表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アリアは知らない  作者: taru
四章 リーシャ編
100/345

81潜泳機だそうだ

(しか)し随分と貴重な機材を入手したものですね。先程の作業場に()いての言い回しからして、矢張(やは)彼処(あそこ)に置かれて()飛翔機(ひしょうき)とも(また)違うらしき機体に使うと()う事ですか?」


「ええ、流石に此処(ここ)では目立ち過ぎましたね。まあ、地底湖を管理する立場に()()二方には、知って(いただ)いた方が(よろ)しいのでしょう」


「ええ、()かせて()いましょう」

「はい、()きます」


()の作業場に()る金属でできた大きな魚の玩具(おもちゃ)の様な物体、()れは水中を()れずに(もぐ)り息継ぎを可能とし高速に移動する事を目的とした乗り物、要するに飛翔機の水中版と言った(ところ)でしょうか。ですから()の秘匿度合いも飛翔機開発時と同等かと存じます」


()れ程重要なものと()()るのですか? 言っては何ですが正直な(ところ)()の飛翔機に比べると恐ろしさも利便性も感じ取れないのですが」


「ふむ、宮殿の庭に()る大きな池の中へ人の入った箱を沈め、水の中から魚を見て楽しめる程度にしか見做(みな)して()ませんか? まあ(つく)った本人も多分()の程度でしょうが。――(しか)も大喜びで――」


「ええ、()うですね」


「はい、(とて)も楽しそうですよね。バルパルが水中で泳いで()(ところ)を見れるのですよね」

「ぴゃあぁ」


「……()(つく)り始めた(ばか)りですので用途や性能といったものは()れから次第なのですが、事、()の地底湖に(おい)ては重要な位置を占めるのです。()ず、此処(ここ)の作業場周辺しか確認はして無いのですが、何箇所か我々【水】持ちでも感知できない深さの水域が()ると判明して()ます。私で言えば40m程でしょうか水質に()っても変わります」


()ういった場所に何か(ひそ)んで()ると(ある)いは感知でき無い深さを利用して隠されて()るものが()ると()う事ですか?」


「……いえ、其処迄(そこまで)は想定して()ません。態々(わざわざ)隠れて()るものを追い立てたり埋蔵金の(ごと)きものを探したりする目的では……ああ、皇太后陛下の依頼でもあるのだから一応確認して御報告する必要が()るのか」


「まあ、()()う事ですね」


()れは()れとして先程も申しました様に探査不可能な領域が()れば、其処(そこ)(もぐ)る事ができ(あまつさ)え目的域に近付く事で(おこな)える御業が増えるのです」


「ふふ、自分がつい一刻(約2時間)も経たぬ前に()って()た事でしたね。チェロルさんが可能とした今(まで)不可能だった領域への到達する技術である飛翔機。()れを利用して日々新しく開発された技術や戦術が報告されて()ます。()の水中移動機も(また)()ういった未発見の利用価値が十分に()ると()う訳ですね」


「あー、まあ、名称は潜泳機(せんえいき)だそうだ。後で頼む積もりだったのですがハンナ様には、()の潜泳機の有用利用や戦術利用を考えて(いただ)きたいのです。何せ秘匿案件なもので知恵を借りる宛が少ない。ああ、勿論、海洋や湖、河川も想定してです。水没した紛失物の捜査や引揚げ案については報告に入れさせて(いただ)きます」


「成る程、大方アリア殿下の依頼でしょうね。分かりました、()の件は考えておきます。リーファ様も色々と大変そうですね。()れで後でと()うのであれば()だ話しは()るのですね」


「ええ、先程の続きに()りますが()の地底湖に(おい)ては潜泳機が重要な役割を果たすのです。チェロル(いわ)く、()の地底湖は場所に()って必ずしも空から行けるとは限らないと。まあ、要するに水上に隙間が無い場所も()るのではと()う想定で、実際に飛鼠(ひそ)蝙蝠(こうもり))の(たぐい)も見かけないので十中八九間違い無いでしょうね」


「ああ、()われてみれば()うですね。確かに皇后陛下から拝命(つかまつ)った石祠(せきし)調査の件は潜泳機が無ければ途中で頓挫したでしょう。此方(こちら)()れに頼る事に()るでしょう」


「メイリア神官長殿は御存知でした様ですね」


「はい、一応は此処(ここ)に長年務めて()るもので……何となくは予想程度ですが」


--


 壁を「コンコン」と叩く音と共にリーシャがそうっと顔を出した。休憩室に居る3人の目が集中する。上官の集まる談義の場程、入り(にく)いものは中々無い。


「あっ、失礼(いた)します。メイリア神官長殿に飛翔板の御教示(いた)したく参りました」


「ぴやゃぁ」


「はいはい、ってバルパルも習いたいの?」


「え?」×3



---

云々(うんぬん)の文は分かり(にく)く感じたので変更しました。

修正記録 2017-05-18 09:45


ルビを追加 ()る (いわ)


池の中へ大きな箱で入って沈め → 大きな池の中へ人の入った箱を沈め


「何となくは予想程度ですが」追加

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ