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白銀のホフンティアψ  作者: 54
暗い雨上がりの章
10/15

第九話 煉獄の試練

「あーあ、やってしまいましたか」


 その喋り方が妙にハイライアに似ていたので、わたしは槍を持つ手を握りなおした。


 ……気がついたら、絵の具でも飛散させたかのような光景が広がっていた。目の前には、人の体がひとつ、横たわっていた。


「……簡単な言葉に騙された、あなたの負けです」

「……嘘だったというのか」

「見抜けなかったんですか?」

「…………何だと?」


 こいつはわたしを馬鹿にして遊んでいる。


「そこまでするつもりはなかったのでしょう?」

「……当たり前だ。……一切の感情がなかった」

「彼の望みどおりになったんですよ」

「わたしのせいか? わたしが、こいつのプライドを傷つけたのか?」

「ええ」

「もしわたしが、勝手な判断をしていなければ、あるいは」

「無駄ですよ。いくら宝玉の加護があるとはいえ、条件が悪すぎます。彼を死から救うことはできませんでした」

「じゃあ、どうすれば良かった?」

「……理性を保つこと」

「全て、わたしが悪いのか」

「…………ええ」


 わたしがゼールさんの生命を奪った。ただそれだけのことなのだ。ただそれだけのことをした。わたしは、ただそれだけの存在なのだ。ここにいる理由すら、誰にも説明されないまま。自分でも説明できないまま。他と違った特別な理由などない。一人の人間としてここに立っているだけで、その役割は足元を這っている虫けらとなんら変わりない。地球人という種族を存続させるための何十億分の一でしかないのだ。その何十億分の一が、別の何十億分の一を消した。その存在は不要なものだったのか? いいや、生物というもの自体が不要なのだ。世界が、いいや、全宇宙が活動する上で、必要なものでは決してない。おまけである。地球上の全生物の内のひとつであるわたしは、限りなく小さい命だ。ただそれだけの価値しかない。


「わたしにはもう、生きている資格などない」

「……今あなたには、何が見えますか?」

「何が見えるか? はっはっは、そんな馬鹿げた質問があるか? わたしには何も見えない。真っ暗闇だ。この闇を照らす光など持ち合わせておらぬ。そのようなものは不要だ」

「今あなたの目の前には、大口を開けて待ち構えている悪魔がいます。それでもあなたは飛び込めますか?」

「……わたしはわたしの好きなように生きて、好きなように死ぬだけ」

「目をよく開いて、周りをもっとよく見てください。あなたが持っているのはただのビー玉ではないのですから」


 宝玉が三つ、転がっている。これで五つか。人を殺めてまで手に入れるべきものなのか?


「……わたしたちはだんだんとハルグに引き寄せられている。破滅はもうここまで来た。来た? いいや、わたしたちが飛び込んでいった。ゼールさんはその最初の犠牲者だ。

 破滅への道は短い。今死んでもおかしくないぞ」

「……」


 宝玉を拾ったラーナの足元に、ふた粒の水滴が落ちた。



 ********



「彼は、最期まで抵抗しませんでした」


 空が真っ赤に色づいている。それを見てわたしは少しばかり焦った。


「……アイゼンディーテさん」

「……火山に行くぞ」


 ラーナは驚いた素振りを見せた。


「昼間は灼熱地獄、夜中は永久凍土の砂漠地帯ですよ。破滅に近づいていくことになりますが」

「構わん。わたしにはもう生きる資格などないのだから」

「だからってそれは……」

「いやならわたし一人でいく」

「ついて行きます」


 風が妙に冷たく感じられた。


「……アイゼンディーテさんとは当分口をききません。これはあなたの戒めであり、私自身への戒めでもあるのですよ」

「…………」


 わたしはこの冷たい空気に堪えかねて、町の方向へ一人で歩いていった。


 ……まとわりついてくる風が気持ち悪い。


 歩いている間、自分の過ちについて考えていた。

 ツァプフェンクロイツ家という呪縛から逃れることさえできれば、世界は自分を中心に回っているのだと思っていた。だが実際は自分の周りに自分にとって都合の良い世界を構築して、それを回しているだけだったのだ。それが現実世界とのちょっとした衝突で崩れ去った。……頭が痛い。


 寒さを感じなくなってきた。雪山を通り過ぎた。さすがにこの格好のままでは町に入れないだろう。わたしたちは近くの川で衣服を洗い、よく乾かしてから再び歩き出した。汚れはなかなか落ちなかった。


 町に入ると守衛の人が出迎えてくれた。家出初日にあった人と同じだ。その人はわたしたち三人を家に入れてくれて、ご馳走を振る舞ってくれた。そして寝る場所まで提供してくれて、自分は仕事があるからと言って、外に出て行った。


 わたしは真っ白な布団の中で一人、涙を流した。


 その翌日、朝の六時になっても番兵は帰ってこなかったので、わたしは他の二人を置いて町の門へ守衛に会いに行った。



 ********



 今日の昼に町を出ることになった。取り揃えておきたいものなどなかったため、何の準備もなしに出発することとなってしまったが。


 門番に礼を言い、西門を出ようとすると、砂漠ではなかなか水が手に入らないからと言って、六リットルの水をめぐんでくれた。ひとり二リットルの水をもつことになったのだが、それでも少しばかり重い。わたしたちは再び礼を言って、町をあとにした。


 町から離れていくにつれて段々と木々が少なくなっていくのが解った。草の丈も短くなってゆく。


「アイゼンディーテさん、私たちはもう、引き返せないところまで来てしまっているのですよ」

「……あのさぁ、当分口を利かないとか言ってなかったか?」

「はて、そんな約束しましたっけ?」

「……このトリアタマ」


 こいつは何があっても変わらんのか。それはそれで接しやすいが。


「ゼールさんの死を無駄にすることは許されませんよ。せめて死なないように頑張りましょう」

「寧ろお前が無駄にしないように気をつけろ」

「殺した張本人が何言ってるんですか」

「昨日のお前が言った言葉を一瞬で忘れるようなヤツが偉そうに言うな」


 色々と面倒なヤツだ。こいつなら砂漠に捨てられていても別に悲しまない。寧ろ捨ててくれ。


「内陸部ですから乾燥しているんですね。ほら、ここに川の跡が」

「いや、それは川じゃなくて魔物の通り道だと思う」


 辺り一面砂だらけだ。木や草など生えていない。それはそれでいいのだが、暑いのはいやだ。


「サボテンなんて初めて見たぁ!」

「サボテンって美味しいらしいですよ」

「マジで!?」

「お前ら何でサボテン如きで興奮してんだ!」


 こらこら、近寄ると危ないぞ。サボテンによく似た魔物かもしれないからな。むやみに突っ込むな。


「うわっ! なんか動いたっ!」


 ほらね。あれ? でもなんか喜んでおるぞ。もう少し緊張感を持って欲しいものだな。


「これは食肉用ですかね」

「こらお前ら、そいつは食べ物じゃないぞ。ほら、早く行くぞ」

「あぁー、カメラ持って来ればよかった」

「お前カメラ持ってないだろう!」


 盗んだとでも言うのか?


「もう面倒だからストレートに言うが、そいつ魔物だぞ」

「え!? そうなの!?」

「……アホかお前ら」


 少し離れたのだがこいつらのせいで逃げ遅れたようで、サボテンが物凄い速さで近寄って来た。

 棘を伸ばしたり縮めたりして傷をつけようと図っているもようだ。


「【砂手】ですね。最近数が増え始めている新手の植物です。だろうとは思っていましたが」

「解っていたのなら近寄るなよ!」

「だって珍しかったんだもん!」

「山賊は山に帰れ!」


 サボテンが針を飛ばして攻撃する。それが目にも留まらぬ速さ……のはずであるが、わたしから見ればカタツムリといい勝負だ。果ての球に加えて風の球がある。他の二人は知らんが、わたしだけなら生き残ることは簡単だ。


「この植物にはいかなる攻撃も通用しませんからね。逃げるより他に道はないでしょう」

「じゃあ最初からそうしろよ!」

「いやぁー、珍しかったもので」

「お前も山にこもってろ」


 サボテンはテールドルトの走りと同じくらいのスピードで追いかけてくる。仕方がないので槍を構える。


「アイゼンディーテさん、危険ですよ。【砂手】シエクタスの体に傷をつけると劇薬が飛び散りますからね」

「何だその防衛システム! 鬼畜だな!」

「最高の初見殺しですね。死んだと思ったら爆発みたいな」

「初見殺し……?」


 とりあえず危険だということだろう? 面倒なヤツだな。遠くからの撃破の方が安全なのか(まあそうだろうけども)。


「スマラクト大公国軍による援護があれば安全なのですが」

「いや安全じゃないよ! 敵国だろ!?」

「あんな国を敵に回したわが国は相当馬鹿なんですね」

「国の英雄の末裔の前でよくそんなことが言えたものだな」

「細かいことを気にしているとはげますよ」

「知るか! お前らが気にしなさすぎなのだよ!」


 わが国は毎回毎回選ぶ敵を間違えている。だから最悪の災厄が降ってくるのではないか。今までよく滅ばなかったなと思う。


「とりあえず、遠くから破壊した方がいいのでは?」

「そんなこと解っておる。だがな、よく考えろ。わたしだけがこいつから離れてホフンブラストを放ったとする。そうしたらどうなる?」

「サボテンから逃げ切れていない私たちが巻き込まれるか、劇薬に触れて皮膚がどうにかなるかのどちらかでしょうね」

「そういうことだ」

「じゃあアイゼンディーテさんが囮になって、私たちが逃げた後に破壊っていうのはどうですか?」

「……わたしが囮というのが少々気に食わんが、まあやってみるとしよう」

「追いかけてくるのを防ぐために、すぐ近くで壊してくださいね」

「ふざけるな! そんなこと言うとは予想していたけど!」


 全員の無事を望んでいるのだぞ、わたしは。


「ほら、針を飛ばす量がだんだん多くなってきてますよ。常人には回避不可能ですね」

「……確かにお前らは普通じゃないけど」


 果ての球や風の球を持っていなくても棘を普通にかわしているラーナとか何なんだ? ハルバードで防いでいる山賊の方もすごいけど。


 早めに決着をつけたいので、わたしは二人をつかまらせ、サボテンのすぐ横に向けて強風を放った。するとわたしたち三人は反作用の力で後ろに吹き飛ぶ。サボテンが追いかけてくる前に強風の向きを変える。風の刃はサボテンに直撃し、そいつがいくつかの破片となって飛び散った。中から多量の水が飛び散った。わたしは遠くに押される前にスイッチを切った。


「ふう、疲れた」

「よくやったものですね。ですがこれで安心してはいけませんよ。砂漠にいるのは一体だけではないのですから」

「そうやって不安を煽るようなことを言うな」

「警告ですよ」

「……元はといえばお前らが引き寄せたのだろう?」


 次からは気をつけてくれよ、まったく。

 テールドルトはなぜか楽しそうな表情だし。全く反省してなさそうだし。


「そういえばアイゼンディーテさん、空の球は使わなかったんですね」

「空の球? 使い方を知らぬものでな」

「何事も挑戦ですよ」

「お前らは勇気の使い方を間違えている」


 あとで空の球について教えてもらったが、どうやら槍を一振りするだけで衝撃波が飛んでいくらしい。危険だな。使い慣れれば大丈夫とかぬかしておったが、お前使ったことないだろう。適当なことを言うのではない!


「……今まで全く気にしていなかったのだが」

「はい? どうかしましたか?」

「火山ってどこ?」

「……さあ」


 ろくに調べもせずに来たせいで場所が全く解らない。しかも何の対策もなしだぞ。早まりすぎたな。


「向こうのほうは砂嵐がひどすぎて見えませんし」

「砂嵐なんてあんの? 飛び込んでみたい」

「お前アホか」

「山の中とは大違いだし」

「そりゃそうに決まっておるだろう。……砂漠でこれほど興奮する輩は初めて見た」

「とりあえず、砂嵐が吹き荒れている方向へ進んでみましょう」

「……お前ら砂嵐に巻き込まれて帰れなくなってしまえ」

「あ、今さり気なくひどいこと言いましたね」

「え!? 今のさり気なくなの!? 普通にひどいこと言ったつもりなのだが!」


 感覚がおかしいぞお前ら。もう砂漠で倒れて骨になってもいいよ。


「先にいっておくが、わたしはある程度まで近寄ったら止まるからな」

「それは困りますよ。空の球の力がないと砂嵐は越えられないんです」

「そうなの!?」


 そういうことなら仕方がないな。ある程度近付いたので、遠くから撃ってみる。緑色の衝撃波っぽいものが空気中を直進し、離れた所にある砂嵐に突っ込んだ。と思ったら、砂嵐が縦に裂けて消え去った。何だこれ。


「よくあるシチュエーションですね」

「よくあるのか? 砂嵐を切り裂いて砂漠を進む将軍などどの国にもおらんぞ」

「勉強ばかりさせられているお嬢様には解らないことですよ」

「うるさいな。話を合わせたいなら少しは娯楽を楽しむ時間をくれ」


 わたしたちはそのまま前へ進んでいった。すると、石でできた白い柱が見えた。その柱から白い壁が延びている。砂漠の中の集落とか、そう言ったものなのか?


 町の入り口には真っ白な布を身体中に巻いた屈強な男が二人、槍を持って立っていた。


「何だそこの者どもは、流れ者か?」

「流れ者とは失敬な! この十字の槍を見て解らぬのか!」

「……さっぱり」

「……やっぱり」


 だろうとは思った。

 二人の男は顔を見合わせ、片方が頷いた。


「よし。なんかよく解らんが、町の牢屋に放り込んでおくぞ」

「おい待て! どういうことだ! 純粋な心を持った旅人を牢屋に放り込むだと!?」

「いや、どう考えても純粋じゃないから。そういうことだ。諦めるんだな」


 無理矢理連れて行かれるのは嫌なので大人しく従っておく。


「せいぜい頑張るのだな。足掻けるだけ足掻いているがよい」

「お前ら絶対悪役だろ! てかちょっと待て!」


 石でできた壁に囲まれた牢に閉じ込められたようだ。薄暗い。


「これはあなたが馬鹿としか言いようがありませんね」

「そーだそーだ!」

「お前らの弁解がなかったのも原因だと思うけどな!」

「なんでもかんでも人に頼ってばかりではいけませんよ」

「お前が言うな。あの時明らかにわたしが行かなければならない雰囲気作っておっただろう!」

「それよりも、今はここから抜け出すことのほうが大事なのでは?」


 そういえばそうだ。畜生、あの野郎ども、覚えておれよ。


「どうすればいいというのだ?」

「壁を壊すしかないですね」

「随分と豪快な手段ですね」

「いえいえ、牢屋に閉じ込められたら必ず壁を壊して脱出しなければならないという暗黙のルールがあるのですよ」

「そんなの聞いたことがないぞ」

「そりゃ暗黙のルールですから」

「で、誰が壊す? てか、壁を壊せるほどの力を持ったやつはそうそういないぞ」

「ここにいますよ。山賊ですし、丁度いいですね」

「ああ確かにいたな。……何が丁度よいのかは解らぬが」


 この山賊ならいけそうだな。


「本当は外側から壊してもらうのが良いのですが、まあ仕方がないでしょう」

「別に内側からでもいいだろう」

「世の中には外側からしか壊せない、特殊な壁もあるんですよ」

「……知らん」

「まあいいです。やっちゃってください」

「うぃっす」

「……なあお前ら、肝心なことを忘れておらんか? 武器は没収されたのだぞ」

「……あ」


 アホだなやっぱり。牢屋に武器持たせて放り込む門番なんていないぞ。


「素手でもできないことはありませんよ」

「無理だろ。現実を見ろ」

「あぁ、やっぱり無理ですかぁ。テールドルトさんの職業が『山賊』じゃなくて『盗賊』なら可能だったかもしれません」

「何でだよ」

「そういう奇妙な法則があるのですよ」

「……わたしにはさっぱり解らん」


 普通逆だろ、というツッコミなど不要だろうな。


「……静かにしろ、誰か歩いてくるぞ」


 足音が聞こえる。

 歩いてきた者は牢屋の鍵を開けた。先ほどの男だ。


「お前、十字槍を見せ付けて何者かと思いきや、何だただの英雄の子孫か」

「ただの英雄の子孫とは何だ!」

「待ってくださいアイゼンディーテさん! 褒め言葉ですよ」

「どんな褒め言葉だよ!」

「そーゆーのもあるんですよ! あまり深く考えないで下さい」


 そういうわけで無事に解放され、わたしたちは再び日の光を見ることができたのであった。外は暑いけど。


「なあ門番よ、火山はどこだ?」

「火山だと? 何故そんなところに行くんだ?」

「どうしても必要なものがあるのだ。他人に任せられるような代物ではない」

「この町をさらに西に進んだ所にある山がそれだ。残念だが、現在は封鎖されているぞ」

「わたしはどうしてもそこへ行かねばならぬのだ。何とかしろ」

「俺達には無理だ。警備の目を盗んで進入するか、強行突破するかのどちらかしかないだろ」

「諦めろというのか?」

「ああ」


 わたしたちは適当な家の日陰に退散し、ひとまず門番から離れた。


「どうする? このままではハイライアに先を越されてしまうぞ」

「知りませんよ。ご自分でお考えなさい」

「無責任だなぁオイ!」

「解りましたよ。一緒に考えればいいんでしょ」

「投げやりだな。心配なんだけど」


 わたしたちは店らしき建物の中に入り、周辺の地図を購入し、店内の椅子に座った。店員も白布だったぞ。暑さを和らげるためのものなのか。


「……ちょっとよく解りません。ここは強行突破に限りますね」

「結局そうなるのか」

「仕方ないじゃないですか。面倒なんですもん」

「理由が……」


 わたしたちは店を出て、西へと向かって行った。山はすぐに見えた。少し歩くと山の麓だ。意外と近い。


「ロープが張られていますよ。噴火でもしたんですかね」

「噴火しておったら集落に人などいないと思うのだが」

「じゃあ魔物ですかね」

「そうだろうな」

「警備員もいないみたいですし、入るとしますか」

「ああそうだな。だが忘れるなよ。警備員が敵なわけではないのだからな」


 土と岩だけでできているかのような山を登る。坂が急なわけではないので登るのは楽だ。


「ありゃ、なんか看板が立てられていますよ」


 この先危険! 関係者以外絶対立ち入り禁止! ていうか関係者も立ち入り禁止! 絶対禁止! 命が惜しければ近づかない方が身のためだぞ! だから近付かないでね☆ P.S. フハハハハ! 脆弱な人間どもよ、自然災害の力を思い知るがよい! ……と書いてある。火口に近寄るなオーラがしつこいほど出ている。うざっ。

 よく見ると他の所にも同じ看板が立てられていて、ロープで繋がっている。


「これはマジな方なのでしょうかね」

「多分。国民性が現れ出ている文章だし」


 多分これ落書きが半分を占めていると思う。それはそれでいいのではないかと思うわたしもちょっとダメだけど。

 わたしたちはロープの周りをぐるっと回ろうとしてみた。そうすると途中で、四角いトンネルのようなものを見つけた。地下へと繋がっているもようだ。


「ここだけロープが張られていないということは、どうぞご自由にお入り下さいってことなんでしょうね」

「……怪しすぎる」

「罠なんでしょうかね」

「採掘場ではないか? 宝石とか沢山取れるようだし」

「怪しいんですか?」

「ここだけロープが張られていないというのが怪しい。よし、入るぞ」


 遠慮なしに入っていく。中は薄暗かったが壁に灯りがかかっていたのである程度は見える。

 広場や通路を全て無視して下におり続けていると、最下層まで来た(当たり前だが)。奥のほうが明るい。


「ここはロープが張ってありますよ。どうしますか?」

「奥へ進むに決まっておるだろう」


 明るいほうへ歩いてみると、金属製の扉が見えた。四角い窓がついていて、その奥にオレンジ色の光が見える。ドアノブをつかみ、回そうとする。


「熱っ!」

「大丈夫ですか!?」

「あ、ああ大丈夫だ」

「この扉!」

「扉かい! 扉の心配してどうする!」

「そんなに熱くて溶けないんですかね」

「見た目大丈夫だから平気なのではないか? それよりわたしの右手の心配をしてくれよ」


 この扉、開けるまでに手が溶ける。だが、そんなときのためのホフンブラストだ。電池残量が心配だが、試してみる。すると、扉は見事に奥へ吹き飛んだ。


「恐るべき威力ですね」


 扉がなくなったことで、奥の景色がひらけた。


「……帰ってもいい?」

「ダメです」


 その奥の景色とは! 普通の溶岩地帯。修飾語など使う必要がない。溶岩地帯。ただの溶岩地帯。火山の内部。


「……どうしよ、扉、壊してしまったぞ」

「火の球を回収して逃げるしかないでしょう」

「でもこの中に入るのは嫌だ」

「あなたならきっと無事に帰ってこられますよ。今までいくつもの窮地を脱出してきたんですから」

「……お前、わたし一人で行かせるつもりだろう」

「ええそうですけど何か問題でも?」

「……普通に腹立つ」

「仕方ありませんねぇ。一緒にいってあげます」

「何がどう仕方ないのかは解らんが……」


 それにしても暑い。熱くもあるが、火に触れない限りは暑いだけで済むだろう。しかし暑い。骨の芯まで溶けてしまいそうだ。いやむしろ骨の芯から溶けそう。


「お前ら絶対押すなよ!」

「それは振りですか?」

「何が振りだふざけるな! わたしは真面目にものを言っておるのだぞ! てかこの状況だぞ!」


 押されたらどうなるかは言うまでもない。通路狭いし。手すり? そんなものついているわけがない。柵なんてなおさら。


「落ちると面倒なことになるからな(人員が減るという点で)。絶対落ちるなよ」

「通路が狭くて落ちそうなんだけど、ちょっと手ぇつかませてもらっていい?」

「それは嫌だ」


 どうせ引っ張られてジ・エンドの流れだろう。行動パターンはだいたい読める。


「溶岩の洞窟ですか。ちょっとワクワクしますね」

「しないから。これで怖がらないお前らのほうが珍しいから」


 真っ暗じゃないだけマシだが。


 奥に進んでいくと、通路が広くなってきた。これでいくらか歩きやすくなるだろう。


「……おや? あれは」

「どうした?」

「魔物っぽい鳥がいます」

「……あれか。魔物だろう。魔物っぽいじゃなくて」


 炎に包まれた巨大な鳥がこちらを見つめている。鳥シリーズ第三弾のお出ましだ。


「フェニックスっぽい感じの魔物ですね。通してくれなさそうですし、戦うしかないですね」

「やはりそうなるのか。通路が広くなってきてから魔物の気配は感じていたが」


 わたしたちが武器を構えると、フェニックスは口から火を吐いて威嚇してきた。


「どうしたんでしょうか、辛いものでも食べたんですかね?」

「……もう突っ込む元気もなくなってきた」


 疲れているものだし、この戦闘で焼け死にそう。


 鳥がこちらに向かって飛んで来た。横に移動して避けたのだが、近くを通ると熱い。


「強風でも放って対抗したらどうですか?」

「残念だが電池が残っていない。それと何でも人任せにするな」

「忘れていませんか? 風の球の力を借りればいいのですよ」

「そういえば忘れておったな。だが何でも人任せにするな!」


 風の球を一応試してみる。槍を一振りすると、刃から鋭い風が飛んでいき、魔物を襲う。風の刃は見事に鳥を切り裂き、腹に大きな裂け目を作る。だがその傷は体を覆う炎によって修復される。


「ダメですね。自己再生も早そうですし」

「滅多切りにして殺すしかないか?」

「切り離すしかないでしょうね」

「やはりここは山賊の出番のようだな」

「へぃ。任しといて」

「火傷には充分気をつけろよ」


 テールドルトは勇敢にも魔物に立ち向かう。魔物が火を撒き散らして応戦する。すると山賊は顔を真っ青にして帰って来た。


「ごめん無理」

「じゃあわたしたちが後ろから援護射撃をする、というのは?」

「一本の矢でも相手の気を散らすことくらいはできますよ」

「……うん解った。もう一度やってみる」


 再び戦いを挑む。わたしたちが風の刃やらなんか弱そうな矢やらを飛ばして敵の意識をこちらへ向けさせる。その隙にテールドルトがハルバードを一閃させる……が、その瞬間にフェニックスが動いたので、長い尾の一部を切り落としただけだった。


 敵がこちらに向かって大量の火球を飛ばしてくる。わたしたちは横に動き回り、直撃を免れた。たまに掠ったりして熱かったが。


「魔物が火の球を飛ばしてきましたよ!」

「ああ、宝玉じゃない方のな」


 わたしが衝撃波を飛ばすと、翼に命中したようで鳥がバランスを崩して地に落ちた。

 山賊が重い斧槍を高く振り上げ、フェニックスの首元に強く落とした。魔物の首は断たれ、吹っ飛んだ頭部が溶岩の中に落ちた。


 だがそれだけでは終わらなかった。鳥の体の炎が大きくなったかと思えば、つい先ほど切断した頭部が再生しているではないか。


「厄介なヤツだな」

「このままでは埒が明きませんよ。これはもう、逃げるしかなさそうですね」


 走って魔物から遠ざかる。わたしはてっきり追いかけてくるものかと思ったが、鳥の魔物はわたしたちが視界からいなくなると、溶岩に飛び込んでバスタイムに入ったようだ。やはり頭も鳥なのだな。ラーナみたい。


「これでひとまず安心です」

「いや安心できないだろう。少しでも気を抜けば溶岩にドボンだからな」

「道も広くなってきましたし、大丈夫ですよ、きっと」

「……そういうヤツが一番危ないのだよ」


 さらに奥のほうに進んでいくとなぜか溶岩が少なくなってきて、暗くなってきた。


 ある程度歩いた所で立ち止まる。


「……あれ? 行き止まりか?」

「ありゃ、これで終わり?」

「……いえ、ここに狭い通路があります」


 岩の壁に横穴みたいな細い通路があった。通り抜けられるか心配だ。


「わたしのこの槍は通らないのでは?」

「そんなこと言ったらこのハルバードも通らないじゃん」

「果ての球の空間転移を利用したらどうです?」

「使えるのか?」

「解りません。もしかしたら天井に頭をぶつけるかもしれませんが」

「何でだよ」


 試してみる価値はある。だが先に転移先の景色を見ておく必要があるのでは?

 細い通路を何も持たずに通り抜ける。その先には広場がある。だがあちこちに溶岩の池ができている。ここが本当の行き止まりのようだ。しかしその奥には……、


「待っていたぞ。お前がここに来ると信じていた」

「お前は……鍛冶屋のオヤジ……。だけどごめん。今忙しいからまた後で」

「あッ! おい待て! 逃げるな!」


 元来た道を引き返す。そして先ほどの景色を頭の中に思い浮かべて強く念じる。


 手元を確認する。武器も無事に転送されたようだ。


「……待っていたぞ。お前らがここに来ると信じていた」

「……二回目ご苦労さん」


 目の前のいかついおっさんは既に疲れたような表情になっている。きっと長い間ここで待っていて、わたしたちに向けて言う言葉を一生懸命考えていたのだな。ここはシンプルイズベストだと思い切って言った言葉だったのにもう一度言う羽目になるとは。鍛冶屋さん、ごめんね。


「……さて、緊迫したムードに戻すが、先日は世話になったな」

「それくらいしねぇと張り合いがねえからな」

「えっ、鍛冶屋の方だったんですか!?」

「うえぇっ!?」

「……お前ら、気づくのが遅すぎるぞ」


 オヤジ、本当にごめんね、こんな奴ら連れてきて。


「てかこんな顔だったっけ?」

「もっと背が低かったような気がするのですが」

「成長したんじゃない?」

「なるほど」

「…………」


 何というトリアタマ……。こいつらなら灼熱の溶岩に浸かっていても平気そうだな。


「そ、そういえばまだ名乗っていなかったな」

「そ、そうだな。まずは貴様の名を聞いてやるとしやう」

「かんでましたよ」

「半分お前らのせいだよ!」


 肝心の邂逅シーンなのにアホすぎる。


「俺の名はルッヒェル・ナファルトだ」

「一応こちらの名も知ってもらうとしよう。わたしはアイゼンディーテ・ベルゾルド・ツァプフェンクロイツ。この国の英雄の子孫だ」

「……何処かで聞いたことのある名前だな」

「お前いいヤツだな」

「思い出した。昔読んだ作り話に出てきた主人公の名だ」

「……前言撤回。お前後で滅多切りにしてやるからな。覚えておれよ」


 滅茶苦茶な邂逅だな。


「それで、この呑気にぬぼーっと突っ立っておるのが山賊のテールドルト、その隣の金髪のチビがラーナだ」

「誰がチビですか! ていうか、あなたもチビじゃないですか」

「うるさいな。わたしより背の低い者がそのようなことを言うでない」

「そういえば、アルヒェルのヤツは一緒じゃないのか?」

「ああ。用事があるとか言って離脱した。砂漠で魔物の餌になっているとか言う者もおったが」


 あいつ今頃どうしているのだろうな。


「さて、お前らは火の球を求めてやってきたんだろ?」

「その通りだ」

「火の球は既にこっちのもんだ。欲しかったら、お前らがこれを持つ資格を持っているかどうか、示してみな!」

「フン、言われなくともそうさせてもらう!」


 よし、きれいにまとまった。あとは戦闘と締めくくりがある。むやみに口出しするなよ。ラーナたちが喋ると悲しい雰囲気も全て吹っ飛ぶからな。


「さて、まずは手始めに、これを試してみるとしよう」


 槍を素早く振って風を飛ばす。ルッヒェルは初め驚いた様子だったが、反応が早く、今まで背負っていた大剣で弾き散らした。そしてそのままの勢いで近寄ってきて、大きく振り上げた。巨大な剣から鋭い音が発せられた。わたしは果ての球の反応力で一歩後ろに下がり、風の球のスピードで横に走り出し、間合いを取った。


 風の刃を三つ飛ばすが弾かれる。先ほどと同様に距離を縮められる。わたしはルッヒェルの後ろに回ろうとし、その走る勢いで斬りつけようとした。だが、刃が引き離されるような感触があった。相手も、今までの敵のような軽装ではない。


 敵もそこまで甘くはなく、振り向きざまに薙ぎ払いを仕掛けてきた。反応が少し遅れ、後ろに倒れる。大剣を大きく振り上げ、今にも振り下ろさんとする鍛冶屋のオヤジの姿が、妙にでかく見えた。元々でかいのだけれど。


 振り下ろされる直前に横に転がって回避。強い衝撃が伝わってくる。急に倦怠感を感じた。動き回るのが嫌になる。ここで戦うのをやめたらハルグの復活はより確かなものとなる。こんな死に方では天国にいるゼールに顔向けができないぞ。ああ、わたしがこれから向かうのは地獄か。死後、安らかに眠ることすら、わたしには許されていないのだ。ああ、それなら死ぬまで足掻き続けてやる。


 自分でも信じられない速さで起き、立ち上がり、大きく後ろに退く。生半可な覚悟では返り討ちに遭うことは必至だ。……わたしは死んでもいい。わたしはもう、生きていなくともよい。そう自分に言い聞かせながら走り回る。本当はまだまだ死にたくないが。


 溶岩から発せられる熱気すら感じさせない死闘である。こちら側は、相手の剣を受けた瞬間に敗北確定、あちら側は、露出した部分に刃を当てられない限り負けることはない。ほぼ全ての面から見て、こちらが不利だ。勝つ見込みはほとんどないといっていいだろう。

 ……ただ、宝玉の恩恵を受けておるのだよ、こっちは。


 わたしは今まで誰にも負けたことがない。今までの何度かの戦闘の中で、どれほど不利な状況であったとしても、敗北を受け入れたことは一度もない。それは仲間たちの支援のおかげであり、仲間たちの応援があったからである。


 ……こいつらの期待を裏切ってたまるものか。わたしは驚異的な速さで近付き、斬りつけて離れる。全くもって傷は与えられていない。攻撃が通らない? だから何だというのだ。相手に傷をつけなくとも、わたしが負けるわけではない。わたしがルッヒェルの雷撃を避け続ける限り、いつまでも生き続ける。


 氷のような緊張が落ちてくる。遠くで離れて見ているラーナたちも、地獄の風景を見ていられず、顔を背けている。


 柄を握る手が汗で滑ってくる。


 ……どちらが先に仕掛けるか、双方が互いの様子を伺っていた。


 橙色の溶岩が沸騰して跳ねる。


 熱さなどなかった。わたしたちの全神経は緊張と死闘に支配されていて、外界からの情報を受け取ることすらできないほど凍りついていた。その体には疲れもなく、また、心すらなかった。


 押しつぶされそうな静寂に堪えかねて、先に仕掛けてきたのはルッヒェルだった。大剣を振りかざしながら駆けてくる。わたしの反応は少し遅れたようであったが、遅すぎるということはない。壁沿いにするすると動き、ルッヒェルの衝撃を回避する。振り下ろした直後は隙だらけだ。槍などという作り物では勝てるはずもない。わたしは、ルッヒェルの足元に向かって、全速力で走り出した。


 ……自分を信じろ。自分は、幾つもの試練を乗り越えてきたではないか。


 わたしの肩とルッヒェルの脚が激突した。全ての力をそこにぶつけた。肩の骨が折れたかもしれない。これ以上動けないかもしれない。弱者の足掻きだ。どれほど不利な状況にあろうとも、その不利が覆されるまで足掻き続ける。それが弱者の戦いだ。そんな、降参する時にいう言葉などを考えている暇があったら、運命に抗う覚悟くらい、決めればいいではないかっ!


 大きく跳ね返されたが、相手を転ばせることができた。それだけでも奇跡だ。


 壁が見えるように回り込み、追い詰める。だがルッヒェルは起き上がってきた。このままではまずい。わたしのスピードが足りなかったとでも言うのか。


 ……後ろで、何かが煮え立つような音がする。


 ルッヒェルがわたしの後ろへ回り込んだ。わたしは驚いて横に逃げようと身構えたのだが、その必要はなかった。


 ……真っ赤な光が炸裂する。一瞬、何が起こったのか解らなかった。ルッヒェルの背中が大きすぎて、状況が読めない。


「ぐっ……、うおおおあぁぁぁぁ!!!」

「おいっ!! 何だ!? 一体、何が起こったというのだ!! 答えろ!! ルッヒェル・ナファルト!!」


 …………わたしの目の前に、さっきまで仁王立ちしておった大男は、既に見る影もなく、塵と化していた。


「……彼もダメでしたか」


 その声をなしにして、そいつの存在に気付くものはなかった。


「もう少し粘れると思っていたのですが」

「……貴様か」

「ああ、お久しぶりですね、アイゼンディーテさん。それに、そこの山賊の方や、ラーナまで」

「……」


 少し引っ掛かるものがあった。だがその時はそんなことを考える余裕もなかった。


「一体何のつもりだ」

「あなたがたを助けに来たのですよ。少しは感謝していただきたいところですが」

「……ふざけるな」

「はい?」

「たった一つの尊い命を奪ったクソ野郎に、かけてやる感謝の言葉などない!!」

「……ほう、なかなか言いますね」


 少しの間、静寂が流れる。


「さて、今夜はパーティを開くとしましょう。あなたたちにも是非ご出席していただきたかったのですが……、この様子では無理そうですね」


 急に、溶岩の煮え立つ音が大きくなってきた。


「貴様、何を施した!?」

「じきに解りますよ。それではみなさん、ごきげんよう」

「待て! これ以上の非道は天が許さないぞ!」


 ハイライアが消えてから、音がさらに激しくなった。溶岩が跳ねている。


「っ! みなさん! 早くこちらへ! この部屋はもう間もなく爆発します!」

「何だ何だ!? 何か助かる方法でもあるというのか?」

「ええ。こんなこともあろうかと、石化の魔法を習得しておきました」

「石化て、爆発まで防げんの?」

「それに、一度かけたらもう二度と元に戻らなさそうな気が」

「大丈夫です。魔法の力を信じてください。ほら、もう時間がありませんから。かけますよ」


 ラーナがなにやら呟き始め、足から動かなくなってきた。全身に魔法がかかった直後、地面や壁の岩が崩れ、溶岩が温泉のように湧き出て、目の前を橙色に染めていった。

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