仕掛けですね」


「あら! 流石はチェロルですわ。 用心深いと言いますか抜け目ないと言いますか、()(かく)隅々まで洗練して考えられて()りますのね」


「=えへへ=」


「=()の微妙な表現も純粋に褒め言葉として昇華できる貴女(チェロル)には敬服(いた)しますわ!=」


「……」


「あっ! 蓋は閉めて()きますね」



---

修正記録 2017-06-07 06:43


前書きが余りにも自分語だったので文字を追加・修正


ルビを追加


「自分のことを棚に上げては()るがリーシャと1歳しか変わらぬ(はず)であり、行動が物語って()る気もするが本人はもう立派な淑女(しゅくじょ)の積りなのだろうか。」追加


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