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アリアは知らない  作者: taru
四章 リーシャ編
104/345

85自由気ままに

 目下の(ところ)、リーファ様は思い思いに散らばって()た近衛騎士たちや派出所の皆を集めて、新たに発覚した魔落魚たちの習性らしき行動に()いて注意勧告を行って()る。

 チェロル? 勿論、リーシャがマギーとティロットを伴い捜索に出掛けた結果、【遠見】で北東の方角を見遣(みや)れば地底湖を自由気(まま)に飛び回る光源を見付け出し保護者として(しっか)り一緒に居たマリオン先生と共に連れて戻ったのだ。


(しか)し、早い内に知れて助かりました事です。下手に皇族の御方々(おかたがた)此処(ここ)のことが知れて仕舞(しま)いますと、中には()の地底湖を見学したいと(のたま)御方(おかた)も居るやも知れません。襲われでもして()の後に()の話が発覚したら色々ややこしい事に()って()ました」


「……ハンナ様、()の様な()()そうな話しを()さると本当に起きて仕舞(しま)われますのが、世の常と()いますか(なん)と言うか()(かく)()の様な事が()れば責任持って御任(おまか)せします」


「……ええ、リーファ様、確かに()ういった事は多々()りますね。()う、タリス皇帝陛下であれば()き付けると間違いなく()んで()ますね。本当の意味で。ああ! ですがタリス皇帝陛下ですと間違いなくリーファ様が担当と()るでしょう。()の時は御任(おまか)せします」


 小粋(こいき)な大人の冗句(冗談)和気藹々(わきあいあい)と交わし(なが)ら話しは進む。中々奥が深いというものだ。


「……()れは流石に(つつし)んで(いただ)きたいが、()れは扨措(さてお)き、今後の巡回方針何だが一応今(まで)通り着水にて水面を滑走し音や波紋に反応して襲って()る魔落魚を減らして()こうと考えて()(ところ)だ」


一寸(ちょっと)不敬でしたね。ええ、()の方針で(よろ)しいかと存じます。当面は()の作業場周りや聖堂へ通じる順路を中心として()ても、バルパルや()の巨大な魔落魚が巡回し減らして()るので問題無いでしょう」


「では()の様に、ああ、リーシャ、メイリア神官長殿への教示は()の後、()の様な予定に()って()るのだ?」


「はい、私が出掛けて()る間や今も水路で進路変更や制動、波の(こな)し方を練習(いただ)いて()る様ですので、休憩を(はさ)んだ(のち)に地底湖に出て広い場での水上滑走訓練と派出所の敷地上空で飛翔(ひしょう)訓練を行う予定にして()ります」


(わか)った。では()の予定で私とマギーさんが付いて()こう。チェロルは潜泳機(せんえいき)の整備、機材取付けだったね。ではマリオン、ベイミィ、ティロットが補助と支援をして()って(くれ)


「了解」×6


()すれば、我々は()れで御暇(おいとま)しましょう」


「ああ、手伝い感謝する。だが新型の懐中気灯は施設に返して()いて()れな。どうせ此方(こちら)でしか使わないのだろ」


「いえ、皇太后陛下の御座(おわ)す所を守りたるのに必要と、()れを持ちて訴えたる所存です。ええ」


「ああ、文官に申請するのに使いたいのは分かるが、()れは一応アリア殿下からチェロルへ下賜(かし)されたものなのだがな」


「……ええ、()れも()うですね」


「ってそんな悲しそうな顔をされても困るのだが、チェロル、申請が下りてルトアニアから入荷する(まで)の間、ハンナ様に貸して(いただ)いても(よろ)しいかな? 御業と凄く相性が良いらしくてな」


「うん! ()いよ! 役立つ事が何よりだよ! ヒッ! ふぎゅっ」


 勿論、ハンナ様にに抱き締められて窒息しそうな悲しい悲鳴である。


「チェロル、心から感謝を(いた)します!」


「大げさな……と言うか胸で圧迫されて苦しそうだぞ」


--


「はい、水上滑走は十分な習熟を確認できたので()の位にして、少し大きな波も体験して()きましょう」


「ぴゃぁあ」


「うん、楽しいよね。私も久し振りに(はしゃ)いで()る気がするのよ」


「リーファ様、マギー、波を強く出すから気を付けて下さいねー!」


「――ああ、自由に()って(くれ)――」


「では、此方(こちら)から彼方(あちら)へ向かって()く大波を(つく)りますので、()ずは波に対して飛翔板を垂直に向けて(いただ)けますか。先っぽが切れて()る方が後ろですからバルパルは反対ですね」


「びゃあ」


「波が来たら後ろが持ち上がりますが少し沈める様な重心配分で押され(なが)ら波に乗り滑らして、越えず落ちずの間で板を操作(いた)します。波の勢いが付いて()けば安定(いた)しますので、横を向いたり切り替えして()たりして波での移動を試みて(いただ)けますか」


「はい、何時(いつ)でもどうぞ」


「では早速、よっ」


 波が3m程上がると()(まま)高さを維持してぐぐぐと向かって()る。中々の迫力である。

 波に乗り下に落ちる手前で維持して()ると速度が増して()き飛翔板は確かに安定する。多少の失敗ぐらいなら御業で補正して立ち直れるから、初めて(なが)らに無茶をしても平気である。

 左右に切返したり波先で飛び跳ねたりとリーシャも好き勝手して()る様だ。


()れ凄く楽しいね。もう一度お願い!」


「ぴゃあぴゃあ」


「はい、次は戻る波を(つく)(いた)しますね」


 其処(そこ)石祠(せきし)の階段から300m程北東に来ていた。前回、潜泳機で来た位置ぐらいだろうか。再び波を(つく)り帰る(ため)に南西方角へと波を押し流す。

 先程と同じように波に乗りメイリア神官長もバルパルもご機嫌さんだ。リーシャも楽しくて回転業を披露する。

 だから、()の存在に気付かなかった。

 何時(いつ)の間にか波は5m近くなり天井(すれ)(すれ)れに達し下は3m程(えぐ)れ8m近く()って()た。

 流石に此処(ここ)(まで)近付けば皆気付く。

 ()れは波の中央付近から顔を出す。

 ()の巨大な魚の魔落である。



---

修正記録 2017-05-22 06:45


(ただ) → 今目下の(ところ)


個々 → 思い思い


伴って → 伴い


出て → 出掛けた結果


来 → 戻っ


事ですよ。 → 事です。


御方々 → 御旁(おかたがた)


幾つかの平仮名を漢字に変更


幾つかのルビ追加


後ろを → 後ろが持ち上がりますが


(まま)の → (まま)


安定する → 確かに安定する


初めてで無茶を → 、初めて(なが)らに無茶を


(つく)りますね → (つく)(いた)しますね


進める → 流す


「メイリア神官長も」追加


()の → だから、()

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